教育とは信念を磨くこと。岡田昭人氏のオックスフォードの自分を変える100の教えの書評。

未来に何かを起こすには、勇気を必要とする。努力を必要とする。信念を必要とする。(ピーター・F・ドラッカー)


photo credit: Jim Davies Last rays via photopin (license)

今日の日本では教育の目的が「受験」になってしまっているからではないでしょうか。このため、学校で受ける教育の多くが無味乾燥なものであり、心が躍るようなことはなく、感動することもあまりないのだろう、と思われます。また私自身、日本にいる間は「勉強」が好きであったわけではなく、高校や大学時代を通じて成績は決して良くありませんでした。今思えば、私の場合、日本で受けた教育に魅力を感じていなかったのでしょう。(岡田昭人)

オックスフォードの教育と日本の教育の違い

岡田昭人氏のオックスフォードの自分を変える100の教え
読むことで、日本の教育に足りないことが見えてきました。
世界最高峰のオックスフォード大学には多様な人材が世界中から集まります。
そこで大切にされているのは、「ゆっくり考え、急いで動く」ことです。
日本の受験教育は詰め込み教育が相変わらず主流で
考えることや行動することに主眼が置かれていません。

英語の「Education(教育)」の語源は
「引き出す」ことだと岡田氏は指摘します。
学生達の素晴らしい能力を引き出し
自分で考え行動する立派な人に育てることが
OXON(オックスフォード)では、深く浸透しています。
知識の暗記や反復練習ではなく
OXONの教授達は学ぶ者にしっかりと向き合い
コミュニケーションをとることで、彼らを成長させようとします。

OXONでは「答えを早く出す」ということよりも、むしろ答えを導き出す「プロセス(過程)」を大切にしています。この「過程」こそ「考える力」や「思考する習慣」です。いわば「急がば回れ」です。遠回りに見えてもしっかり考えて決めた方法を取った方が、早く目的を達することができるのです。しかも「ゆっくり考える」と「急いで動く」は同時進行です。「あれこれ考えて動かない」では目的には到達できません。

岡田氏はOXONでの博士号取得の体験を通じて学んだことを
本書で信念、学習、勇気、対話、決断、愛情、運命という
7つのカテゴリーに分け、説明しています。
今日のブログでは信念で気になったポイントを紹介して行きます。

孤独を楽しむことが自分の成長に繋がる!

岡田氏は学びの中で悩み、孤独を感じたと言います。
しかし、孤独を感じることで、今生きているという実感を得られたのです。

私もOXONの学生時代、教育の問題を考えれば考えるほど無力感が増し、しばしば深い孤独感にかられることがありました。確かに独りになって苦悩することは寂しいことですが、「だからこそ今自分は生きているのだ」という実感が持てました。

私たち現代人は必要以上に孤独を恐れ
ソーシャルメディアやネットニュースにすぐに逃げ込みます。
しかし、自分と向き合うための孤独はとても重要な時間なのです。
孤独な時間は「創造と発展に必要な土台」を育みます。

信念を持って生きていくには、孤独とは上手につき合っていかなければなりません。自分の中に信念を持たない人は、他者との関わりの中でしか自分らしさを見出すことができず、孤独を嫌がり、寂しさを紛らわせようとします。そう なれば自分が気に入った人としか交流しなくなり、結局は自分自身と向き合うことはできません。

孤独の時間で自分の信念を磨き、やりたいことを明確にしましょう。
そのための学びを意識し、自分を成長させるのです。
信念を持つ人は他者と距離を置き、独りになる時間を持ちます。
「信念」を持つということは「本当の目標」を持つことだ』という
アルベール・カミユの言葉を信じて
孤独の時間で、本当の目標や夢を精査しましょう。

学びや体験などの知的訓練を通じることで
私たちは自らを成長させられます。
この「繰り返し」によって、目標が明確になり
私たちは目標実現のための行動を習慣化できます。

信念は「苦悩」や「困難」の中から生まれ、やがてその信念が新しい知識や発見といった「喜び」や「笑顔」を作り出していくということです。

毎朝、私は逆算手帳を使って、自分の夢について考える時間を持ち
そのためのプランを作ります。
学びの時間を確保したり、友人に夢を語る時間を持つことで
私は多くの夢を叶えられるようになりました。
朝の一人の時間が、良い結果を引き起こしてくれることに気づいたので
岡田氏の孤独に関する記述にとても共感を覚えました。

常識を疑い、非常識になろう!

常識とは18歳までに積み上げられた先入観の堆積物にすぎない。(アインシュタイン)

また、OXONでは、常識を疑うことがモットーになっているそうです。
「常識を疑う」ということは、日本人にはとても難しいことだと思います。
ほぼ、単一民族の中で画一的な教育を受けていると
自分の立ち位置をなかなか客観視できません。
独りよがりのアイデアに固執したり
他者の考え方を認められなくなるのです。

それを避けるために、自分を批判することが意識しましょう。
自分の考え方や行動をいつも批判的に見ることを覚え
非常識になることで、自分を成長させられます。

常識に頑なにとらわれてしまうと、時代の流れを見誤ってしまいますし、また異なる文化間の摩擦を生み出す原因になってしまうかもしれないのです。信念と常識の間には強い結びつきがあります。信念は、生まれ育った文化や家庭などの常識を基盤に作られるためです

日本の学校では、自己主張は嫌がられますし
デベートの授業もあまりないため、他者の批判に慣れていません。
しかし、海外では多様性が当たり前になっています。
自分とは違う意見があることを認め、そこから新たな発見をすることが重要です。
多様な思考法を認めることで、人脈が広がり、アイデアも生まれやすくなります。
そのためには、コミュニケーション力や質問力が欠かせません。
信念は、常に常識を疑うことで、確固たるものになっていきます。
また、非常識になることで、失敗した時にもアイデアが生まれ
柔軟に対応できるようになります。

まとめ

自分の目標を明確にしたり、プランを作るために
孤独な時間を持つようにしましょう。
孤独になって、考え、学ぶことが未来を明るくしてくれます。
非常識なアイデアで人生を切り開くと決めると
様々な優秀な人から学べるようになり
夢の実現スピードも加速します。
「ゆっくり考える」と「急いで動く」ことを習慣にして
失敗してもくじけないことを身につけることで
成功により近づけるはずです。

今日もお読みいただき、ありがとうございました!!

     

    

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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