個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法
志村暢彦
ダイヤモンド社
本書の要約
人生100年時代には、老後の時間が長くなり、その資金を用意する必要があります。年金システムが改悪される中、国に頼るだけではなく、自分の力でお金を貯めなければなりません。複利の力を最大限に活用し、長期分散投資(グローバル投資)で人生後半戦に備えましょう。
なぜ、グローバル投資が必要なのか?
〝スマートインベスター〟(賢い投資家)になることが、資産を確実に増やすためには不可欠なのです。 グローバル投資を実践している伸び盛りの富裕層は、まさにスマートインベスターといえる人が多いです。富裕層に限らず、個人投資家も勝率を高めて資産を積み上げるには、スマートインベスターを志しましょう。(志村暢彦)
金利が上がると株価が下がるという法則が当てはまり、世界中の株価が下落しています。しかし、そんな中でもしっかり結果を出している投資家がいます。彼らは景気後退やインフレ、米国株・日本株の下落にも負けない投資(グローバル投資)を実践しています。そろそろアメリカ株投資一辺倒から、グローバル投資にシフトすべきだと著者は指摘します。
特にインフレと円安に苦しむ日本人投資家こそ、アメリカ株だけでなく、欧州やインド、南米に拠点を置く優良なグローバル銘柄への投資を選択肢に入れるべきです。
グローバル投資を検討すべき理由
①米国株の暴落リスク。米国株への加熱を経過する投資家がグローバル株へシフト。
②アメリカFRBの金融引き締め。
③株式市場での日本株への評価の低下。(もはや日本株は新興国株)
④円建てではなく、ドル建ての資産を持つ。(円安による資産目減りへの対策)
実際、富裕層では国際分散「グローバル投資」が加速していると言います。そのメソッドを真似ることで、「100万円が2億4000万円になるのも夢ではない」と著者は指摘します。複利の力を最大限に活用し、効率的に資産運用することで、結果を出せるようになります。
■グローバル投資 7つのルール
・ルール1 長期視線をもつ。
複利の力を活用する。
・ルール2 投資を分散。
25銘柄への分散投資、セクター、テーマ、タイミングの分散。
・ルール3 ピラミッド型で資産を積み上げる。
リスクとリターンのバランスが異なるポートフォリを積み上げる=保守的な投資5+積極的な投資3+超積極的な投資2。5:3:2の比率で運用する。
・ルール4 投資家の共通言語を理解する。
「割引キャッシュフロー(DCF)法」を基本に投資する。
・ルール5 理論を知って学術的な裏付けを押さえる。
現代ポートフォリオ理論、 ブラック・ショールズ・モデル、ファーマ・フレンチ・3ファクター・モデル。
・ルール6 「天」「地」「人」と3つの視点で考える。
天=マクロでは世界経済動向、米国の金利・物価・雇用に注目 地ミクロではPERとEPSで個別の「銘柄分析」、人=投資家による投資家の実践。
・ルール7 投資手法を「高度化」する。
自らの投資手法をアップグレードする。オプション取引、トレーリングストップとDRIP、SPAC投資。
スマートインベスターになり、人生100年時代に備える!
株式投資は、リスクとリターンのバランスを絶妙にとりながら、勝率をいかに上げられるかを競うゲーム的な色合いもあります。ゲームでは、誰しも自分なりの戦略と戦術があります。株式投資でも、自分らしい戦略と戦術を集約した「勝利の方程式」が大事なのです。思いつきで投資をしたり、誰かが推奨している銘柄を自分なりの検証を踏まえず買ったりしていると、株式投資を何年続けていても「勝利の方程式」が一向に定まらず、投資家としての成長につながりにくいです。
ビジネスと同じように仮説を立てて検証するトライアル&エラー(試行錯誤)を続けていると、銘柄の選定がうまくなり、自分らしい投資法を確立できます。スマートインベスター(賢い投資家)になることで、自分の資産を増やせるようになります。
人生100年時代には、老後の時間が長くなり、その資金を用意する必要があります。年金システムが改悪される中、国に頼るだけではなく、自分の力でお金を貯めなければなりません。複利の力を最大限に活用し、長期分散投資(グローバル投資)で人生後半戦に備えましょう。
余裕資金を使って、ステージごとに投資スタイルを組み合わせるとよいと著者は述べています。
●ステージ1 余裕資金100万円未満・・・保守的な投資のみ
●ステージ2 余裕資金100万円以上500万円未満・・・保守的な投資+積極的な投資
●ステージ3 余裕資金500万円以上・・・保守的な投資+積極的な投資+超積極的な投資
「週1回自分のポートフォリオに向き合うこと」「1日1回株式投資と向き合う時間をつくる」「ポートフォリオには中国株を組み入れない」 「株式以外の投資でETFを活用してみる」などのアドバイスが書かれていますが、私も一昨年からこの考え方で運用しています。グローバル投資の個別株のおすすめの10銘柄も紹介されていますが、ネタバレは申し訳ないので、興味がある人は本書で確認ください。
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