柳澤大輔氏の「“面白さ”を追求したら生き物みたいな会社になった」の書評

1、まずは自分たちが面白がろう。
2、周囲から面白い人といわれよう。
3、誰かの人生を面白くしよう。(柳澤大輔)

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自分と周りの人を喜ばすことを考えよう!

面白法人カヤック柳澤大輔氏の“面白さ”を追求したら生き物みたいな会社になったを読了しました。たまたま、カヤックがアカツキライブエンターテインメントと運営する「うんこミュージアム YOKOHAMA」をオープンしたというニュースを読んだのですが、この記事がきっかけになり、柳澤氏の著書を久々に読みたくなりました。彼らの創業ストーリーやビジョンは有名ですが、今日はこの会社の働き方を改めて整理したいと思います。

柳澤氏はカヤックを設立した時に、冒頭の3つの思いを込めて、会社づくりをスタートしました。会社を面白くすれば、関わる人を幸せにできると考え、「面白い」をキーワードにしました。確かに、みんなが面白がって働いていれば、毎日会社に行くのが楽しくなります。同社はそういう職場をつくるために、さまざまな工夫をしています。たとえば、社員一人ひとりに「自分が面白く働けているか」を10段階で評価してもらい、チームの面白指数として見える化し、数値が低いチームはもっと面白く働けるよう改善に取り組んでもらっています。

自分たちがつくり出している事業、あるいはカヤックという会社そのものが面白いと思ってもらえる実力をつければ、世の中に影響力を持った存在になれ、周囲から面白い人たちだと言われるようになります。有名なサイコロを振って給料を決める「サイコロ給」、国内外に住居兼オフィスを一定期間借りて仕事をする「旅する支社」、社員と株主とのブレスト(ブレインストーミング)など、彼らは周りの人を喜ばせるように日々努力を重ねています

彼らは自分たちが面白がるだけでなく、世の中に一人でも多く、面白がる人を増やすことを目指しています。株式を上場したのも、お金儲けが目的ではなく、誰かの人生を面白くためというのが、カヤックらしいですね。

彼らは「何をするか」を決めるより、「誰とするか」にフォーカスし、組織をつくってきました。「誰とするか」にこだわると、「何をするか」も自然と決まると柳澤氏は言います。社員数が300人近くになった現在も、その方針は変わっていないそうです。「その人と一緒に働きたいか?」「一緒に働くと面白そうか?」を採用の基準にし、一緒に楽しめる仲間を絶えず探しています。この姿勢を貫くことで、カヤックは創業から20年経っても、周りから面白い会社だと評価されています。

好きな場所で働いていると、それだけで幸福度が上がるし、その場所を好きな仲間が集まってくる。そうした従来の経済指標では計測されてこなかった価値を指標化したいと考え、鎌倉の仲間たちと、地域から始まる新しい資本主義として「鎌倉資本主義」を提案している。

柳澤氏は面白く働くためには「どこで働くか」も重要だと指摘します。カヤックは本社を神奈川県鎌倉市に置き、自然や文化的施設の側で働くことで、社員の幸福度を高めています。鎌倉に本社を置くベンチャーとともに鎌倉をよくするための活動を行い、地域貢献にも尽力しています。

鎌倉資本主義は、従来の経済資本(財源や生産性)に加えて、関係資本(人のつながり)と環境資本(自然や文化)を増やしていくことを目指しています。カマコン(ブレスト)によって、地域の課題をジブンゴト化しながら、解決策を探っていきます。他人を否定しないで、ポジティブに考え、どんどんアイデアを出していくことで、面白い解決策が浮かんでいきます。

カヤックのブレストでは他人のアイデアに乗っかることとアイデアを数多く出すことが優先されています。ここから新しい事業や独自の制度が数多く生まれています。新人は多くのブレストに参加することが義務付けられています。その結果、社内ネットワークが広がるだけでなく、カヤックの発想法をすぐに身につけられます。

「つくる人を増やす」がカヤックの経営理念

何かをつくり出すことほど、創造的で面白い仕事はない。

面白く働くためには当然、「何をするか」も重要です。クリエイティブなこと、面白いものをつくって世の中に出したいという思いから、「つくる人を増やす」というカヤックの経営理念が生まれました。

人は自分が主体的に関わっている時のほうが楽しくなります。カヤックでは半年に一度、社員みんなが社長になったつもりで会社のことを考える「ぜんいん社長合宿」を行っています。朝から晩まで全員でブレストをして、さまざまなアイデアを出し合います。

つくることは、自分の価値基準を見つめ直す行為でもある。あらゆることを自分のモノサシで見つめられるようになれば、他人からの受け売りではなく、自分なりに幸せになる方法が見えてくる。だから、つくる人を増やすことは、一人ひとりが幸せになる社会につながっていくと思う。さらに、つくるという行為の先には相手がいて、その人からの反応がある。つくることによって人を楽しませたり、感動させたりすることができれば、「他人の喜びが、自分の喜びになる」という感覚を知ることができる。それが、「社会の喜びを生み出そう」という気持ちにつながっていけば、社会はきっとよくなるだろう。

「仕事が面白くない」という人は、 誰かに評価され、楽しくなることを考えるべきです。 会社からやらされているという意識を捨てて、主体的に働くようになると仕事が楽しくなります。自分が社長になって考えるようになると目の前の景色が変わります。自分が課題を解決できると考え、目の前の事象を面白がることで、人を喜ばせるようになります。フレデリック・ラルーティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現の「自主経営(セルフマネジメント)」を実践することで、世の中をよくできるようになります。

楽しく働くことで幸せになれると言う本書のメッセージは今の時代にフィットしています。エンゲージメントを高める方法は、社員全員が楽しく働くことかもしれません。“面白さ”を追求したら生き物みたいな会社になったは、多くの学びを得られる一冊でオススメです。

まとめ

カヤックは「何をするか・誰とするか・どこでするか」を追求することで、世の中を面白くしています。「他人の喜びが、自分の喜びになる」と言う姿勢をメンバー全員が貫くことで、世の中をよくしています。彼らの姿勢を見習うことで、社会をより面白くできそうです。

 

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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