誰かが何かの目的を掲げて旗を立てると、その旗の下にすぐさま大勢が集まって、みんなで力を合わせてそれを達成する。発起人は誰でもいいし、目的は仕事に関することでも、そうでないことでも何でもいい。(ラックスペース エクスペリエンス・デザイン部のハリー・マックス)
ラックスペースのファナティック経営のブログ記事を続けます。
石塚しのぶ氏の未来企業は共に夢を見る -コア・バリュー経営の中に
Rackspace(ラックスペース)というクラウドサービスの会社が取り上げられています。
この会社の社員養成法がとても素晴らしいので、以下紹介します。
ラックスペースの社員はラッカーと呼ばれ
同社のファナティックな経営スタイルを身につけています。
(ファナスティックな経営に関しては、こちらのブログをお読みください。)
普通の会社はヒエラルキーに基づく組織運営が基本になり
経営陣の意思伝わらないというジレンマがあります。
しかし、ラックスペースでは、ラッカー同士が親密です。
ファナスティック(熱狂的)な忠誠心と責任感にもっていますから
リーダーの考え方や経営方針がしっかりと社員に共有されています。
「個の英雄的行為(パーソナル・ヒロイズム)」と「献身的な人間関係」という
一見矛盾するようなこの二つの要素の共存が
ラックスペースの類い稀な機動力と革新性の源になっていると
著者の石塚氏は、本書で指摘しています。
次のハリー・マックスの言葉を読むとこの会社の強さがよくわかります。
誰かがある使命や目的を掲げて旗を振ると、その下にわっと人が集まり、短い時間にとてつもない力を集結して事を成し遂げてしまう。そんな不思議な力がラックスペースにはある。
アメリカで「小さいのに偉大だ!」といわれる企業の、シンプルで強い戦略 [ 石塚しのぶ ] |
そして、このラックスペースはラッカーになるための教育に力を入れています。
まずは、社員のための「居場所」づくりから始まります。
ラックスペースのリーダーは、社員各々の目標や夢を知るだけでなく
その人の長所を探し当て、それを引き出すことを意識します。
組織運営において、社員の強みを見つけることはとても大事なことですが
同社のリーダーは絶えずそれを考えているのです。
リーダーとして、チームで働いてくれている人たちをそれぞれ一人の人間として気にかけ、その人たちを知ることが必要だと思います。彼らがどんな目標や夢を持っているのか、それをよく理解して、実現に向けて後押しすること。それが、我々リーダーの役割だと思っています。同じ価値観を共有できる人であれば、会社の中に必ずどこかしらその人の居場所がある。誰にでも強みがあるから、その強みにマッチした役割を見つけてあげればいい。(コートニー・ぺナ)
ラッカーのリーダーは、部下がどうやってゴールに辿り着いたらよいかを
共に考え、教えなければなりません。
そして、彼らの強みを見つけ、夢の実現のための居場所を用意します。
コートニー・ぺナは次のように、ラッカーのリーダーの指導法について語っています
まず、各自が自分のやりたいことを見極めなくてはなりません。そして、夢を実現するために克服するべき道のりを自分のものとして認識し、責任をもつことが大前提です。それは本人の仕事。リーダーの仕事はどうやってゴールに辿り着いたらよいのか、その道のりを示し、あらゆる手を尽くして、そこに到達できるようサポートすることです。
この会社のリーダーは「ひとりの人間」として
部下の成長に向けて、親身になって導いているのがよくわかります。
その結果、ラックスペースの社員は短期間で成長し、自分の強みによって会社に貢献します。
メンバーが一つにまとまり、全員で目標を達成していくのです。
また、中堅の社員が新人が教育するときの以下の言葉に
この会社の真の強さが隠されています。
「ラッカー魂」を継承する仕組みがしっかりと出来上がっているのです。
僕たちを指導してくれた先輩たちは、偉くなって、今では他の部署や部門に行った。そこで、僕たちが君みたいな新入社員を教える立場になったということだ。やがて君も、新入社員を教える立場になり、その新入社員を一人前にして、君自身が目指す方向に進んでいくんだ。僕たちの前の、その前の、そしてそのまた前の先輩も、そうやっ て人を育て、自分も目指す方向に進んでいったんだ。それが、この会社の『ラッカー』の伝統なんだ。
よい人を育てるために、新人の居場所をつくるために
教育係は自分がやるべきことをよく理解しています。
このように自社の強みをストーリーテリングができる素晴らしい会社を
日本にもどんどん作っていきたいですね!
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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