変わるために最適な計画を立てようとすると、行き詰まることが多い。たとえば、もっとも早く減量する方法、筋肉をつける最高のプログラム、完壁な副業のアイデアなどだ。最善の方法を見つけることに力を注ぐあまり、行動を起こす暇さえなくなってしまう。(ジェームズ・クリアー)
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結果を出すためには、質と量はどちらが重要か?
ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣の書評を続けます。著者は自分を変えるためには、最善の計画を練るよりもアクションを起こすべきだと指摘します。意向を持つことと行動を起こすことには大きな違いがあります。意向があれば、計画したり、作戦を練ったり、学んだりしますが、それだけでは結果を残せません。行動が伴わない限り、いくら計画しても意味はないのです。
フロリダ大学のジュリー・ユルズマン教授の実験は行動の重要性を明らかにしています。授業が始まるときに、フィルム写真のクラスの学生をふたつのグループに分けました。 教室の左側の学生は全員「量」のグループとし、このグループの学生は、作った作品の量だけで採点されます。授業の最終日に、各学生が提出した写真の枚数を総計します。作品が100枚なら評価はA、90枚ならB、80枚ならCという評価が与えられます。一方、教室の右側の学生はみな「質」のグループとしました。彼らは作品の出来栄えだけで採点されます。学期中に制作する作品は一枚だけでもよいですが、Aをとるには、ほぼ完壁な写真でなければなりません。
教授が驚いたことに、すばらしい写真はすべて「量」グループの作品でした。学期中、このグループの学生たちは、写真を撮ったり、合成や光の工夫をしてみたり、暗室でさまざまな手法を試したり、失敗から学んだりと、とても忙しく過ごしました。何百枚もの写真を作成するなかで技術を磨いていったのです。逆に「質」グループの学生たちは、作品について考えましたが、あまりアクションを起こしませんでした。彼らの作品は少なく、努力を示せるものはほとんどありませんでしtら。信慧性のない理論と平凡な写真ができただけだったのです。
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習慣とは行動の自動化である!
行動とは、結果をもたらす行為である。書きたい記事のアイデアを20個挙げても、それは意向である。実際に机に向かって、ひとつの記事を書くなら、それは行動だ。もっといいダイエット法を探し、その手の本を読むのは意向。実際に健康的な食事をするのが行動である。
意向が役立つこともあるが、それだけで結果をもたらすことはありません。個人トレーナーに何度相談しても、意向は身体を鍛えてはくれません。運動という行動だけが、手に入れたい成果をもたらしてくれるのです。
意向を持つことで、私たちは失敗の危険を冒さないまま進歩している気になれます。失敗したり、まわりから非難されたりするのは嫌なので、そうなりかねない状況を避けようとして、プラン作りに精を出すのです。行動よりも意向へと陥ってしまうもっとも大きな原因は、失敗を遅らせたいという気持ちだと著者は言います。
意向を持ち、自分は進歩していると思いこむのは簡単です。「書きたい本のアイデアをいくつか思いついた。これできっとうまくいくぞ」と自分を慰めて、多くの著者志望者は行動を先延ばしします。アイデアが思いついたら、目次を作り、文章を書き始めればよいのです。
意向は、ものごとを成し遂げているような気にさせてくれる。でも本当は、成し遂げる準備をしているだけだ。準備がただの引き延ばしになってきたら、何かを変える必要がある。あなたは計画を立てたいだけではなく、実行したいはずだ。習慣を身につけたいなら、大事なのは完壁を求めることではなく、繰りかえしから始めることだ。
新しい習慣について、あれこれと未来の計画を立てる必要はありません。必要なのは、実行することだけです。 行動を繰りかえすたびに、習慣に関係する回路を活性化できます。
習慣にしたい行動をただ繰りかえすことで、新しい習慣を符号化できるのです。すべての習慣は、努力を要する行動から自動的なものへと、同じ軌跡を描いていきます。この過程を「自動化」といいます。自動化とは、いちいち考えずに行動できることを指し、無意識がその行動を引き受けたときに起きるのです。習慣とは行動の自動化だと捉え、小さな積み重ねを繰り返しましょう。
まとめ
意向と行動には大きな違いがあります。結果を出したければ、プラン作りに精を出すのをやめ、小さなアクションを積み重ねるようにすべきです。習慣とは行動の自動化ですから、無意識で行動できることを増やしましょう。小さな習慣をいくつも持つことで、自分の未来を変えることができます。
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