ショーン・ヤング氏のUCLA医学部教授が教える科学的に証明された究極の「なし遂げる力」の書評

しかし、性格を変えるのは簡単ではない。誰にでも、生涯を通して変わらない核となるパーソナリティーがあるからだ。だが安心してほしい。性格を変えなくても、その仕組みを科学的に理解し、自分に合った方法を見つければ、「なし遂げる力」は高められる。(ショーン・ヤング)

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やり遂げるために必要な心に効く7つの力と何か?

ショーン・ヤング氏のUCLA医学部教授が教える科学的に証明された究極の「なし遂げる力」の「心に効く7つの力」を活用すると結果を残せるようになります。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部教授の著者は15年間研究を重ね、以下の「心に効く7つの力」が効果があることを明らかにしました。この力を行動に取り入れるほど、私たちは目標を達成できるようになります。

心に効く力① 「目標を小さく刻む」
心に効く力② 「コミュニティ」
心に効く力③ 「重要性を認識する」
心に効く力④ 「簡単にする」
心に効く力⑤ 「ニューロハックス」
心に効く力⑥ 「夢中になる」
心に効く力⑦ 「ルーチン化する」

心に効く力①目標を小さく刻む
人は、小さなステップに注目したときに成功を手にしやすくなります。このブログでも、サラミスライス法を何度も紹介していますが、目標の細分化は本当に効果があります。より効果を高めるには、一般的に思われているよりもはるかにステップを小さくする必要があります。

心に効く力②コミュニティ
人は周りの人のサポートで力を発揮できます。コミュニティ、周りの人の応援が習慣化の礎になります。

心に効く力③重要性を認識する
人が「運動をする」「製品を買う」といった行動を続けるためには、それが”重要”である必要があります。自分にとって大切なものが何かを見つけるようにしましょう。禁煙が本当に重要だと捉えられれば、その人の禁煙する確率はアップします。続かない理由は、その目標を重要だと思っていないからだと著者は指摘します。

心に効く力④簡単にする
人は簡単なことをしたがる。簡単なことを楽しいと感じ、続けようとします。物事を簡単にするための科学的な方法は、1、状況をコントロールする 2、選択肢を減らす 3、ロードマップをつくるの3つを意識することです。

心に効く力⑤ニューロハックス
自己啓発書によく紹介されている方法の願いを紙に書いただけ、想像するだけでは禁煙はできません。社会心理学は、変えるべきは行動で、その結果として心が変わると言います。行動を変えること、小さな行動で、脳を”騙す”と良い結果が得られます。

心に効く力⑥夢中になる
物事に夢中になることで、習慣力を鍛えられます。夢中になるために、やるべき行動を魅力的なものにしましょう。

心に効く力⑦ルーチン化する
成功者の多くが、成功の秘訣は頭の良さや才能ではなく、効率的に時間を使うことだと述べています。バラク・オバマは、食事や服装をルーチン化して時間や労力を節約し、大統領の職務に打ち込みました。マーク・ザッカーバーグやスティーブ・ジョブズは自分のスタイルを決め、毎日何を着るかで迷わないことで、目の前のことに集中ししました。作家のアーネスト・ヘミングウェイは、”執筆は午前中のみ”という自ら定めたルールを厳しく守り、午後は思索の時間に充てて翌朝の執筆への意欲を高めたことで知られています。

脳の働きをよく理解し、それをうまく自分の人生に活用しているのだ。人間の脳は、効率を求めようとする。できる限り、同じことを最小限の労力でしようとする。同じものを何度も見る、聞く、匂いを嗅ぐなどすると(本人が自覚していなくても)脳は次にそれに出会ったときに、何も考えなくてもとっさにそれを認識できるように、その情報を記憶する毎日同じルートで通勤や通学をしていると意識しなくても迷わず目的地にたどり着けるようになるのはそのためだ

私も朝はブログの時間にしています。毎朝、日記とブログのためのメモを作り、できるだけ早い時間にブログをアップするようにしていますが、この習慣を守ることで、10年間1日も休まずブログを書き続けています。この心に効く7つの力を私もいつの間にか活用していました。

ブログを書き始めた時には、ブロガーの先輩方や読書な応援が私のモチベーションを高めてくれました。また、毎朝ブログを書き続けることで、何冊かの本を出版できました。書きたくない時もパソコンを開き、執筆の時間を作ることで、脳を騙していたのです。数行記事を書けば、脳がやる気になり、続きが書けることを発見しました。ブログが著者への道の重要なツールだと理解していたから、私はブログを継続できたのです。

 

簡単なことがなぜ重要なのか?

