思考の質を高める 構造を読み解く力
河村有希絵
ディスカヴァー・トゥエンティワン
本書の要約
ビジネススキルが高く、仕事が出来る人の共通点は「構造」を読み解く力です。「構造読解」 のスキルを学べば、思考の質が高まりますが、これは国語を学ぶこと同義だと著者は指摘します。論理を読み解き、人の心情を読み解き、思考を構造化し、アウトプットすることで、ビシネスがうまくいくようになります。
構造理解を鍛えれば、思考力はアップする!
結局、ビジネスは情報を理解し、分析し、解釈し、伝えて、他者とともに行動することの繰り返しで前に進んでいきます。目から入ってくる情報にせよ、耳から入ってくる情報にせよ、それを理解するには文字通り「読み解く力」が必要なのです。そして伝える段になれば、内容をできるだけ相手にとって「読み解きやすい」かたちで伝えなければ伝わりません。ともに行動することができなくなってしまいます。(河村有希絵)
著者の河村有希絵氏は、東大・MBA・コンサルで通用する思考技術を小学校の国語の授業で学んだと言います。文章を「構造」と言う観点で分析し、ストーリーにすることで、話が相手に伝わるようになります。構造学習とは国語を学ぶことと同義だと著者は指摘します。
構造学習👉書かれていることの背景にある、著者・筆者の意図を自分なりに構造的に紐解く思考の訓練
私たちは論理的思考力、人物の心を読む思考力を総合して文章やプレゼンを組み立てることで、コミュニケーションスキルをアップできます。「ともに生きる力」を培う国語を学ぶことで、構造読解力を鍛えられ、ビジネスで結果を出せるようになるのです。
構造読解力は次の3つの構成で成り立っています。
1、論説的文章を読んで、論理を読み解く
説明や論説を中心に、他者が書いたものからその論理を読み解き、自分の思考へとつなげていきます。単に情報や知識を得るにとどまらず、なぜそうなのか、をとらえることが読解であり、それが書き手と読み手の対話になります。文章の構造を理解することで、筆者の意図を読み解けるけるようになります。
2、物語、情緒的文章を読んで、人の心情を読み解く
世の中には、様々な立場があり、いろいろなものの考え方や感じ方があります。本当に他者の立場に立とうとするなら、可能な限りその背景や経験を知り、推し量り、共感する必要があることを知るべきです。ビジネス書ばかりでなく、小説を読み、多様な登場人物になりきることで、人の気持を慮れるようになります。
3、思考を組み立てて、解釈する/アウトプットする
構造を読み取ることができれば、自分で構造を組み立てられるようになります。構造の読み解きができるようになると、わかりやすく人に伝えられるようになります。アウトプットの質も高まります。
構造力によって、ビジネスで結果を出せる理由
書く、話す、言語化するということは、人との共有が可能になるという利点もありますし、自身の思考を確認し、定着させる意味合いもあります。
読み手が何を求めていて、そこに当てはまることをどうわかりやすい構造で伝えることで、相手とのコミュニケーションがうまくいくようになります。
「多くの情報の中から、自分にとって、相手にとって、重要な情報を抽出し、その関係性を認識し、納得がいくように証拠を紐づけて提示するという行為が構造化だと著者は定義します。
私は毎日、大量のビジネス書や小説を読み、この書評ブログを習慣化しています。自分のブログの読者(経営者やコンサルタント、ビジネスパーソン)のために、インプットとアウトプットを続けるうちに、構造化のスキルを高めることができました。
本を読み、著者との対話を重ね、それを毎日文章にまとめることで構造力が鍛えられ、思考する力を養えたのです。また、書評ブログを継続することで、著者、編集者、経営者との新たな出会いが生まれ、人的ネットワークも強化できました。
論説文の読解で論理的思考力を鍛え、物語文の読解で人物の心を読む思考力を鍛え、 自分がアウトプットするときは、それらを総合して文章やプレゼンを組み立てることが、 「構造を読み解く」ということなのです。
先程も書きましたが、小説や歴史、伝記などを読むことで、様々な体験から多様な視点を得られます。本を読み、それを構造化することで、相手に理解してもらえるようになります。ビジネスで結果を出したければ、構造読解力を身につけるべきです。
自分の発信した事実や思いを構造化し、どんどんアウトプットすることで、コミュニケーション力をアップするだけでなく、人的ネットワークも強化できます。ビジネスで結果を出す人は、コミュニケーション力を武器にしながら、人的ネットワークも同時に強化しているのです。
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