地位のない人が権力を行使しようとすると非難されることがわかった。(アリソン・フラゲイル)
PDFA習慣術の徳本昌大です。
アダム・グラントのORIGINALSの書評ブログを続けます。
今日は人から尊敬されることの価値について学びたいと思います。
私たちがコミュニケーションで優位に立ったり
人に提案を受け入れもらうためには、実は尊敬されることが鍵になります。
他者のためを思っていろいろ試みても、その人が尊敬されていなければ、他者はその人物をあつかいづらく高圧的で利己的だとみなす。こちらの称賛に値することをしていないのだから、あれこれ言う権利はないと感じ反発するのだ。(アダム・グラント)
ものごとを変えようとがんばって努力をしているのに
相手にされていないことがわかると、人間関係は最悪になります。
人は悪循環に陥ると自分の存在価値を示そうとして、どんどん尊大な態度をとってしまいます。
その結果、ますます利己的だと評価され、反発されてします。
いくらその提案が良かったとしても採用されませんから、仕事が前に進まなくなります。
ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 [ アダム・グラント ] |
二人組の片方に権限を与え、もう一人が50ドルを入手する実験が
本書で紹介されていましたが、結果は驚くべきものでした。
権限を与えられた人のうち無作為で選ばれた人に
「パートナーはあなたを尊敬している」と伝えた場合
権限のある側は簡単な課題を命令するケースがほとんどでした。
たとえば、おもしろいジョークをいう
前日の出来事を書くなどといった比較的簡単なことを命令し
パートナーがお金をもらえるように協力したのです。
しかし、「パートナーはあなたを軽蔑している」と伝えた場合には
権限のある側は屈辱的な課題を与えて仕返しをしたというのです。
犬の真似をして三回吠える、 「私は不潔な人間です」と五回いわせたり
500から逆に7つ飛ばしにきっちり数を数えるなどのいじわるな命令をしたのです。
なんと、自分が尊敬されていないと知らされるだけで
他者をおとしめる方法をとる確率は二倍には
権限を持ってない時には、周りの人に注意を払わなければなりません。
自分の話を聞いてもよいと思わせるためには、よい提案だけではダメなことがわかります。
自分が相手を尊敬していると思わせなければ、物事はうまく進みません。
相手の立場を認めて、関係を構築することの重要性をこのケーススタディから学べました。
いずれにせよ、尊大な態度をとるのではなく
相手の存在を認めるという当たり前な行動によって、物事はうまくいくのです。
傲慢症候群にならないように、気をつけたいと思います。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
アダム・グラントの書評記事①はこちらから
アダム・グラントの書評記事②はこちらから
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ソーシャルメディアを武器にするための10カ条 [ 徳本昌大 ] |
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