もしあなたが最高の人材を採用したかったら、楽しく過ごしている人に目を向けるべきだ。(エリック・バーガー)
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休養が生産性を高めてくれる??
『ジャーナル ・オブ・リーダーシップ・アンド・オーガニゼーショナル・スタディーズ 』誌にによると、職場の楽しさの方が就職志願者にとって、給与や昇進の機会よりすぐれていることがわかりました。志願者にとって、給与や昇進より、楽しい職場で働けるほうが重要なのです。もはや長時間働くこと、お金をたくさん稼ぐことが魅力ではなくなっているのです。たくさん働けば、成果もついてくるという思考を私たちはそろそろ捨てるべきかもしれません。
経営コンサルティングは、ハードワークとして有名です。長時間労働はざらで、 出張や残業で自分の時間を犠牲にしています。研究者のレスリー・パーロウとジエシカ・ポーターは「もし世界最高のコンサルティング会社が突拍子もないことをしたら、何が起こるだろう?」という実験を思いつきました。そして、ボストン・コンサルティング・グループに依頼して、調査を行いました。社員に完全休養の日(業務関連の電話、メールを禁じる)を定期的に取らせたら、何が起こるかを調査したのです。旧来の休みを取っている社員に比べ、「予測可能な休み」を取った社員は、「自分の職務に満足している」と答える傾向が23%高く、また、「毎朝会社に行くのが楽しみ」と答える傾向が24%高かったのです。さまざまな評価基準において、彼らは自分の仕事、人生について以前より満足しており、また、今後も会社に留まりたいと考えるようになったのです。休暇によって、彼らの働き方が代わり、人生を楽しめるようになりました。
「休みは気分がいいものだ」というコンサルタントの方が結果を出すことがわかったのです。そして、完全休養を取った社員は、「クライアントに以前より良いサービスを提供している」と答える傾向が11%高く、クライアントからも評価されました。人間らしく休み、仕事をエンジョイできるようになったコンサルタントの方が生産性が高かったのです。完全休養を取った社員に対するクライアントの評価は、最低でも通常の社員と同等で、最高の場合には、通常の社員の評価をはるかに上回っていました。
週に70時間の労働は無意味で、ストレスを増やすだけ!
ボストン・コンサルティング・グループはこの実験結果を無駄にしませんでした。4年後には、同社の900チーム以上(30か国にまたがる)が、予測可能な休みを採用しました。従業員の勤務時間数は残業が当たり前だった時代に比べ、激減しましたが、なんと、会社の業績は逆に伸びたのです。休まずに仕事をしても意味がないのです。コンサルタントというスペシャル集団も人間で、ハードワークばかりでは体と心が持ちません。残業があまりに増えると、仕事のクオリティを下げてしまうのです。また、自分の時間がなくなることで、生活の質(QOL)も低下させてしまいます。面白い体験や自分への投資ができなければ、斬新なアイデアは生まれません。残業がミスを増やしたり、アイデアを枯渇させる原因になり、生産性を下げてしまうのです。
2014年のギャラップ調査によると、アメリ力人就業者の39%は週に50時間以上働き、18%は60時間以上働いているそうです。こうした残業に実は意味はないのです。スタンフォード大学の調査によれば、55時間を超過して働くと生産性が急激に低下することがわかりました。週に70時間働く者は、余分な15時間で何も生産しないことになり、ただ単にストレスを増やしただけでした。
ぜひ、このレポートを国会議員や会社の経営者に読んでもらいたいと思います。優秀な人たちにいかに残業をさせずに、パフォーマンスを高めさせるかを今こそ考えるべきです。残業を減らして、休暇を増やした会社が今後の勝ち組になれば、日本人の意識も変わるかもしれません。
まとめ
労働時間を増やしても生産性が上がらないことがわかってきました。週に70時間以上働いても生産性は上がらず、逆にストレスを増やすだけであることがわかってきました。休暇をしっかりとり、時間内に集中した方が結果を出せるという調査結果もあります。自分を犠牲にするのはやめて、楽しく働いた方が世の中に貢献できるのです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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