「でも、これだけは言わせて。私だっておとなになったら、お父さんに負けないくらい、自分の仕事に打ちこんでみせる。ただ就職すればいいなんて思ってないよ。私は天職に就きたいの。だから、自分を高める努力を怠らない。打ちのめされても、絶対に立ち直ってみせる。たしかに、私はクラスでいちばん頭がいいとは言えないかもしれない。でもきっと誰よりも、粘り強くやり抜いてみせる」それでもまだ父が聞いていたら、最後にこうつけ加えよう。「お父さん、長い目で見れば才能よりも重要なのは、グリット(やり抜く力)なのよ」(アンジェラ・リー・ダックワース)
元マッキンゼーの心理学者のアンジェラ・ダックワースは
マッカーサー賞(天才賞)を受賞するほどの才女ですが
子供の頃は父親から、出来がよくないと愚痴られていたそうです。
冒頭の言葉は、受賞後、彼女が父親に向けて発した言葉です。
ダックワースは数々の研究から、才能ではなく「GRIT」(やり抜く力)が
未来を明るくすることを見つけました。
以前このブログでもこの話を紹介しましたが
本書を読むことで、GRITの凄さを再認識しました。
アンジェラ・ダックワースのこのスキルを意識し、行動することで
私たちは結果を残せるようになるのです。
イチローのように無数の小さなスキルや行動を積み重ねることで
人はとてつもない記録を達成できるのです。
メダルを獲得するオリンピック選手たちの日頃の努力を私たちは知りません。
試合までの長い道のりの中で、彼らは恐ろしいほどの努力を積み重ねています。
それを私たちは、彼らには才能があるからだと決めつけ、努力のせいだとは考えません。
「才能」という言葉はそれほど便利で、これを使うと自分たちの努力不足を認めずにすむのです。
今回、アンジェラ・ダックワースはやり抜く力
人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につけるを出版し
その中で「GRIT」(やり抜く力)について、徹底的に分析しています。
やり抜く力には、パッション(情熱)が必要で、これがなければ続けられません。
自分の時間をワクワクなものに使い、その行動を継続することが鍵になります。
興味、関心のあるものが見つかったら、時間をかけて掘り下げていきましょう。
わからないことが見つかる度に、それを興味の対象にしていくのです。
適切なアドバイスやフィードバックをくれるコーチやメンターを持つことで
情熱を失わずに、行動を習慣化できるようになります。
オリンピック選手の陰には、優秀なコーチがいるのを見れば
このメンターの存在が欠かせないことがわかります。
やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける / 原タイトル:GRIT[本/雑誌] / アンジェラ・ダックワース/著 神崎朗子/訳 |
「GRIT」(やり抜く力)によって、私たちの人生が変わることを
本書の数多くのケーススタディから学べます。
優秀なアメリカのウェストポイント(米国陸軍士官学校)の事例を読むと
成績よりも、GRITの方が重要であることがわかります。
どんなに入学時の成績がよくても、やり抜く力がなければ
この学校の過酷な夏の合宿(ビースト)をパスできなかったのです。
GRITスコアという評価システムを使うと
誰が最後まで残れるかが事前にわかるようになりました
それほどまでに、GRIT(やり抜く力)には、価値があるのです。
才能を得るまでにたとえ時間がかかっても、一旦身につけたら
そこからは、小さな積み重ねが勝負を決めるのです。
著者は教師時代の数学の授業で、それに気づきます。
最初は授業についていけなくとも、努力を重ねる生徒は
スキルがあっても努力をしない生徒たちを追い抜かし、最後は良い成績を残したのです。
やり抜く力を持った人は、マラソンを完走するようにゴールをひたすら目指します。
才能を持った人があきらめる場面でも、GRITを持った人は走り続けられるのです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました!
本書の書評を今後も何回かにわけて書こうと思います。
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