ウーバーのビジネスモデルを強くした6つの要素。

同じプロダクト、サービス、またはテクノロジーでも、どんなビジネスモデルを選ぶかで成功することもあれば、失敗することもある。(アレックス・オスターワルダー)


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イノベーションを起こしたければルールを破れ!

スティーブン・S・ホフマンシリコンバレー式 最高のイノベーションの書評を続けます。成功するベンチャーは短期間で既存のビジネスモデルを書き換え、新たなマーケットを創造し、シェアを一気に高めます。著者のホフマンは既存のルールを破ることが重要で、その破壊によってビジネスモデルのイノベーションを起こせると指摘します。まずは、既存の試合のルールを研究し、それを破り、曲げ、捻ることによって新たな可能性を見つけられます。試合のルールブックを書き換えることで、スタートアップは優位に立ち、新たなマーケットを獲得できます。

ローカル情報交換で有名なクレイグズリスト(Craigslist)は元々は無料のクラシファイド広告(案内広告)から始まりました。これは地域や目的ごとに分類して一覧表示する広告ですが、多くのアメリカのローカル新聞は案内広告が収益の基盤になっていました。クレイグズリストは新聞のルールを無視するやり方、掲載料を無料にすることで、マーケットを奪っていたのです。クレイグリストは一般ユーザーからの課金はせずに、一部クライアントからの求人広告によって収入を得ていました。これにより多くのユーザーをクレイグリストのファンにしていったのです。

商売を無視した誰かと競ってもなかなか勝てない。(ビル・グーリー)

ローカル新聞にとって、クレイグリストはライバルというよりエイリアンで、新聞社のビジネスモデルを一気に破壊しました。ルールを壊すイノベーターたちは強力なパワーを持ち、競争相手の息の根を止めてしまったのです。

ウーバーが起こしたイノベーションも破壊力があり、分析に値すると著者のホフマンは述べています。ウーバーはタクシー業界に目をつけ、車を持たないことで既存のルールを破壊します。ドライバーがプロでなくてもよいことに気づき、ドライバーを囲い込みました。多くのユーザーはタクシー運転手にあまりこだわりません。紳士的な対応でよい車に乗れ、安心して目的地に到着できれば、タクシー運転手がプロでなくともよいのです。タクシーユーザーのライフタイムバリューは意外に高く、よいサービスを提供できれば、多額の顧客獲得費用をかけても元が取れます。ユーザーが増えれば、売り上げ増加が期待できるのですから、サービス向上のためのシステム投資を苦にしなくともよいのです。ウーバーは価格・サービス・選択肢全ての面で、既存のどんなタクシー会社よりも優位になることを考え、イノベーションを続けたのです。その結果、ユーザーは早く、便利で、リーズナブルなウーバーをますます選ぶようになったのです。

ウーバーのビジネスモデルを強力にした6つの要素

以下のすべての積み重なると、極めて競争力の高いビジネスモデルができます。ウーバーはスタートアップの段階から、6つの要素をしっかりとビジネスに取り入れることで、爆発的に成長できたのです。
・利益率が高い
・リソースが豊富
・顧客がリピートする
・規模拡大が可能
・どこでも応用できる
・市場が巨大
タクシー代はそこそこの値段ですが、ウーバーはタクシー会社とは異なり、個人の車を活用することでより多くの利益を得られます。タクシー会社のように車への投資が必要なく、一般ドライバーのリソースを使えます。移動手段はしゅっちゅう必要になるため、多くのユーザーがリピートしてくれます。投資が少なく、利益が期待できますから、早いスピードで事業を拡大できます。同じモデルが別の場所でも使えるのも強みです。タクシー市場は巨大で、このサービスには幅広いユーザーが存在します。

そのためにウーバーはユーザーの様々な欲求にも目を向けました。
・より速く・より賢く・よりシンプルに・より便利に・気持ちよく・かっこよく などを心がけることで、ウーバーは多くのユーザーの支持を得たのです。
また、ウーバーは以下の一気通貫のサービスにこだわることで、ファンを増やすと同時にユーザーの離脱を防ぎました。
・ボタンを押すだけ・遅延がない・交渉しなくていい・キャンセルがない・いやな気分にならない
ユーザーがタクシーに対して、不便に思っていることをウーバーは次々解決し、自社のファンを増やしていったのです。ドライバーの数が増えれば、乗客はすぐに車が見つかるようになり、乗客数が増えれば、ドライバーも集まるというネットワーク効果が働くことで、ウーバーは短期間で成長し、タクシー業界を破壊したのです。

まとめ

短期間で既存ビジネスを破壊するアイデアを作り、それを実践することでイノベーションが起こります。独自のビジネスモデルを組み立て、ユーザーを巻き込んでいくのです。ビジネスモデルを作るときにはウーバーの成功要因を分析し、利益率、リソース、ユーザーのリピート、規模拡大、応用性、マーケットの大きさの6つををチェックしましょう。この要素を全て備えていれば、成功する可能性が高いはずです。ユーザー視点で課題を解決し、彼らをファンにすることを目指すのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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