ジェリー・コロンナのReboot 良きリーダーになるための9つの質問の書評


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Reboot: Leadership and the Art of Growing Up(Reboot)
著者:ジェリー・コロンナ
出版社:ダイレクト出版

本書の要約

リーダーは自分との対話の時間(自己探求)を持つことによって、部下との関係を改善できます。よりよいリーダーはよりよい人間であり、よりよいリーダーなのです。実は、リーダーシップを学ぶことは、本質的には人間性を学ぶことだと言えます。

リーダーに自己探求は必要な理由

暗闇から立ち上がり、徹底的な自己探求によって、私たちはより良いリーダーになれる。(ジェリー・コロンナ)

目的ばかりを追求していても、幸せになることはできません。充実した人生は、行動と内なる価値観が調和し、自分にとって完全な生活を送ることで得られます。 たとえ、充実した人生が送れてれていなくとも、それを認めることで、人生をやり直せます。 毎朝、新しい朝はきますし、私たちは新しい一歩を踏み出すができるのです。自分をReboot(再起動)し、自分の内なる声との対話をスタートすべきです。自己探求によって、私たちは優れたリーダーになれるのです。

リーダーは目的を重視しすぎ、人としての感情をどこかに置き忘れてしまいます。しかし、これでは成功はおぼつきません。企業のリーダーにコーチングを行うRebootのジェリー・コロンナは、リーダーの仕事は人間らしい会社(コミュニティ)を築くことだと述べています

リーダーに失敗はつきものですが、その責任を部下に押し付けていても、結果は変わりません。自分自身に耳を傾ける時間を持ち、自己探求をすべきです。

心を開き、判断を挟まず耳を傾けることで、私は自分が世界から十分なものを得ていることや、世界が自分に本来と違うものを厳しく求めていることに気づけた。自分は”十分だ”と宣言できるようになったことで、最も気概があり、最も平静な表現が可能になる。

耳を傾けられるようになれば、自分のやり方を問い直し、人間らしいアプローチを再考できるようになります。自分の欠点や問題点を認め、平静を取り戻し、部下やパートナーの声に耳を傾けるようにしましょう。

よい人間がよいリーダーになる!

私が成長について学んだことの多くは、リーダーシップを学ぶ過程で知るようになったことだ。言ってみれば、私は自分らしくなっていく過程で、よりよいリーダーになった。リーダーになる過程と自分らしくなる過程は、絡み合い、依存し合っている。よりよいリーダーはよりよい人間であり、よりよいリーダーなのだ。そのため、リーダーシップを学ぶことは、本質的には人間性を学ぶことだと言える。

著者のジェリー・コロンナは、人生は常に展開し、成長と変化の連続です。自分の価値を土台にし、内なる声に耳を傾け、人としての成長を目指すこと、よりよきリーダになれると言います。

難しいことが複雑になるのは、リーダーが自分の内省を行わないからです。自分の内省をしないリーダーは、自分の成長を諦めているのです。成長しないリーダーは、ほかの人の邪魔になり、役に立ちたいと思っている組織をゆがめ、混乱させてしまいます。

自分の失敗を隠蔽するため、他者を犠牲にする道を選ぶようになります。自分を見つめないリーダーは、心の内の混乱や人間らしい矛盾を外に出してしまいます。さらに、自分の恐怖と向き合えず、不安を見せまいとするあまり、他者に対して攻撃的になります。暴力は、自分の苦しみのやり場がわからないときに現れますから、その苦しみの原因を明らかにするために、自分との対話の時間を持つべきです。

会社内のコミュニティに対する暴力、そして自分自身に対する暴力は、私たちが内面を見つめ、日々の挫折に対処するのを拒んだときに現れるのです。自分自身と組織のありのママの姿を見るのは、よいリーダーになるために必要です。

リーダーは失敗を恐れるが、それでもチームに成功する力があると信じている。親は子どもの膝の擦り傷や挫折に気を揉むが、子どもが親から離れ、独立した存在になることを喜ぶ。パートナーはふたりの関係に愛と不安が入る余地を残し、傷つきやすい本当の自分の理不尽さが、丸ごと、間違いなく、愛情を持って相手に受けとめられると信じている。そのように自分の内面にあるものを受け入れることで、他者を丸ごと受け入れ、自分のなかのやっかいな部分も丸ごと愛情を持って受け入れられる真の避難所が作れるのだ。

リーダーは時には親のように振る舞い、メンバーの内面を受け入れる必要があります。親が子どもとのやりとりで人間力を鍛えるように、部下との関係を人間性を持って構築すべきです。

著者は今でも、よいリーダーとなり、今なおよい人間になる努力を続けていると言います。よい人間になろうと行動することは、実際によい人間になることを達成するよりも大切だという知恵を著者は持つことができました。その知恵を出発点として、著者は成長する美学を身に付けることができたのです。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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