コンセプチュアル・アートを身につけよう!石川康晴氏の学びなおす力 新時代を勝ち抜く「理論とアート」の書評

海外では、ビジネスパーソンに必須の教養の一つとして、アートが位置づけられていることがわかります。アートリテラシーを身につけた人は、「文化的感性のあるグローバル人材だ」と見なされるのです。(石川康晴)

なぜ、「コンセプチュアル・アート」が重要なのか?

アメリカのハーバード大学では、1年生のカリキュラムに「コンセプチュアル・アート」の授業があるそうです。コンセプチュアル・アートとは、作品に描かれる事象そのものよりも、その背景にある思想やメッセージを重視する芸術のことです。制作するうえでの技術的な熟練度よりも、作品に込められたコンセプトが重要であると言う考え方で、今の現代アートの多くはコンセプチュアル・アートといっても過言ではありません。

では、なぜビジネスパーソンがこの「コンセプチュアル・アート」を学ぶ必要があるのでしょうか?石川康晴氏の学びなおす力 新時代を勝ち抜く「理論とアート」にそのヒントが書かれていました。海外ではアートに関心がないと教養のない人に見られてしまうと言うリスクがあります。

アートは何かを教えてくれるものではなく、主体的な学びを促すものだからです。アートには、答えというものがありません。じつはそこがアートの面白いところで、作品を理解したいと思ったら、深く考えざるをえません。アートに触れることで身につけられる観察力と思考力は、0から1を生み出すアントレプレナーシップを磨くだけではなく、職場の人間関係や組織のチームビルディング、意思決定などにも役立ちます。

コンセプチャル・アートには答えがなく、自分で答えを探す必要がありません。作品を見るたびに考える習慣が身につき、観察力と思考力が養えます。人によって感じることが異なりますから、仲間と議論することで、視点を広げるだけでなく、チーム力も強化できます。

経営者は0から1を生み出す、アントレプレナーシップを生み出せます。クリエイティブな作品を見ることで、新しいアイデアが生まれ、積極的に行動できるようになります。最近では、海外のCEOや起業家とのあいだで、アートが共通言語の一つになっています。初対面でも一緒に作品を見るだけで、相手を身近に感じるというのもアートの魅力です。

 

アートという「語らないコンサルタント」を味方にしよう!

アートに造詣の深いユニークなCEOが率いる会社は、新しいことにどんどんチャレンジして、企業価値を高めていくことになるでしょう。AIやIoTなどの新しいテクノロジーも駆使しながら、新機軸にチャレンジしていくはずです。

CEOがクリエイティブになれば、チームも変わります。AIやロボティクスが当たり前になれば、求められる人材も今とは変わります。過去の成功体験やコンサバティブな思考をする人材ではなく、「データを見ながら、面白い視点を提供できる人」、左脳と右脳の両方を使える人を企業は求めるはずです。ロジックをベースに創造的な会話ができる人が、魅力的なリーダーになる時代が近づいています。

著者は、これからの日本企業を担うリーダー層が、アートを知らないという事実にもっと危機感をもつべきだと指摘します。リーダーは積極的に絵を見ることで、観察力と思考力を養うべきです。

言い換えれば、意識的に文化や芸術に触れることが、ビジネスパーソンとしての成功につながるといっても過言ではないのです。 絵の前に立ち止まって、じっと絵を見る。「この作家は何を思ってこれを描いたのか」と考えてみる。そうした時間を過ごすだけでいいのです。

仕事に行き詰まったり、悩んだときには、ふらっと美術館に寄って、アートに触れることで、異なる視点を得られます。アートを見ながら、ぼーっとすることで、脳の中で変化が起こり、新しいアイデアが生まれます。作品から刺激を受けることで、「明日は頑張ろう」と気持ちがリセットできるようになります。特に力強いアートを見ることで、アーティストのパワーが伝わり、元気になれるのです。私も定期的に六本木や上野の美術館に行き、エネルギーを補充しています。

その意味で、アートは「語らないコンサルタント」といえるでしょう。これまでまったくアートに触れてこなかった人も、仕事を少し早く片づけて、美術館に足を運ぶ時間をつくってみてください。 ビジネスにおける「良い意思決定」には、論理性だけでなく創造力が作用することが多いのです。データの分析は論理的にできますが、表面には表れていない深い部分をイメージし、新たな市場を創造する際に、「アートの思考法」が役立つのです。

アーティストを自分のメンター・味方にすることで、気づきを得られたり、エネルギーをもらえます。「語らないコンサルト」との対話の時間が、創造力という武器を磨いてくれるのです。論理的思考と創造力がこれからのビジネスパーソンには欠かせぬスキルになっていくはずですから、時間を作り、アートに触れるようにしましょう。

「どう見て、それをどう捉えたか」は一人ひとり異なります。こ観察力と思考力はAIやロボットには代替できません。AIの普及が本格化するなかで、深く物事を捉えるアートの思考法はますます重要になるでしょう。

まとめ

コンセプチャル・アートを見ることで、観察力と思考力を養えます。作品を見るうちに、新しいアイデアが生まれたり、エネルギーを補充できます。時代が激変する中で、ビジネスパーソンは、AIには代替できない、深く物事を捉えるアートの思考法を身につける必要があります。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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