ダ・ヴィンチ転脳テクニック―左右脳のスイッチングで“全脳思考”になれる!
児玉光雄
ディスカヴァー・トゥエンティワン
本書の要約
ダ・ヴィンチやアインシュタインの天才たちは両手を使い、右脳と左脳を活性化させていました。自分の利き手、利き目、利き足、利き耳とは反対の機能を使うことで、脳を活性化できます。両手の指先を使うことを日々の習慣に取り入れることで、脳をよりよくできるのです。
脳を活性化する「転脳トレーニング」とは何か?
天才にはある一つの共通点があります。それは彼らの多くが両手利きであったということです。(児玉光雄)
天才と名高いレオナルド・ダ・ヴィンチやアインシュタインは“全脳思考”によって、能力を最大化し、イノベーションを起こしていたと臨床スポーツ心理学者の児玉光雄氏は指摘します。彼らは右脳と左脳のバランスをとり、脳全体を活性化させていたのです。
脳科学者のアルバート・ガラバーダ博士は、アルバート・アインシュタインは両手をバランス良く使い、脳半球間のコミュニケーションを活発に行なうことができたと述べています。彼は両脳を使い倒すことで、偉大な業績を残しました。
アインシュタインがは右脳の特権である視覚的イメージを異常なほど働かせていました。右脳で宇宙のイメージを広げながら、左脳を駆使して粘り強く思考を重ねることで、相対性理論を発見できたのです。
右脳と左脳の交信を頻繁にさせながら両者を連動させて作業することにより、はじめて脳の持っている潜在力が発揮されます。しかし、多くの人は片方の大脳半球に偏った作業をさせているので、自分に備わった能力を発揮できずにいます。それを解決する手法が「転脳トレーニング」なのです。
転脳トレーニング・・・左脳、右脳をそれぞれ単独で長時間持続させて使うのではなく、脳梁を介して頻繁にスイッチさせて使うことで、左脳と右脳の交信が活発になるというメリットが生まれます。それを習慣化することで、脳全体が活性化します。
アインシュタインやレオナルド・ダ・ヴィンチが行なっていたような両脳使いの習慣を身につけることで、自分のパフォーマンスをアップすることができます。脳のつがなりを強化することで、アイデアが生まれやすくなり、ビジネスによい影響を及ぼします。
両手を使うことを習慣化しよう!
少なくとも脳の活性化を促進したければ、強い片手利きのままで人生を終えるのではなく、日常生活のなかで両手使いの習慣を身につけること。左脳は理屈の脳であり、右脳は常識を破る脳です。つまり左脳人間は思い込んだらそのことを信じる頑固者の傾向があり、いっぽう右脳は断片的かつ辻褄の合わないことに無頓着という、両極端の性質を持っています。つまり片手利きの人間はどちらかの極端に走る傾向があるのですが、両手利きの人はバランス良く思考できる両脳使い特有の能力を発揮できる可能性を秘めているのです。
利き脳領域の活性度はそのまま維持しながら、非利き脳領域を活性化することにより、脳のパフォーマンスを高められ、ビジネスもうまくいくようになります。
ダ・ヴィンチは「理解するための最良の手段は、自然という無限の作品をたっぷり 観賞することだ」と語っています。 現代人は大量の情報に飲み込まれ、自然と対話する時間を持てなくなっています。これが私たちの右脳機能を低下させています。
右脳を活性化させるためには、ダ・ヴィンチのように五感をフルに動員し、自然を観察することにもっと時間を使うべきです。 ダ・ヴィンチの伝記記者、セルジュ・ブラムリーは、レオナルドは注意深く見る能力を訓練して、感覚を発達させたと指摘します。
ダ・ヴィンチは、元来左利きだったのですが、両手利きになるように自分を訓練しました。「最後の晩餐」という名作は両手と五感を駆使することで生まれてきたのです。
視覚を鍛えれば、右脳が鍛えられます。その結果、右脳のイメージ能力が高まり、速読能力が飛躍的に高まったり、創造力が増進します。
聴覚を鍛えれば、ヒアリングが向上するだけでなく、頭の回転が速くなります。同時に、理解力や分析能力も向上します。
触覚を鍛えれば、スポーツの上達が加速します。指先の感覚が進化して脳のほかの領域に強烈な刺激を与えることも期待できるのです。
自分の利き手、利き目、利き足、利き耳とは反対の機能を使うことで、脳を活性化できるのです。特に両手の指先を使うこと(両手で絵を書く、楽器を弾く)を日々の習慣に取り入れることで、脳をよりよくできるのです。
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