今日は、心に効く力④「簡単にする」を深掘りしたいと思います。有名なトレーダー・ジョーズ(TRADER JOE’S)のサクセスストーリーをまずは紹介します。品数を絞ることで、顧客は悩まずに望みの商品を選べるとジョー・コロンビーは考え、コンビニエンスストアのプロントを復活させます。

競合のセブンイレブンは、幅広い品揃えで顧客の要望に応えようとしていました。彼は逆に品数を抑え、ターゲットを絞り込んだ商品のみを置くという戦略に切り替えました。ライバル店のセブンイレブンにはあらゆる種類の飲み物が揃っていましたが、プロントでは数種類の良質の飲み物しか置きませんでした。ブランドをプロントから「トレーダー・ジョーズ(TRADER JOE’S)」に変え、自社の戦略を明確にしました。選択肢を減らしたことで、客は目当ての品を迷わずに買えるようになり、リピーターが増えたのです。商品をPBに絞ることで、価格や特徴が明確になり、顧客から支持される人気店になりました。トレーダー・ジョーズは45年以上も変わらない顧客の行動を創出し、かリフォリニアの強力なブランドの一つになったのです。

私たちは、「選択肢は多いほどいい」と思っている。だが実際には、選択肢が多くなりすぎると行動をとりにくくなる。

カリフォルニア州メンロパークの食料品店の売り場で、消費者にジャムのサンプルとクーポン券を渡し、選択肢の数がジャムへの関心と購入率に及ぼす影響を調べた研究があります。研究では、2週にわたり日曜日に売り場を訪れた消費者に6種類または24種類のジャムのサンプルを提供しました。その結果、少ない選択肢を提示された消費者の方がジャムに高い関心を示し、購入率も高かったのです。選択肢が少ないと、ジャムは選ばれやすくなったのです。顧客の判断が楽になり、行動をとりやすくなることがその理由です。

物事を簡単にするためには、状況をコントロールすることが欠かせません。状況の小さな変化は、行動の大きな変化につながります。禁煙に挑戦中の1000人以上を半年間にわたって追跡した研究によると禁煙のもっとも効果的な方法は、「タバコに関する物を一切自宅に置かないこと」(簡単にする)と、「禁煙の開始日をはっきりと決めること」(目標を小さく刻む力)だったのです。

人は、簡単にその行動をとれる状況に影響されやすい。酒屋が多い地域ではアルコールの摂取量も多くなる。大麻が簡単に手に入りやすい地域ほど手を染める人も多くなる。

私も10年以上前に断酒を成功させました。その際、このメソッドを活用し、アルコールとの距離をおきました。家のアルコールは全て捨て、酒場や飲み友達との関係も断ちました。行動を変え、飲まない環境に身を置くことで、お酒にさよならすることができたのです。

ロードマップをつくることも効果があります。段階的な計画(ロードマップ)を描くと行動を続けやすくなります。ロードマップがあれば、A地点からB地点に到達する方法を考えなくてもよくなります。起業の際もロードマップがあると、諦めずに続けられます。

私もベンチャー企業の設立に関わった共同創設者を何人も知っているが、起業はフラストレーションがたまりやすく、どうしていいかわからないような感覚に陥るという。当然ながら、はっきりとした道筋を示すロードマップは、起業を軌道に乗せるのに役に立つ。

公衆衛生学の有名な研究があります。エール大学の学生に連絡し、「公衆衛生のパンフレットの評価」をするという目的で実験を行いました。実験室を訪れた被験者には、破傷風に関するパンフレットを手渡しました。このパンフレットには、学生が破傷風の予防接種を受けるべきであることが示唆されています。

学生の半分が読んだパンフレットには、学内の診療所への詳しい道順が示された地図、予防接種が実施されている時間帯などが記載されていました。予防接種をいつ、どこで、どのように受ければよいかを示す行動計画やロードマップが丁寧に書かれていたのです。残りの半分の学生が読んだパンフレットには、この情報は記されていませんでした。両群の学生は、「パンフレットを評価する」というこの実験の名目上の目標に添った質問に答え、作業を終了しました。その後、学生が破傷風の予防接種を実際に受けたかどうかを調べると具体的な行動計画を読んだ学生は、そうでない学生よりも予防接種率が高かったのです。

行動計画を立てれば、”あらゆること”が簡単になり、行動もとりやすくなる。仕事でも運動でも、事前に”何を、どうすべきか”を計画していると、その行動を続けやすい。仕事内容が明確に指示されていると、従業員はそれを期限内に達成しやすくなる。簡単なものは、実行しやすいのだ。

あのアマゾンの巨大企業も「簡単にする力」を活用しています。アマゾンは顧客の買い物方法に革命を起こしたことで、時価総額1000億ドル以上の企業に成長しました。同社が初めて”送料無料、注文2日以内に品物を届ける”という「アマゾン・プライム」のサービスを開始したとき、周囲は「顧客はそれだけのために年間79ドルもの会費を払わないだろう」と懐疑的でした。しかし、アマゾン・プライム・グローバルを統括するグレッグ・グリーリー必ずこのサービスは必ずうまくいくと確信していました。10年後、プライムの契約者数は数千万を超え、さらに成長を続けています。サービスの開始時点で会員だった数万人のうち5人に4人は、今もサービスの契約を継続していると言います。

このようにサービスをシンプルにすることで、多くの企業や個人が結果を残しています。自分の行動をシンプルにすることはとても重要です。タスクを整理し、行動しやすい環境を作るのです。著者のショーン・ヤングの分析は鋭く、データも豊富で信頼を置けます。ぜひ、彼のアドバイスを信じて行動を変え、結果を出すようにしましょう。

まとめ

「なし遂げる力」のカギを握るのは、「心に効く7つの力」であることがわかりました。 「目標を小さく刻む」
「コミュニティ」「重要性を認識する」「簡単にする」「ニューロハックス」「夢中になる」「ルーチン化する」という7つのフレームワークを日常の行動に落とし込みましょう!

ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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