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理想の自分をつくる100の法則
著者:ティボ・ムリス
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
本書の要約
宝くじが当たっても幸福度が長続きしないことがわかっています。それよりも自分のやりたいことに時間を使うべきです。家族や友人との時間を大切にし、彼らに感謝の言葉を伝えることで、人は幸せになれるのです。感謝の交流によって幸せになれるのですから、ありがとうを口癖にしましょう。
宝くじでは人は幸福になれない?
宝くじで一発逆転を狙いながら暮らしている人は世の中にたくさんいる。しかし、そういう生き方をして本当に充実感が得られるだろうか。たまたま何らかの出来事が起こって人生が好転することを期待するのは大問題である。それは自分の力を放棄することになるからだ。自分の力でできることをするのではなく、外部の力で人生が好転することを祈ってもうまくいかない。(ティボ・ムリス )
宝くじが当たっても、人は幸せになれないという調査結果があります。ノーウエスタン大学のフィリップ・ブリックマンによると、宝くじの高額当選者の幸福度を追跡調査しま結果、宝くじの当選直後はとても幸福度が高かったのですが、それはわずかな期間しか続かなかったそうです。
ブリックマンは、22人の宝くじ当選者と29人の障害者を比較しましたが、極端に幸運な人も、極端に不運な人も、数ヵ月も時が経つと、幸福度はもとの水準にまで戻ってしまうというのです。驚くべきことに、2ヵ月も経つと、不運な人と幸運な人とでは、幸福度は変わらなくなってしまいます。
外部からもたらされたお金では幸せになれませんし、それが長続きしないなら、どうすればよいのでしょうか?ティボ・ムリスは、結局は自分の力に頼るしかないと言います。私たちは自分の人生を変える力を持っています。宝くじの当選番号をコントロールすることはできませんが、自分の思考、感情、行動をコントロールすることはできます。
自分の思考、感情、行動を変えれば、人生は必ず変わる。宝くじであれ、その他の何であれ、外部の力が自分を救ってくれると信じるのはあまりいいことではない。もし物事が変わるとすれば、それは自分から始めなければならないことを認識すべきだ。
宝くじに人生を賭けるのをやめ、 自分の可能性に賭けた方が幸福度は増すはずです。外部の力に頼らず、自分の力で道を切り開く方法を考え、やりたいことに時間を使った方が幸せになれるはずです。宝くじに当たる可能性はとても低いのですから、そこに時間を使うより、友人や家族との楽しい時間を過ごしたり、運動する方が幸福度は高まります。自分が充実できる方法を見つけ、それに時間を使うようにしましょう。
感謝で幸福度がアップする?
また、人と感謝しあうことで、幸福度が高まることがわかっています。2013年にネスレ日本は日本人の幸福度を徹底調査しました。その結果、「ありがとう」をたくさん言う人ほど精神的なストレスを引きずりにくいことが分かりました。「ありがとう」を1日に20回以上言う人の36.6%がストレスを受けても1日経てば忘れており、全く言わない人の40.5%が1週間以上引きずるのとは対照的な結果になったのです。加えて、20回以上言う人の幸福度(平均6.8点)は、全く言わない人(平均4.4点)の1.5倍に上っていたのです。私たちは感謝を習慣にすることで、幸せになれるのです。
ポジティブ心理学者の マーティン・セリグマンは 感謝の手紙が効果があると言います。 うつ病で苦しんでいる患者に自分の人生を助けてもらった 人に感謝の手紙を書かせました。手紙を書いた患者は、その人に会いに行き、感謝の言葉を伝えることで、うつ病から回復したそうです。 感謝の言葉は、薬よりも効果があるのです。
逆に、愛する人に「ありがとう」と伝えなかったことで、後悔する人がいます。末期患者の治療を長年続けてきた大津秀一氏は、死ぬときに後悔すること25の中で、感謝の言葉を伝えることの重要性を紹介しています。「ありがとう」という一言を伝えなかったことで、後悔するのは寂しすぎます。忙しいと言って、家族との時間を作らないことが、不幸の入り口なのかもしれません。日頃から家族や仲間との時間を大切にし、感謝の言葉を習慣にすることが幸せになる秘訣だと私は考えるようにしています。
誰もが独自の才能や長所を持っています。それを誰かに提供することで、感謝の交流が生まれます。自分の価値を提供し、周りの人と感謝の交流をすることで、私たちは幸せになれるのです。「ありがとう」を口癖にし、周りの人を幸せにすることは誰にでもできます。「ありがとう」の交流を日常の当たり前にするだけで、幸福の時間を増やせます。
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