ピョートル・フェリークス・グジバチのニューエリートの書評

これからの時代をリードする人には、もっと違う定義づけができるはずです。重要なのは、「今どこにいるか」という地位よりも、元いた場所と今いる場所に差があるということ。つまり、僕の成功の定義は「持続的に成長していること」です。(ピョートル・フェリークス・グジバチ)


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これからの時代に評価されるニューエリートとは何か?

今日はこれからの時代を生き抜くための成功法則について考えてみたいと思います。参考にした書籍はピョートル・フェリークス・グジバチ氏のニューエリートです。著者はポーランド出身でモルガンスタンレーやGoogleの日本法人で働いた後、プロノイア・グループモティファイの経営に携わっている変革者です。ピョートル氏は成功の定義は人それぞれだと言います。例えば、普通の会社員だった人が努力の末に起業の夢を実現したら、それがどれだけささやかな事業であっても、見上げるような成功だと指摘します。あるいは小さな会社だとしても、転職してやりたかった仕事に就けたのなら、やっぱりそれは成功だと言うのです。自分のやりたいことをやって成長している人を著者はニューエリートと定義しています。

有名大学を卒業し、上場企業に就職したり、官僚になる人が日本人にとってのエリート感でした。大手企業に就職すると何年かすると偉くなる人が選別されてしまい、なかなかそこから逆転するのは難しく、やりがいを感じないまま、働いている人たちがいるのも現状です。しかし、そろそろ私たちはエリートの定義を変えたほうがよさそうです。成功の定義を変えることで、自分の人生をよりエンジョイできるようになります。

「持続的に成長している人」という成功の定義に照らし合わせれば、あまりに偏っています。出世コースから脱落しても、大企業に就職しなくても、そもそも就職すらしなくても、人は成功できるに決まっています。

ニューエリートは世界を自発的に変えようとしている人たちです。彼らは「世界を変える」というビジョンと「楽しいからやっている」というモチベーションの両方を持つことで、ワクワクしながら働いています。

著者が在籍していたGoogleでは、接しているビジネスパーソンを以下の5つの層に分類しているそうです。

①変革層(社会に魔法をかけ、変革を起こす影響力を実際に持っている)
②実践層(「こうしたら変わるかな」「やっぱりこうしよう」という実験と工夫を繰り返し実践している)
③変えたい層(「変えなきゃ」「どうしたら変えられるのか
な?」と思いつつも実行力と勇気が足りない)
④気づいた層(「このままじゃダメだ」「でもグーグルみたいにはなれないし」などと、課題を自覚しつつも、半ばあきらめていて行動力も低い)
⑤ゆでガエル層(現状で満足していて、変化の必要性に気がついていない)

人生を楽しみ、世の中に貢献できる人になりたけれな、「③変えたい層」から上の層です。この中でも特にニューエリートになれる人たちは「①変革層」の人たちです。

変化の時代を楽しむために

変化は突然やってきます。僕たちはそうした変化を止めることも、避けることもできません。だからこそ変化を受け入れ、変化を乗りこなし、変化を楽しむ必要があるのです。変わること。変わり続けること。そのためには、常に次の可能性に備えておくことです。変わる前提で動いている人は、何か想定外のことが起きたときも柔軟に対応できます。変化することにはリスクが伴います。でも、変わらないこともリスクなのです。今の環境が永遠に続くというのは幻想でしかありません。

変化の時代を生き抜くためには、クリエイティブな存在になるべきです。これからの働き方のステージは、クリエイティブエコノミーに変わり、生き残るためには、ゼロから新しい価値を生み出さなければなりません。今後は情熱や創造性、率先する力が求められます。「平凡な人は会社保障と社会保障を求めていますが、これからは個人の力で動いていくことが必要だ」と著者は指摘します。ベンチャーマインドを持った個人がこれからの変化の時代を生き残れるようになります。

私は元々は広告会社に勤めていましたが、iPhoneやソーシャルメディアが登場した時に広告ビジネスは激変すると考え、自分を変えることにしました。サラリーマンをやりながら、ソーシャルメディアやiPhoneの本を出版したり、雑誌で書評を書くなどアウトプットを続けました。その結果、今はベンチャー企業の取締役やアドバイザーを勤めています。変化を決めたことで、10年前には考えてもみなかった仕事をして、ワクワクな時間を過ごせるようになrました。

私たちは絶えず変化すべきです。自分の価値を磨き、世の中に貢献することで、周りの人から感謝されるようになります。副業や起業によって、自己実現しながら、世の中に貢献できるのです。

自己実現を重視する人たちは、スキルを磨き、ビジョン、ミッションを持ち、それを実現するためのパッションを発揮します。それぞれを、どうやって身につけ、どのように発揮するかを日々考えています。彼らは、今の仕事のやり方に慢心せず、もっといいやり方を模索します。どうしても今の仕事に限界を感じたときには、リスクを取り、転職や独立といった思い切った決断を下します。自己実現をする才能は、持って生まれたものではありません。どんな人でも、自己実現を目指して変わることはできます。そのためのビジョン、ミッション、パッションを持つことは可能です。

自分のアウトプットが他人の幸せに貢献しているとわかれば、誰もが仕事を楽しめます。しかも、アウトプットに価値があれば、周りの人から感謝されます。感謝は、社会的な問題を解決すればするほど大きくなります。自己実現によって、喜びを得られます。人から喜ばれ、感謝される仕事をしている人たちは、ますます仕事を楽しむようになり、幸福な人生を歩めるようになります。

私たちのコミュニティのサードプレイス・ラボでは毎月勉強会を開催しています。自分を変化させ、世の中に貢献している人たちをゲストにお呼びし、体験や知識をプレゼンいただきます。主宰の安斎輝夫さんはサラリーマンのかたわら、ブログ記事やメルマガ、イベントを通じて、世の中をよりよくしようとしている人たちを紹介しています。安斎さんとは数年間お付き合いしていますが、このサードプレイス・ラボを始めてからいつも笑顔の素敵な人に変身しました。成長したい人たちのハブになることで参加者から感謝され、ワクワクな人生を送れるようになります。インパクトが高く、かつ、学びが多い最高の場所がサードプレイス・ラボというコミュニティで、毎月私もこのイベントに参加することを楽しみにしています。仕事と学びが繋がる場所を毎月運営してくれる安斎さんのおかげで刺激を受けています。

まとめ

クリエイティブ・エコノミーの時代にはエリートの定義が変わります。自分の価値で、世の中に貢献する人、個人の力で勝負する人がこれからは評価されます。会社だけではなく、家庭、それ以外の第三の場所であるサードプレイスで貢献する人がこれからはエリートと呼ばれるようになります。

    

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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