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HAPPY STRESS (ハッピーストレス) ストレスがあなたの脳を進化させる
著者:青砥瑞人
出版社:SBクリエイティブ
本書の要約
ブライストレスの力を借りれば、私たちの成長を促したり、幸せを見出しやすくなります。未来をよりよくするためには、ネガティブに物事を捉えるのではなく、ポジティブな面を見つけ、そこにフォーカスすべきです。幸せになりたければ、まずは、自分の意識を変えることからスタートしましょう。
ストレスを減らしたければ、内面との対話の時間を増やそう!
「外側」の情報を浴びるだけで、感じることも思考もしない状態でいると、それはまさに「外側」の刺激物に、あなたの世界が独占されるということになるのです。「内側」に注意を向けずに「外側」の刺激をただ浴びている状態は、あなたの成長を止め、幸せを奪う可能性も秘めています。なぜなら、私たちの学びは自分の「内側」に蓄えられるからです。そして、自分の「内側」に情報を蓄えるためには、自分の「内側」に注意を向けなければならないのです。(青砥瑞人)
21世紀になり、環境が激変しています。VUCAの時代に生きる私たちは将来を見通せず、日々不安な気持ちを増幅させています。デジタルギアの普及で、外部から大量の情報を浴びることで、私たちは外側にばかり注意を向けがちで、自分との対話の時間が減っています。
しかし、人間は太古の昔から、内面との対話で自分の心を落ち着け、学びを深めてきました。内側に注意を向けないことはリスクとなり、私たちの心を病ませる原因の一つになっています。
応用神経科学者で株式会社DAncing Einsteinの代表の青砥瑞人氏は、幸せは私たちの内側から生まれてくると言います。
幸せはどこか「外側」の世界にあると、私たちは思い込みがちですが、幸せの反応は間違いなく、私たちの「内側」で起きています。そして、どんなに幸せな反応をしたとしても、そのことに気づくことができなければ、すなわち「内側」の自分の幸せ反応という情報に注意を向けることができなければ、幸せを感じることすらできません。
魅惑的で刺激的な「外側」の世界に囚われるのをやめ、自分自身との対話の時間を増やすことで、ストレスもコントロールできます。なぜなら、ストレスも、私たちの「内側」で繰り広げられているからです。
人間にはネガティブなものに反応しやすい「ネガティビティバイアス」という特性があります。何万年もかけて進化させてきたこのバイアスをすぐになくすことはできません。私たちはネガティビティバイアスを受け入れ、意識的にポジティブなサイドにも注意対象を傾けることで、幸せな時間を増やせます。
もし、あなたがネガティブなことに囚われているのなら、意識の力を借りて、自然の中にあるポジティブなことに気づくことから始めましょう。私は毎朝、近所の神社にお参りすることを習慣にしていますが、季節の移ろいを感じながら、深呼吸し、神様や自然、家族、仲間、取引先に感謝することで、ストレスを減らしています。この朝の習慣がストレスに弱っ方私を強い存在に変えてくれました。
ブライトストレスを手に入れよう!
神経科学の大事な原則の1つであり、有名な言葉に、「Use it or Lose it」という言葉があります。正確に訳すと、脳を構成する神経細胞と神経細胞の結び目であるシナプスという構造体は、その対象の神経細胞たちが使われれば結びつき、そうでなければ、そのままなのではなく、「Lose」すなわち「失われる」ということです。
幸せになるためには、本質的にはお金も地位も名誉もいらないと著者は言います。ただ、自分の「内側」の幸せの反応に気づき、その情報を脳に書き込んでいけばよいのです。幸せなことにフォーカスし、その対象を脳の中にため込んでいくことで、脳の神経細胞の構造を変えられます。
幸せを感じ、その幸せを味わうことで、脳に幸せの記憶を蓄積させていく、これが「Well-being(ウェルビーイング)」だと著者は考えています。Well-beingのためには、ポジティブな反応をしている自分に気づき、さらにそのことを頭で再度想起し、さらに味わうことで、脳への書き込み、記憶化を加速させるようにしましょう。脳にこの「Memory Trace(記憶痕跡)」を残すことで、私たちは幸せになれるのです。
世界の見え方をポジティブな情報に変えることで、扁桃体に刻まれる情報の喜びや楽しさが増え、「ご機嫌な扁桃体」になっていきます。ネガティブなことに反応するのをやめ、ポジティブなことにフォーカスし、そこに喜びを見出すことで、幸せな脳をつくれます。
ストレスには、ダークストレス(悪いストレス)とブライトストレス(良いストレス)いう2つのストレスがあります。ストレスを味方にし、ストレスを力に変えていき、成長、幸せを高めていくことも可能です。そのために、自分で自分のストレス反応と向き合い、寄り添うようにすべきです。私たちのパフォーマンスを高めてくれたり、成長を促してくれたり、させてくれたりするストレスをブライトストレスと著者は呼んでいます。
どんな情報に注意を向け、どう自分の脳や身体に反応させていくのかは、私たち一人ひとりのありよう、意識のもち方次第でいかようにも変えていけるのです。みなさんは、自分の脳に映し出される世界をどのように表現したいですか?そのプロデューサーは紛れもなくあなた自身なのです。世界は、自分の注意の向け方と、それに伴って脳に書き込まれる情報次第で変わるのです。
同じような環境にいても、ダークストレスによって苦しんでいる人もいれば、幸せを感じられる人もいます。何を対象にし、その情報をどう編集するかによって、結果を変えられます。先ほどの「Use it or Lose it」の法則を活用し、自分の意識をポジティブに変えてしまうのです。周りの人や自然からよい情報を見つけ、それを脳の記憶に残し、日々よい脳をつくるようにしましょう。
未来をよりよくするためには、ネガティブに物事を捉えるのではなく、置かれている環境からポジティブな面を見つけ、そこにフォーカスすべきです。ブライトストレスを手に入れるために、自分の意識を変えることからスタートしましょう。
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