ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために(ドリー・クラーク)の書評

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ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために
ドリー・クラーク
ディスカヴァー・トゥエンティワン

本書の要約

未来の理想の自分からバックキャスティングし、努力を長期的に続けていれば、時間が味方になってくれます。やがて努力が実を結び、指数関数的な成長を経験することができるようになります。自己投資を続け、周りの人を巻き込む「積極的な忍耐力」によって、結果を出せるようになります。

ロングゲームが重要な理由

「長期の思考」があれば、危機のときに助けになる。 「長期の思考」は、最も大切な目標に向けて歩む力になる。(ドリー・クラーク)

「Thinkers 50」に2年連続で選ばれた新進気鋭の起業家のドリー・クラークは、長期思考を身につけることで成功を手に入れられると指摘します。未来の理想の自分からバックキャスティングし、プランを練り、行動を続けることで勝利を得られます。

アマゾンのジェフ・ベゾスは7年先から事業を考え、行動を起こすことで、競争優位性を発揮しています。他社が3年程度の中期思考でビジネスを行う中で、アマゾンは長期思考で経営を行うことで、イノベーションを起こし続け、顧客体験を高めていたのです。

意味のある人生を送るには、まず自分にとっての意味のある人生とは何かということを、きちんと理解しなければなりません。理想の自分を描き、それを人生の中でどう実現するかを考えるのです。きちんと計画を立て、忍耐強く、着実に前に進んでいけば、自分の理想の姿を実現できるようになります。

目先の利益の誘惑に負けず、不確実ではあるが、価値のある将来の目標に向かって努力を続ける──これが、「ロングゲームをプレイする」ということだ。 もちろん簡単なことではない。しかし、簡単なこと、すぐに結果が出ることばかりを求めるこの薄っぺらな世界で、意義深く、長続きする成功を手に入れたいのなら、これが最も確実な道だ。

どんなに小さな行動でも、たしかな戦略をもって毎日続けていれば、たいていのものは手に入ると著者は指摘します。私はこの書評ブログを13年間毎日書き続けていますが、この積み重ねによって本を出版することができました。サラリーマンをやめ、社外取締役やアドバイザー、大学の客員教授になれたのも、日々の情報発信を継続したおかげなのです。

著者はロングゲームの重要な3つの要素を明らかにしています。
・余白
・集中
・信念

ロングゲームの3つのステップ

①余白

すべてのことに「イエス」と言うのは、すべてに凡庸であるということだ。逆に「ノー」と言うことができれば、偉大な存在になれる貴重なチャンスが手に入る。何かを達成したいのであれば、自分にできることを自分自身で選択しなければならない。

多くの人は本当にやるべきことに時間を使えずにいます。忙しいを言い訳にし、夢の実現を諦めているのです。戦略的思考を磨く最初のステップは、重要でないものを排除し、頭の中に空白をつくることです。

優先順位をつくるためには、タスクを整理することです。「もしこの話を断ったら、今から1年後に私は後悔するだろうか?」と自問する必要があります。

長期の思考を身につけたいなら、取捨選択のスキルを磨くことが大切です。未来の理想の自分からバックキャスティングして、自分のリソースを適切に配分するようにしましょう。

②集中

ロングゲームの大前提は、「現状の犠牲者にならない」ということだ。今の時点での現実が、この先も永遠に続くわけではない。好奇心を刺激されることや、もっと学んでみたい分野があっても、今すぐ仕事を辞め、それに没頭することはできないかもしれない。しかし、時間をかけて、小さな戦略的ステップを積み重ねることならできる。そうすれば、ほぼすべてのことが可能になる。

不確実な未来に向けて準備をすることは勇気がいりますが、理想の自分を実現するためには、長い時間をかけて努力を積み重ねていくことが欠かせません。チャンスが訪れたときに、その努力が報われます。

そのために自己投資を行うことが欠かせません。Googleの20%ルールを活用し、新しい分野に挑戦するようにします。この20%ルールを「10年単位」で活用できれば、最終的に目標を変えることになっても、それまでの努力が複利効果でかなり大きくなります。

その複利効果で得たものが、未来の選択肢をさらに増やしてくれるのです。私はこのブログを書くために、さまざまなビジネス書を読んでいますが、これが私のアドバイザーとしての仕事に役立っています。20%の時間を読書とアウトプットに使うことで、私は自分の人生の可能性を広げることができたのです。

自分の時間を賢く配分するために、「波で考える」とよいと著者は言います。自分の分野で一目置かれる存在を目指すには、キャリアを「学ぶ」「創造する」「つながる」「収穫する」という4つの大きな波に区切って考えます。

■学ぶ────目指す分野について学んで知識を身につける。
■創造する──自分のアイデアを創造して世の中に伝える。
■つながる──同じ分野の人たちと積極的につながる。彼らから学び、自分もコミュニティの一員として貢献する。正しい人とつながれば、サポートしてもらえる。自分の声をもっとたくさんの人に届けられたりする。
■収穫する──自分の分野である程度の地位を築いたら、努力の成果をゆっくり楽しむ。収穫には賞味期限がある。期限がきたら、また新しいことに挑戦し、新しい何かを創造しなければならない。

③信念

ロングゲームをプレイするとは、その不安の時期を乗り越える粘り強さをもつということだ。

私たちは戦略的忍耐を身につけることで、ハードシングスを乗り越えられるようになります。必要な努力を理解し、その努力を続けることで、自分の力で運を引き寄せていくのです。

努力を長期的に続けていれば、時間が味方になってくれます。やがて努力が実を結び、指数関数的な成長を経験することができるようになります。自己投資を続け、周りの人を巻き込む「積極的な忍耐力」によって、結果を出せるようになります。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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