千葉雅也氏の勉強の哲学 来たるべきバカのためにの書評


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勉強の哲学 来たるべきバカのために
著者: 千葉雅也
出版社:文藝春秋

本書の要約

勉強することで、特定の価値観で固まっていた過去の自分を破壊することができます。自ら変化を受け入れることで、いろいろなものを肯定的に面白がれるようになります。学びを続け、世界をより楽しめるようになると、よりクリエイティブに生きられます。

勉強でノリの3段階を通過し、自分を破壊する!

勉強とは、かつてのノっていた自分をわざと破壊する行為なのです。自己破壊である。言い換えれば、勉強とは、わざと「ノリが悪い」人になることなのです。 ある環境のノリから抜け出そうとする。その先で可能なのは、別のノリを身につけることです。ノリからノリへの引っ越しです。(千葉雅也)

「深くは勉強しないというのは、周りに合わせて動く生き方だ」と哲学者の千葉雅也氏は指摘します。日常の中で「周りのノリ」に合わせることが苦しくなってきたなら、それが勉強を始めるチャンスなのです。勉強を始めるこ「ノリが悪い人」になり、今までのコミュニティとの距離が生まれます。今までの生き方が大事なら、ノリのいい生き方を選ぶべきで、あまり勉強しない方がよいのです。

「深く」勉強することは、他者との関係を見直し、流れのなかで立ち止まることであり、「ノリが悪くなる」ことにつながります。要は深く勉強するというのは、ノリが悪くなることだと言えます。

変化を起こすための学びには、以下の3つの段階があります。
■第1段階
単純にバカなノリ。みんなでワイワイやる。
■第2段階
いったん、昔の自分がいなくなるという試練を通過する。
■第3段階。
試練を通過後、来たるべきバカに変身し、人は新たなノリを獲得します。

自分を根本から変える勉強であるラディカル・ラーニングによって、一時的に人は損を被るかもしれません。別のノリへの引っ越しとは、新たな自分を獲得することなのです。私たちは勉強することで、保守的な自分を捨て、その場で浮く言語を使って、既存のコミュニティから分離していきます。

以前の私はアルコールに依存していました。酒飲み仲間とのコミュニティで生きることが楽しく、当時の私は学びより酒を優先していました。しかし、13年前にアルコールをやめ、断酒を宣言し、読書や朝活に時間を使うことを選択します。私は酒飲み仲間の中でノリが悪い存在となり、いっとき寂しい思いをしました。

2度と酒に逃げるのをやめ、学びを続けることで、私はアルコール依存症という自分を破壊し、変化することができました。学び続ける人たちのコミュニティに参加することで、様々な刺激を受けるようになれ、自分の人生をポジティブなものに変えられたのです。

絶えず、自分のバカさを変化させよう!

勉強は、2つの方向できりがなくなる追究と連想、アイロニーとユーモアです。言い換えれば、「深追いのしすぎ」と「目移り」になる。勉強はアイロニーが基本なので、「深追いしているうちに目移りしてしまう」というのがよく起こることです。

勉強にはツッコミ=アイロニーと、ボケ=ユーモアという2つの方法があります。前者は自分が置かれているノリを疑って根拠を突き詰めることで、後者はそもそものノリからズレることを意味します。勉強は前者に傾きがちですが、適度なタイミングでボケることを忘れてはいけません。ただし、アイロニーとユーモアを追求しすぎると、結果を得られなくなります。時に勉強を有限化しなければ、深追いしたり、目移りが続き、際限がなくなります。

勉強の視野を広げ、自分の享楽を分析しつつ、勉強を続けることで、あるバカさが別のバカさへと変化していきます。ラディカル・ラーニングとは、実は自分の根っこにあるバカさを変化させることなのです。享楽的なこだわり(バカな自分)を知ることで、次のバカを目指すのです。アイロニーとユーモア、そして自分の享楽に基づき、勉強の三角形を作ることで、楽しく暮らせるようになると著者は言います。

環境のなかでノっている保守的な「バカ」の段階から、メタに環境を捉え、環境から浮くような「小賢しい」存在になることを経由して、メタな意識をもちつつも、享楽的こだわりに後押しされてダンス的に新たな行為を始める「来たるべきバカ」になる。

絶えず、自己破壊をするために、私は読書を続け、このブログを書き続けています。毎日、ブログを書くと決め、本を読み続けることで、私は変化できるようになりました。過去の自分を壊すことを習慣化することで、私の人生はより面白くなりました。酒をやめ、学びを再び始めたことで、よりよい人生を送れるようになったのです。

学びにクリエイティブな視点(小説やアート、音楽)を取り入れることで、仕事もうまくいくようになります。異なる視点を持ち、周囲から浮くようなアイデアを生み出すことが、今の時代のビジネスパーソンの求められる資質で、これは自分を破壊することから得られます。

仕事では外からの要請に従わなければならない。でも、そのなかで、「もうひとつの意識」を持つこともできる。仕事において経験する出来事も、アイロニーとユーモアを交差させながら捉えれば、文学的なものに見えてくる。仕事で目に入る場面を、写真的あるいは映画的な場面と見ることもできる。そういう芸術的意識は、仕事で押しつけられる価値観に単純に巻き込まれず、距離を取って状況を見るということに他なりません。

アイロニーとユーモアを活用し、仕事の場面で冷静で客観的に振舞うことは、実は状況を芸術的なものとして捉えることと同じです。ビジネススキルとクリエイティビティは一致致すると考え、言葉や表現の力を鍛えることで、ビジネスもうまくいくようになります。

本書を読むことで勉強の方法を学べるだけでなく、哲学も同時に学べます。久々にドゥルーズ・ガタリの哲学に触れることで、抽象的な思考の素晴らしさに気付けました。今までの哲学書とは全く異なるアプローチで、哲学を身近なものにできるという意味でも、面白い一冊でした。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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