自分のポテンシャルを引き出すための3つのステップ

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潜在能力を最高に引き出す法: ビッグ・ポテンシャル 人を成功させ、自分の利益も最大にする5つの種
著者:ショーン・エイカー
出版社:徳間書店

本書の要約

自分のポテンシャルを高めるためには、周囲からのポジティブな同調圧力を利用する、多様性な人脈、双方向の絆を作ることの3つのステップが重要です。多くの成功者はギバーとして、こちらから何かを提供するために人に連絡を取り、貢献することを習慣にしています。

双方向の絆を作ろう!

ショーン・エイカー潜在能力を最高に引き出す法: ビッグ・ポテンシャル 人を成功させ、自分の利益も最大にする5つの種の書評を続けます。著者は意識的に良い人間関係を作り上げることが重要で、次の3つのステップが必要だと述べています。
1、周囲からのポジティブな同調圧力を利用する
2、多様性によってバランスを生み出す
3、双方向の絆を作る

今日は3つ目の双方向の絆を作るを取り上げます。

自分の気持ちをさらけ出すことと、人がそうしたい時によい聞き手になることのバランスが取れていなければならない。最良の関係は互恵的つながりの上に成り立つもので、それがよい「スター集団」のカギである。(ショーン・エイカー)

世の中には他人に尽くせない一方通行の人がいます。自分の人間関係の問題や、職場で腹の立つことなどを何でもあなたに話したがるのに、あなたが悩みを聞いてもらいたい時には興味を示さず、そばにもいてくれない人たちです。人間関係を最も有効に活用するには、「こちらから何かを提供するために人に連絡を取る」習慣を身につけなければなりません。

双方向で互恵的な関係を多くの優秀なリーダーは作っています。

互恵的関係もまた、非常に実りあるものとなる。最も成功しているリーダーたちは、常に自分の知人に何かしてあげることはないかと気をつけているものだ。(ロバート・クロス)

アダム・グラントは『Give&Take「与える人」こそ成功する時代』の中で、ギバーになることの重要性を指摘します。彼は「人を利用して勝利した人間がいれば、そこには必ず勝利を奪われた人間がいる。研究の結果にも表れているが、敗者は成功した人間を妬み、その鼻をへし折ってやりたいと思う。だが逆にいつも人に恩恵を与えている人が勝つと、人々は声援を送り、引きずり下ろそうとすることなくサポートする」と述べています。

関係が互恵的になればなるほど、それが私たちの幸福、意欲、創造性に及ぼす力が増すこともわかっています。ある研究者たちは、真の友人と偽物の友人が、人の心身の健康と幸福にどんな影響を及ぼすかを評価しました。2人が互いを「友人」であると思っている場合、それは「相互の友情」と考えられます。しかし、片方だけが相手を「友人」と考えている場合、それは「認識上の友情」と呼ばれます。

研究の結果を見ると、身近な「相互の友情」を持つ友人が幸福だと、こちらも幸福になる割合が63%上昇します。一方で、「認識上の友情」を持つ身近な相手が幸福でも、こちらが幸福になる確率はわずか12%でしかありません。認識上の友情だけでは、人は幸せになれません。

互恵的な絆はまた、「心理的安全性」を生み出すことがわかっています。グーグルの「プロジェクト・アリストテ レス」の研究によれば、互恵的な絆はチームの成功にとって最も大事な要素で、創造性、粘り強さ、知性といった個人的な資質よりも、さらに大きな意味を持つと言います。

ハーバード・ビジネス・スクール教授エイミー・エドモンドソンは、「心理的安全性」を「チームメンバーによって共有される、チームの人間関係の中では少々の冒険をしても安全だという信念」と定義しています。つまり、チーム内の人間関係が双方向の場合、「チーム内では、思ったことを口にしても、それによって恥をかかされたり、拒絶されたり、ひどい目に遭わされたりすることはないという確信」がメンバーの心に生み出されます。誰もが安心して自分らしくいられる「信頼と相互尊敬の雰囲気」は、最大ポテンシャルの実現を目指すチームには不可欠の要素となるのです。

双方向、互恵的な関係の唯一の落とし穴

最大ポテンシャル を実現しようとすると、人とのつながりをできるだけ多く蓄えようとしがちだ。だが、これらの人間関係がすべて双方向のものであれば、そのつながりから与えられるものと同じだけを供給しなければならないので、自分に無理を強いることになりかねない。

双方向、互恵的関係には注意すべき落とし穴が一つだけあります。それは「協力の過重負担」です。成功すればするほど、多くの人があなたの時間を要求するのようになります。

著者のショーンは頼まれた講演はすべて受けていましたが、突然、限界点に達して、トラブルに巻き込まれました。あまりにいろいろなことを引き受けすぎて、毎朝必ず何人かをがっかりさせてしまうようになったのです。

最大ポテンシャルを追求する時にも、誰からのどんな頼みでも聞くのではなく、誰とつながりを持ちたいのかを戦略的に考えて「コラボレーション疲れ」に陥らないように注意する必要がある。

タスクが多くなったと感じたら、自分1人で抱え込むのをやめ流べきです。人はスーパースターになろうとして、ボロボロになるまで自分を追い込んでしまうことがよくあります。しかし強固な人間関係があれば、孤独や疎外感や燃え尽きなどの代価を払ってまで無理をしなくても、同じだけの成功を収めることができます。

自分が本当に輝けるスター集団を作るためには、互恵的な関係が必要です。相手がオープンで、信頼でき、寛大な人かどうかを知るための最も確実なテストは、あなた自身がその人に進んで心を開くことができ、正直で、寛大でいられるかです。互恵的な人を見つけたら、絶対に手放さないようにしましょう。自分の潜在能力を最大限、発揮できるようになるだけでなく、深く意味のある人間関係を手にすることができます。

当然、人には孤独な時間が必要ですが、それだけでは自分のポテンシャルを最大化できません。他のポジティブで多様な人と繋がっていない限り、成功、幸福を手に入れることはできません。周りの仲間に対して、ギバーになり、貢献することで、相手からも応援されるようになります。

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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