どの習慣もきっかけによって始まる。そして、目立つきっかけには気づきやすい。残念なことに、行動を引き起こすきっかけが目立たないために、生活や仕事の環境がその行動をしにくくしてしまうことがある。(ジェームズ・クリアー)
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新たな習慣を身につけるために環境を変えよう!
ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣の書評を続けます。新しい習慣を身につけたければ、環境を意識すべきです。著者は「環境は、人間の行動を形づくる見えざる手だ」と指摘します。
例えば、教会に行けば、人はささやき声で話します。暗い夜道では、誰もが用心深くなります。私たちの変化はたいていまわりの世界に影響を受けています。どの習慣も周りの環境に左右されているのです。本棚が目立たない部屋の隅にあれば、私たちは本を読もうと思いません。ビタミン剤が食料棚の見えないところにあれば、飲むのを忘れてしまいます。習慣化のためには、はっきり見えるきっかけを作ることです。
1990年代初頭、アムステルダムにあるスキポール空港の清掃員が、男性用小便器の真ん中あたりに、ハエに見えるシールを貼ることにしました。便器に向かった男性たちは、それが虫だと思って狙いました。シールのおかげで狙いが定まり、便器まわりの「こぼれ」が大幅に減ったそうです。さらに分析すると、シールのおかげで、トイレ掃除のコストが年8パーセントも減少したのです。
ただはっきり見えるという理由だけで、人は習慣を変えられます。そのために、環境を変えてみましょう。
・毎晩忘れずに薬を飲みたいなら、薬のびんを洗面所の蛇口のすぐそばに置く
・もっとギターの練習をしたいなら、リビングルームの真ん中にギタースタンドを置く
・もっと水を飲みたいなら、毎朝数本のボトルに水を入れて、家のいつもの場所に置く
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良い習慣のきっかけを目の前に置こう!
生活の大部分を占める習慣を身につけたいなら、そのきっかけが環境の大部分を占めるようにしよう。いつまでも続く行動には、たいてい複数のきっかけがある。
車を運転すること、友人が吸っているのを見ること、仕事でストレスを感じることで、人はタバコを吸いたくなります。過去の悪い習慣をやめたければ、その鎖を断ち切ることです。車を運転する際には、口を寂しくしないために、水を飲んだり、キャンディを舐めるようにするのです。仕事でストレスを感じたら、仲間とカフェに行ったり、映画を見るなど他の行動に置き換えるのです。
私は断酒する際に、家中の酒を全て処分し、飲み友達との関係を整理しました。行くお店も変え、お酒を飲む環境から、離れることを決めました。酒を飲みたくなったら、炭酸水を飲むことを習慣化し、半年後にお酒を完全にやめることに成功しました。
これは良い習慣にも応用できます。健康を改善したければ、甘いお菓子ではなく、フルーツやビタミン剤を目立つ場所に置きましょう。ゲームをやめたければ、ゲームを目立たないところにしまい、本をデスクの周りに置くようにするのです。
引き金となるものを周囲に散りばめることで、一日中その習慣のことを考えていられるだろう。最善の選択肢を、いちばん目立たせよう。良い習慣のきっかけが目の前にあれば、良い決断をすることは自然で易しいものになる。
自分の生活や仕事の場所を作りかえて、ポジティブなきっかけに触れる機会を増やし、ネガティブなきっかけに触れる機会を減らすことで、良い習慣が身につきます。環境作りによって、主導権を取りもどし、自分の人生を設計することができるのです。悪い習慣をリストアップし、良い習慣に置き換えるための方法を考えましょう。自分の周りの環境を変えることで、自分の習慣を変えることができるのです。
まとめ
私たちの習慣は環境によって左右されることがわかっています。良い習慣を身につけたいなら、そのきっかけが環境の大部分を占めるようにすべきです。自分の生活や仕事の場所を作りかえて、ポジティブなきっかけに触れる機会を増やすのです。
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