幸福、忍耐強さ、楽観性など、何か一定の特質を身につければすべてがうまく行くかのように主張する専門家が─特に心理学の世界で─後を絶たない。だが我々はそういう考え方をしない。ひとつの心理状態が最善だとするのではなく、どんな心理状態もすべてよいのだと考える。(ロバート・ビスワス=ディーナー・トッド・カシュダン)
ロバート・ビスワス=ディーナー・トッド・カシュダンの
ネガティブな感情が成功を呼ぶを読むと ポジティブシンキングの限界がわかります。
著者の二人は研究を通じ、ポジティブに考えるだけでは幸せになれないことを発見します。
私たちは時には、マイナスの感情とも向き合わねばなりません。
ポジティブ・ネガティブ両方の視点をもたないと、セレンディピティは起こりません。
本当に幸せになるためには、アダプティブ・アドバンテージが必要なのです。
あらゆる心理状態には、 「アダプティブ・アドバンテージ(変化に適応するための優位性)」がある。従ってどれかひとつがよいと決めてそちらをめざすのではなく、さまざまな感情─とりわけ目を背けがちな感情─の有用性を考え、どんな心理状態でもうまく舵を取って生きる能力を身につける方がいい。
普段見たくない、ちゃんと向き合っていない感情にも目を向けましょう。
ネガティブな感情をしっかりと受け入れることで、私たちは幸せになれるのです。
どのような状況に置かれても、素早く対処できるように
あえていろんな感情に目を向ける力を持つのです。
この心の柔軟性によって、より自分を成長させられます。
ネガティブな感情が成功を呼ぶ [ トッド・カシュダン ] |
人間に与えられた自然な感情をすべて活かせる人、つまりポジティブ感情もネガティブ感情も受け入れて幅広く活用できる人が、もっとも健全であり、人生において成功する可能性が高い。
ネガティブ感情は、人生に関する知識を増やし、自分を成長させてくれます。
ふつうは避けたいと思う嫌な体験・経験の数々が
後になって人生でもっとも忘れがたい感動的な経験となることもあります。
ポジティブ感情だけでなく、ネガティブ感情もまっすぐに受け止めて
それを活かすことを覚えれば、成功への道が開けるはずです。
幸福が思わぬ副作用をもたらすことがあります。
幸せを維持するために、楽な道を選ぶと自分を弱くしてしまいます。
逆に不快な心理状態が、時に好ましい結果を生むことがあると考えてみるのもです。
100%ポジティブをめざすのではく、20%のネガティブな時間を有益に使える人のほうが
仕事でも学問でも成功し、幸福な人生を歩める!と著者の二人は言います。
この80ポジティブ・20ネガティブのバランスを上手にとりたいものです。
このバランスを保つことで、私たちは幸せになれるのです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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ソーシャルメディアを武器にするための10カ条 [ 徳本昌大 ] |
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