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スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義
著者: ティナ・シーリグ
出版社:CCCメディアハウス
本書の要約
想像力→クリエイテビィティ→イノベーション→起業家精神という「インベンション・サイクル」に行動をのせることにより、夢をかなえることが可能になります。このサイクルを上手に活用することで、 未来は自分自身の手で切り拓くことができるのです。
若い時に起業家精神を身につけよう!
未来は自分自身の手で切り拓くことができる、という起業家精神を若い人たちに教えないのは、犯罪的な行為ではないかと私は思います。私たちは、一人ひとりが自分自身の人生を切り拓き、社会のさまざまな問題に立ち向かっていかねばなりません。そして、そのためには、アイデアを形にするための知識、スキル、心構えが必要です。ところが現在の公教育では、イノベーションではなく暗記に重きが置かれています。生徒自身をヒーローに育てるのではなく、ヒーローについて学ばせることを重視しているのです。(ティナ・シーリグ)
ティナ・シーリグの授業を若い時に受けていたら、もっと面白い人生を送れたのにと考えてしまう自分がいます。以前、ティナ・シーリグのスタンフォード大学白熱講義を読んで、とても刺激を受けましたが、本書は前作以上に面白く、より実践的です。(ティナ・シーリグの関連記事)
スタンフォード・テクノロジー・ベンチャーズ・プログラム(STVP)のエグゼクティブ・ディレクターする著者は、誰でもイノベーションを起こすためのフレームワークを身につけることで、自分の人生を変えられることを見つけます。
想像力→クリエイテビィティ→イノベーション→起業家精神というサイクルに行動をのせることにより、夢をかなえることが可能になります。このサイクルを上手に活用することで、 未来は自分自身の手で切り拓くことができるのです。
想像力がクリエイティビティを生み、クリエイティビティがイノベーションにつながり、イノベーションが起業家精神を呼び起こす。そして、起業家精神が新たな想像力を刺激する。
そのためには、アイデアを形にするための知識、スキル、心構えが必要です。クリエイティブであるためには、スキル、姿勢、行動が揃っていなくてはなりません。そして、それらは想像力、イノベーション、起業家精神と密接に関係しています。
生まれたばかりの赤ちゃんは、意味のない音を発してコミュニケーションをとります。そのうち、音と音を組み合わせて意味ある言葉を発し、つぎに言葉と言葉をつなげて文章をつくり、いずれ文章と文章を組み合わせて物語をつくります。こうしてできた物語は、聴く人を動かします。 音→言葉→文章→物語というステップを踏むことで、クリエイティブな存在になれます。
インベンション・サイクルを使い倒せ!
著者はクリエイティビティ、イノベーション、起業家精神を養うためのフレームワークである「インベンション・サイクル」を提案します。このサイクルを身につけることで、ひらめきを形にできるようになります。
インベンション・サイクルを構成する要素を定義すると、次のようになります。
・想像力……存在していないものをイメージする力
・クリエイティビティ……想像力を駆使して課題を解決する力
・イノベーション……クリエイティビティを発揮して独創的な解決策を編み出すこと
・起業家精神……イノベーションを活用してユニークなアイデアを形にし、ほかの人たちの想像力をかきたてること
大きな夢を抱くからには、それを達成するために何をすべきか現実的に考え、認識しておかねばなりません。夢を実現するのに必要な姿勢と行動を明確にしているインベンション・サイクルは、そのためのフレームワークになります。
4つのスキルを高めるための方法を把握し、使い倒せるようになると結果が変わります。大きなビジョン掲げ、あみらめなければ、イノベーションを起こせるようになります。
・想像力を豊かにするには……何かひとつのことにどっぷり浸かること、今あるものに代わるものを思い描けることが必要
・クリエイティビティを養うには……やる気を高めること、実験を繰り返しながら課題を解決しようとすることが必要
・イノベーションを起こすには……フォーカスすること、状況を捉え直してユニークな解決策を生みだすことが必要
・起業家精神を養うには……粘り強く続けること、 周りの人を巻き込むことが必要
私もこの4つのスキルを身につけることで、結果を出せるようになりました。
世界的な経営大学院インシアードで教授を務めるフェリペ・サントスは、企業がどのように事業の境界を決定しているかを研究し、その境界によって事業機会に気づくかどうかが決まることをあきらかにしました。
個人も、企業も自分たちの世界の境界を決めていて、その境界からはみ出たものはチャンスだと捉えられません。視点を変えることで、そこから抜け出すことができるようになります。今までいた世界から飛び出すこと、コンフォートゾンから抜け出すことを意識することが、新たな発見につながります。
グーグルが自分たちの事業をオンライン検索だけに限定していたら、自動運転車を開発することはなかったし、アマゾンが書籍販売しか考えていなければ、インターネット・サービス事業を立ち上げることはなかったでしょう。 フェイスブックが純粋なソーシャル・ネットワーク事業に限定していれば、仮想現実の世界には入らなかったでしょう。
境界だと思っているものは自分で決めたものに過ぎず、自分で想像できることに限られます。この限界を超えるために、想像力を使い、壮大なビジョンを描くようにするのです。
たいていの人は自分が生きている舞台に疑問をもちませんし、自分の影響力が広がることが心地いいとも感じません。しかし、何かがきっかけになり、自分を変えることができます。それはほんの一瞬の出来事かもしれません。何気ない会話や一冊の本、一本の映画、あるいはたった一枚の写真が、自分の未来像をがらりと変えてしまうことがありえるのです。
11年前まで私はアルコールに自分の生活を支配されていました。断酒後しばらく悩んでいた頃に出会ったコーチの一言、「徳本さんならできるよ!」が私の人生を変えるきっかけになりました。コーチに伴走してもらいながら、自分のやりたいことを棚卸し、行動を始めることで、目標だった著者になることができたのです。
その後、自分の力で人生を切り開けるようになり、今は社外取締役として、ベンチャーやスタートアップ企業のサポートをさせていただいています。このように何気ない一言が人生を変えるきっかけになります。目の前のチャンスを見つけられるよう、今ここに集中しましょう!
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