L.デビッド・マルケのLEADER’S LANGUAGE 言葉遣いこそ最強の武器の書評


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LEADER’S LANGUAGE 言葉遣いこそ最強の武器
著者:L.デビッド・マルケ
出版社:東洋経済新報社

本書の要約

VUCAの時代に、長きにわたって生き残るためには、適応力が重要になります。 赤ワークと青ワークを交互に行うことで、結果を出せるようになります。この往来は、戦略を立てるレベル、業務を管理・運営するレベル、実務レベルのいずれにも適用でき、組織だけでなく、個人の学びを深めます。

組織を強くするために、赤ワークと青ワークを往来させよう!

始めるのは私からだ。結局のところ、リーダーシップは言葉から始まる。私が乗員たちとのコミュニケーションで使う言葉を変えると、彼らが私に話しかけてくるときの言葉や、乗員どうしが話すときの言葉も変わった。話すときに使う言葉が変わると、艦内の文化も変わった。文化が変わったことで、われわれが生み出す成果にも変化が現れた。使う言葉を変えたら、世界が変わったのだ。(L.デビッド・マルケ)

言葉を変えることで、組織やチームの暴走を食い止め、最強チームを作ることができるとL.デビッド・マルケは述べています。マルケは元アメリカ海軍大佐で、海軍内で最低の評価を受けていた「サンタフェ」をたった1年で最高評価の艦に生まれ変わらせることに成功します。退役後は、リーダーシップのコンサルタントとして活躍しています。

マルケは、次の3つのやり方で使う言葉を変えました。
●説得、強要、服従、同化といった、他者に何かを促す言葉ではなく、目的や行動を起こすという決意など、自発的に動くことを表す言葉を使うようにしました。
●「証明や実行」を意味する言葉に代わり、「改善や学習」を意味する言葉を使うようにしました。
●強さや確かさを表す言葉に代わり、弱さや好奇心を表す言葉を使うようにしました。

言葉を変えるとことで、メンバーが考えていることが明らかになり、思考が変わります。使う言葉は、権限の移譲や連携の度合いの尺度にも、それらを改善するツールにもなり、組織を強くします。

言葉とプレースタイルを変えることで、失敗やトラブルを防げるようになります。基本的に、行動と反省、実行と決断を行き来するアプローチをとります。  

仕事には2種類ある。ひとつは能動的に何かを生産する赤ワーク。赤ワークを行うときは、バリエーション(ばらつき)を減らし、証明の思考心理になることが有利に働く。そしてもうひとつの青ワークは、過去を振り返って他者とともに考えることを意味し、バリエーションを歓迎して改善の思考心理になることが有利に働く。

この2種類の仕事には、リーダーとして行うべきプレーが6つ伴います。
ワークから始めた場合、赤ワークから青ワークへの移行には次の2つのプレーを使います。
①時計を支配する(旧:時計に従う)
②区切りをつける(旧:続行する)  

青ワークを行うときは、次の2つのプレーを使います。
③ひとつの目標に向かって連携をとる(旧:強要する)
④その目標とは「改善する」ことである(旧:証明する)  

青ワークから赤ワークへの移行には、次のプレーを活用します。
⑤責任感を自覚する(旧:服従する)  

これら5つのプレーを支えるのが、垣根を越えてつながることです、(旧:同化する)  

この6つのプレーは、赤ワークと青ワークの律動的な往来のなかで行われます。思考と実行、バリエーションの歓迎と削減、改善と証明を行き来するなかに存在します。

仕事で行き詰まったと感じたときは、状況を読み解いて、自分がどちらを行っているか特定し、適切なプレーを実践します。 赤ワークと青ワークを交互に行うリズムを戦略に取り入れれば、戦略を学習としてとらえられるようになれるのです。

戦略に取り組むとはいえ、実務レベルでも、パフォーマンスと学習両方の目標を設定します。戦略が順調に進んでいるかどうかの指標となるものに会社が敏感になれば、全社的に自然と学習に意識が向くようになります。

赤ワークと青ワークの往来がイノベーションを起こす!

自分でコントロールしているという感覚は、自律や自由として受け止められるものだ。この感覚は、イノベーション、創造性、学習と正比例の関係にある。

組織におけるイノベーションを研究するハーバード・ビジネススクール教授のテレサ・アマビールは、創造性を阻害または増進する要素について、個人的な要素と組織文化的な要素の両方の面から調べました。 イノベーションをもたらすいちばんの組織文化的な要素は、「何をするか、もしくはどのように達成するかを決める自由があり、自分の仕事を自分の手でコントロールできていいる感覚」であると判明したのです。

問題解決や目標達成のやり方を決める自律性が社員にあることで、よい結果が生まれます。立場が上の人間の指示によって仕事に制約が生まれる人に、そうした自律性ありません。 何かを変える力がなければ、改善を生み出すモチベーションは削がれます。また、自由がなく、何をするのもどうやるのかもつねに指示される環境では、社員の創造的思考を試す機会も、強化する機会も生まれません。自律性なくして成長は見込めません。

アナと雪の女王のチームには、創造性のために、初期バージョンの作品を試写会の時に捨てることを決断します。最初の作品を作り替えると決め、何が正しいかのかを話し合い、改善のプレーをスタートします。メンバーが青ワークと赤ワークを往来することで、世界中に知られた物語を新たな切り口で捉え直し、作品を丁寧に作り替えていきます。結果、アナと雪の女王は空前の大ヒットを記録します。

疑問を投げかけられたり、別の視点を提示されたりすると、「優秀であろうとする自分」は自衛に走る。『アナと雪の女王』の制作チームが「優秀であろうとする自分」モードになっていたら、すでに制作した作品を守ろうとしただろう。 だが、人には「もっとよくなりたい」と思う自分もいる。「もっとよくなりたい自分」は学習と成長を求める。新たな自分を探そうとするのだ。チャレンジ精神が旺盛で、他者のものの見方や考え方に興味津々で、学習や改善を公然と求める。

他者から評価される優秀な自分ではなく、もっとよくなりたい自分を目指すことで、学習と成長のきっかけになります。

よりよいアイデアが生まれたら、赤ワークを中断してみなで連携し、既存の戦略的な決断に対して新たな情報がどんな意味をもたらすかを話し合いましょう。恐れのない組織がコミュニケーションを円滑にし、赤ワークと青ワークの往来をよくし、やがてイノベーションを起こしてくれます。

VUCAの時代に、長きにわたって生き残るためには、適応力が重要になります。 赤ワークと青ワークを交互に行うことで、結果を出せるようになります。この往来は、戦略を立てるレベル、業務を管理・運営するレベル、実務レベルのいずれにも適用でき、組織だけでなく、個人の学びを深めます。

思考と行動の往来を繰り返し、自分をよりよくすると決め、改善を繰り返すうちに、多くの学びを得ることができます。人生を素晴らしいものに変えたければ、赤ワークと青ワークを上手に往来するのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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