家庭にもCFOが必要な理由。その後のとなりの億万長者の書評

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その後のとなりの億万長者
トーマス・J・スタンリー ,サラ・スタンリー・ファラー
パンローリング株式会社

本書の要約

億万長者になるためには、規律が欠かせません。自らの生活をダウンサイジングし、浮いたお金で投資を行い、早期の資産形成を目指すべきです。そのためには、家庭の中にもCFOを置き、ライフプランのもと、収入と支出のバランスをコントロールする必要があります。

浪費をしないために支出をする際に気をつけるポイント

ダウンサイズをして投資を行うことで富を築こうとする人たちはプライドが高まり、新たな自信を獲得することになる。すべては自らの人生をコントロールし、消費や過度なクレジットカードの利用に振り回されないためなのだ。(トーマス・J・スタンリー,サラ・スタンリー・ファラー)

トーマス・J・スタンリー博士とサラ・スタンリー・ファラー博士のその後のとなりの億万長者書評を続けます。私たちは大企業のマーケティングに翻弄され、必要以上に買い物をしてしまい、その結果、お金を浪費しています。一方、規律ある支出を心がける億万長者は、企業の策略に負けることなく、貯蓄に励んでいます。

彼らはローンを組んだりクレジットカードを利用するのではなく、自分の生活レベルに合わせた消費を行うことで、資産を形成しています。私たちはこの億万長者の思考と行動を真似、自らの購買行動を変えるべきです。

新車に乗ることで、経済的に成功している人々の行動を真似していると考えているアメリカ人は多いと著者は指摘しますが、実際の調査結果を見るとその選択が間違っていることに気づけます。最新年度モデルの自動車に乗っている億万長者はたったの16%にすぎず、多くの億万長者は中古の自動車を購入しています。金持ちになりたければ、新車に使うはずだったお金を中古車に使い、残った資金を投資に振り向けることが正しい選択なのです。

流行を無視すること、大衆や世の中に影響されないこと、そして身の丈に合った暮らしをすることが、収入を富へと転換することが上手な人々の特徴である。このようなライフスタイルの結果として、彼らはより大きな自由と安全性をもって仕事を変え、自らの事業を起こし、チャンスをつかむことができるのだ。

となりの億万長者は、浪費する代わりに一貫して規律ある消費行動を実践しています。彼らは自分をしっかりとコントロールし、稼いだお金を貯蓄と投資に振り分けているのです。

家庭にもCFOが必要な理由

収入の多寡にかかわらず、それを富へと転換する能力は貯蓄と自らの収入管理を効率的に行うことを含めた規律と多大な努力によっている。これには日常的なこと(つまり、家計や支払い)も、より複雑なこと(税務申告や投資分析など)も含まれる。

企業にCFOがいるように、家庭にもCFOが必要です。世帯における経済的成功のためには、稼ぐだけでなく支出をコントロールすることが重要になります。

世帯の財務管理について、著者たちは以下のアドバイスを行なっています。
①全般
・行動の方針を決める前に、その行動がもたらす結果を検討する
・世帯の予算、計画、長期的な目標に基づいて経済的な判断を下す
・無借金になることに焦点を当てて、経済管理に励む

②支出
・身の丈(収入や純資産)に合った暮らしをする
・世帯の総収入以上にお金を使わない

③予算組み
・緊急時に備えた貯金をする
・任意の買い物(娯楽系)の予算を組む前に、必需品(食糧など)に十分な資金を割り当てる
・予算立ての準備をするときに必須の日用品(つまり、衣食住)を把握する
・目標に影響を与える人生の大きな変化(転職、出産、引っ越し)が起こる際には予算と経済目標とを分析する

④事務仕事
・延滞金や延滞利息が発生しないように期限内に支払いを行う
・期限内に税務申告書を準備、提出する
・延滞利息が発生しないように期限内にクレジットカードの支払いを済ませる
・クレジットカードの支払いを翌月以降に持ち越さない
・予定外または想定外の買い物については、あらかじめ配偶者や重要な人と議論する
・世帯の経済問題に取り組むときは配偶者や重要な人と一緒に考える

⑤投資
・投資の本質とそのリスク・リターン特性を理解する
・自分の家庭の投資ポートフォリオにふさわしいリスク水準を理解する

世帯における経済的成功や失敗の責任を負うことは経済的成功に通じる。言い換えれば、経済管理を自ら影響を与えるもの、また責任を負うべきものと考えている人は、経済的成功にはその他の要因(政府や金融市場など)が大きな役割を果たしていると考える人々よりも、多くの純資産を有している傾向にある。

となりの億万長者は規律や誠実さを重視ますが、これが純資産に良い影響をもたらします。また、経済計画という行動と、集中し、惑わされない能力も純資産にポジティブな影響を与えることがわかっています。

経済的な判断に自信を持つこと、そして自らの経済的成功に責任を負うことも、年齢や収入の水準にかかわらず純資産に関係します。貯蓄率を少しづつ増大させ、事前に計画したことを充実に守ることで、資産を増やせます。この繰り返しが、経済問題に対する自信につながるのです。

教育や老後次資金を賄うためには、計画とそれに付随する質素なライフスタイルが欠かせません。家族の経済的目標を明らかにし、貯蓄と支出のバランスをとりましょう。

その際、以下のことに意識を向けるべきです。
・経済的目標がライフスタイルに振り回されないようにしなければならない。
・消費財については「これで十分」という発想を持つべきである
・現在の経済状態にかかわらず、常に考え抜いた計画を持つべき
・別のお金の使い方を進んで学ぼうとすべきである。
・欲しいものと必要なものについては忌悼なく議論をすべきである

蓄財とはマラソンだと捉えましょう。 典型的な億万長者は、5万9800時間《中央値》働いて初めて、7桁の純資産を手にしているといいます。資金作りの基本は長期分散投資で、時間がかかるものです。

経済管理においても同じ発想を持ちましょう。規律ある行動、誠実さが長期にわたり富を築き、維持していくうえでとても重要なことなのです。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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