「人生100年時代」を視野に入れて計算すると、
定年後は倍の40年、定年後の自由時間は、1日11時間× 365日×40年間で16万時間にもなります。これはとても「 余生」という感覚で過ごせる長さではありません。(大杉潤)
トリプルキャリアを実践し、定年後不安を減らそう!
書評家、コンサルタントとして活躍する大杉潤氏は定年後不安 人生100年時代の生き方の中で、長くなった余生の処方箋を私たちに提示しています。余生が40年に伸びたことで、「カネ」「孤独」「健康」で不安を感じる人が増えていますが、85歳まで働くことでその悩みを解決できると大杉氏は述べています。
「カネ」「孤独」「健康」の3つの不安を感じ、雇われる働き方に限界を感じた著者は、自分のスキルアップのための転職を重ねました。自分の知識・体験を増やしながら、独立の準備を行ったのです。稼ぎ続けるためには、起業することがもっとも合理的な選択で、自分の価値を周りの人に提供すればよいことに気づきます。定年後起業は大きな会社を起業するのではなく、好きな時間、好きな場所、好きな仲間とだけ仕事をするというスモールビジネスがよいという著者の考え方に共感を覚えました。会社員としてのキャリアが「第1のキャリア」、雇われない働き方(遅くとも定年時までに)が「第2のキャリア」、仕事・時間・場所・仲間をすべて自分の好きなものに絞り込む「第3のキャリア」の3つを意識するのが、大杉氏のトリプルキャリアの考え方です。実際、大杉氏は57歳の時に退職し、このトリプル・キャリアをスタートしました。
人生100年時代と言われて久しいですが、50代の位置付けは以前とは全く異なり、昔で言えば、30代、40代の働き盛りと同じだと私は捉えています。脳も心も体も元気な50代は、定年前の不安な時期ではありますがが、マインドセットを変えれば、人生をエンジョイできる最高のタイミングです。私も51歳の時にサラリーマンをやめ、独立しましたが、今は仕事だけでなく、様々なチャレンジを繰り返し、人生を楽しんでいます。定年という考え方がなくなったことで、働けるまで働こうとサラリーマン時代とは全く意識が変わってしまいました。好きなことを仕事にすることで、働くことが楽しくなったのです。
65歳を超えても働き続けることによって、
年金に加えた収入が確保できるため、長い老後であっても「カネ」 の不安が減ってきます。また、仕事を続ければ、 社会との繋がりや仕事に関わる人間関係が維持できて、「孤独」 の不安も感じないでしょう。さらに、働くことによって、 毎日規則正しい生活を送ることができ、気持ちの上でも収入を得るプロとして緊張感を持って過ごすことで 、心身の健康にもプラスになると思うのです。私の場合「 85歳まで現役」ということではなく、 さらにその先の年齢も含めて「生涯現役」 というライフスタイルを目指しています。
今、私は数社の会社の取締役やアドバイザー、起業家のためのコーチングをビジネスにしていますが、収入や孤独の悩みを減らすことができました。仕事以外に、雑誌の連載や勉強会を開催することで、日々多くの人に出会えるようになり、刺激を受けています。個人事業主になることで、健康にも気を使うようになり、サラリーマンの時よりも体調がよく、心も体も以前より若返っています。
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「専門性」、「好きと得意」、「社会ニーズへの貢献」を組み合わせる!
人生・キャリアの棚卸しをした上で、自分のプロとしての「
専門性」、「好きと得意」、「社会ニーズへの貢献」 の3つを組み合わせて、自分だけが世の中に提供・ 発信できる価値(コンテンツ)を作り上げていくのです。
当然、専門性を磨くことは重要です。45歳からはサラリーマンマインドを捨てて、自分の専門性を磨く必要があります。会社の外に出て、勉強会に参加したり、学校に通うなどの投資を行い、自分のスキルを磨きましょう。自分の時間の使い方を変えない限り、この投資は行えません。
定年前に起業する際に大杉氏は以下の5つのことを意識すると良いと述べています。
1、「好きなこと」を事業の軸にすること
2、何で社会に貢献するのか、
3、自分だけのオリジナルな価値を提供する
4、家族以外を雇わない。小規模で事業を立ち上げること
5、借金をしな
では、なぜ、好きなことを仕事にすべきなのでしょうか?事業は「やめない」ことが、
自分のビジョンを明確にし、誰かに役立つ情報を発信すれば、やがてファンが現れます。ファンが増えれば、お金を稼げるようになるのです。好きな人に貢献し、ファンを増やし、仲間と良いチームを作ることが成功の秘訣です。まさにこれは私が行ってきた手法なので、おすすめできます。好きなことを発信するうちに自分のブランドが強化され、ここから様々な仕事が生まれるようになります。
私は好きなことの読書と広告・マーケティング・コーチングの手法を掛け合わせたことで自分独自の領域を見つけ、会社の取締役やアドバイザーになれました。また、書評ブログを日々発信することで、著者や雑誌やWEBでの連載を持てたのです。書評を続けることで新たな知識が身につき、それが仕事にも役立っています。著者や編集者、経営者との出会いからも多くの学びを得ています。サラリーマンマインドを捨てて、アウトプットを習慣にしたことで、よいことが起こるようになったのです。
自分の居心地の良い場所「サードプレイス」に身をおき、人間関係をつくることで定年後の孤独も防げます。コミュニティにいくつも所属することで、多様な人たちからいろいろなアドバイスをもらえます。会社中心の時間と空間を徐々にサードプレイスにシフトして、自分の居場所を確保するようにしましょう。
本書は様々なビジネス書から大杉氏がセレクトしたメッセージが満載です。私が大好きな言葉がいくつも紹介されていて、嬉しい限りです。働き方を変えるだけでなく、自分を変えるための言葉にも出会える良書です。
9月28日のサードプレイス・ラボで著者の大杉さんと対談します。イベント詳細はこちらから。当日は同じようなマインドを持った大杉さんとのお話で、新しい働き方を深掘りしたいと思います。
まとめ
定年後の働き方を考え、自分の好きなことを見つけ、専門性を掛け合わせましょう。自分の強みが見つかったら情報発信を続け、ファンを作るのです。ファンが増えると稼げる体質になり、新たな仕事を楽しめるようになります。好きなことへの投資を続け、自分のスキルを高めると同時にサードプレイスに所属し、仲間を増やすことで人生100年時代の不安を減らせるようになるのです。
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