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超・知的生産術 頭がいい人の「読み方、書き方、学び方」
著者:小川仁志
出版社:PHP出版
本書の要約
物事の本質を発見する哲学思考を身につけることで、知的生産性を高められます。①透視思考、②対概念思考、③媒介思考、④弁証法思考、⑤プラグマティズム思考、⑥逆算思考 、⑦比喩思考、⑧人間中心思考、⑨落選着目思考、⑩補助線思考によって、解決策が見つかるようになります。
10の哲学思考を身につけよう!
物事の本質を発見し、意味づけていくためにそれを徹底的に繰り返すのが哲学思考。(小川仁志)
小川仁志の超・知的生産術 頭がいい人の「読み方、書き方、学び方」の書評を続けます。哲学思考を身につけることで、私たちは知的生産性を高められます。この哲学思考には様々なバージョンがありますが、この思考法を自分ごと化することで、クリエイティブな存在に生まれ変われます。小川氏は商社、地方自治体やフリーターなどを経験しながら、以下の10の思考法を実践することで、日本を代表する哲学者になったのです。哲学によって人生を変えられるという著者の主張は、彼の経歴を知れば、納得できるはずです。
①透視思考
物事をあたかも透視するように想像することで、物事の本質をつかめます。自分の持つ常識と知識を総動員し、理性と感性を最大限働かせて、思考しましょう。
②対概念思考
哲学の世界には、多くの「対」になる概念があります。主観と客観、理想と現実、一と多、観念と実在など対になって考えることで、見えない物が見えてきます。主観的に自分のことばかり考えていると周りが見えなくなります。主観と客観とセットで考えることで、新たな答えが見えてきます。
③媒介思考
物事には必ず何か媒介するもの、つなぐものがあると考える思考です。へーゲルはこの媒介という概念を重視しました。どんなものもそれのみで存在するわけではなく、何らかの関係性や原因があって存在すると面考えることで、今まで見えていなかったものが見えてきます。
④弁証法思考
弁証法は、古代ギリシアのソクラテスの時代から存在していた伝統的な思考法です。ソクラテスは、相手と問答を繰り返すことで、相手の主張の論理的な矛盾を明らかにしていました。へーゲルはさらにそれを生産的な思考法に発展させました。問題が生じたときに、それを克服してさらに一段上のレベルに到達する思考方法として再生させたのです。
この思考法を取り入れることで、二つの対立する問題であっても、両方の長所を取り入れることで、よりよい解決法を見出せるようになります。弁証法は、いわば第三の道を創造するための方法なのです。世の中には問題があふれていますが、弁証法を使えば、問題をプラスに変えられるようになります。
⑤プラグマティズム思考
ドイツ語の「pragmatisch(実用的な)」という言葉に由来する思考法が、プラグマティズム思考です。 実用主義、道具主義、実際主義とも言われています。考えるだけでは結果を出せませんから、行動を重視しましょう。自分から積極的に行動し、結果をその都度検証して修正を加えていきます。
視点を変えて、物事の本質を捉えよう!
⑥逆算思考
逆算思考とは、文字通り逆算して考えるということです。ビジョンから逆算して、現状を把握したり、プランニングすることで、よりよい結果を得られます。
⑦比喩思考
比喩思考とは、喩えを用いることで、本質をあぶりだす思考法です。
富は海水のようなもので、飲めば飲むほど喉が渇く。(ショーペンハウアー)
ショーペンハウアーは、富を求める人間の欲望について、それが際限のないものであることを示すために、海水という比喩を使っています。「AはBである」ということをいくら説明してもわかりにくいときには、あえてAに類似したC、Bに類似したDを持ち出し、「CはDである」と伝えたほうが効果的です。難しい話をわかりやすく伝えたければ、比喩思考を活用しましょう。
⑧非人間中心思考
非人間中心思考とは、人間中心に物事を考えないということです。私たちはどうしても人間中心主義に陥ってしまいますが、それでは物事の本質を見誤ります。物の存在を人間のかかわりとは別に考えること=非人間中心思考によってのみ発見できることもあるのです。
⑨落選着目思考
選ばれなかったもの、落選したものに注目することで、異なる視点から物事を見られるようになります。物事の選択基準を疑うことで、結果が変わる可能性があるのです。
⑩補助線思考
幾何学の問題で、たった一本の補助線を引いただけで、解答への筋道が見えるように『思考の補助線』を引くことで、私たちは今までとは少し違った態度で、世の中の謎に向き合うことができる。(茂木健一郎)
仕事の問題を解決したいときにも、一見関係ないと思われる場所に、補助線を引くことでよい答えが見つかることがあります。よい補助線が引ければ、難問もあっという間に解決できるのです。
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