バリューのことだけ考えろ トップ1%コンサルタントの圧倒的な付加価値を出す思考法
松永 エリック・匡史
SBクリエイティブ
バリューのことだけ考えろ(松永 エリック・匡史)の要約
バリュー創造とは、単に効率を上げたりコストを下げたりするだけでなく、顧客や市場に独自の価値を提供することです。バリューに徹底的にフォーカスすることで、ビジネスの成果が向上し、競争力が高まります。ビジネスパーソンにとって、自分らしい「価値」を生み出すことが最も重要なことなのです。
バリューがコンサルタントにとって重要な理由
バリューのことだけを考えて働く。 これだけで、あなたはこの先何十年でも、好きなところで、誰とでも働けるようになる。漠然とした不安にさいなまれることもなく、前進を続けることができるだろう。(松永 エリック・匡史)
豊富な経験を持つ戦略コンサルタントの松永エリック・匡史氏は、現代のビジネス世界において価値創造が最も重要だと述べています。ビジネスや経営の成功には常に価値提供が不可欠なのです。
バリュー創造は単なる業務効率化やコスト削減にとどまらず、顧客や市場に対して独自の価値を提供することができるようになります。 バリューの創出に焦点を当てることで、ビジネスパフォーマンスの向上や競争優位性が作れると著者は主張しています。ビジネスパーソンにとって、「バリュー」すなわち「価値」を創出すること=他者への貢献は、ビジネスだけでなく人生の根幹を成すものと言えるのです。
なぜなら、私たちが受け取る給料は、組織に提供した「付加価値」の対価に他ならないからです。 この考え方を深く理解することで、仕事に対する姿勢や取り組み方が大きく変わる可能性があります。単に与えられた業務をこなすだけでなく、常に「どのような価値を生み出せるか」を意識することで仕事に対する姿勢が変わります。
このアプローチは、企業が持続的な成長を遂げるための必要不可欠な要素であり、競争が激化する現代のビジネス環境では特に重要な考え方として位置づけられています。
ツールに頼り過ぎて自分の直感にアクセスできなくなるのだ。あくまでも私が感じる傾向に過ぎないが、経歴がピカピカな人ほどロジカルシンキングの罠にはまりやすい。 逆に言えば、直感や発想を磨けば、学歴のない人だってロジカル一辺倒の人々を打ち倒せる。
ビジネスの世界では、ロジカルシンキングやフレームワークの重要性が強調されがちですが、それらに頼りすぎることで、自分本来の直感や創造性を失ってしまう危険性があります。特に、華々しい経歴を持つ人ほど、ロジカルシンキングの罠に陥りやすい傾向があるようです。
しかし、この状況は逆に見れば、直感や独創的な発想力を磨くことで、必ずしも学歴や経歴に恵まれていない人でも、ロジカル一辺倒の人々を凌駕できる可能性を示唆しています。人間は一人一人が異なる個性を持ち、それぞれが独自の感覚や価値観を有しているはずです。この個性が時代や状況にマッチするかどうかは、運や縁によって左右されますが、そういった意味では、チャンスは誰にでも平等に開かれているとも言えるでしょう。
とはいえ、ロジカルシンキングを完全に無視してしまうのは得策ではありません。ある程度のロジックの理解は必要不可欠です。なぜなら、最終的な場面でロジックの力に圧倒されてしまう可能性があるからです。私も広告会社でフレームワークを習得したこと、デザイン思考を学んだことで、問題の真因を見つけられるようになりました。
ロジカルシンキングに知識と体験、直感を組み合わせることが重要であることは間違いありません。ロジックの基礎を押さえた上で、自分の直感に自信を持ち、それを信じることが重要になってきます。
個性を伸ばすことは、他者との差別化を図る上で非常に重要です。ただし、個性を伸ばすということは、単に他人と違うことを追求するのではなく、自分の中にある独自の感覚や価値観を磨き上げ、それを表現することを意味します。
長い人生を楽しむために必要なこと
ビジネスの世界では、直感と論理のバランスを取ることが非常に重要です。新しい製品やサービスの開発において、市場調査やデータ分析などのロジカルなアプローチは確かに不可欠ですが、それだけでは真にイノベーティブなアイデアを生み出すことは困難です。 ここで直感や創造性の役割が重要になってきます。
データや既存の知識だけでは捉えきれない潜在的なニーズや可能性を感じ取り、それを形にしていく力が必要なのです。直感は、時として論理では説明しきれない「何か」を掴み取る能力を持っています。この直感と論理的思考を組み合わせることで、既存の枠組みを超えた新しい価値を創造する可能性が大きく広がります。
また、ビジネスの成功には、自分の直感や論理的分析から生まれたアイデアを他者に伝え、共感を得ることも欠かせません。自分が感じている課題やニーズ、いわゆる「ペイン」を明確に認識し、それを効果的に他者に伝えることがビジネスの出発点となります。 この「ペイン」の共有は、単なる問題提起ではありません。
それは、潜在的な顧客や協力者、投資家などのステークホルダーとの間に共感的な繋がりを築く過程でもあります。自分の感じている課題が他者にも共有されていることを示すことで、ビジネスアイデアの価値や市場性を証明することができるのです。
さらに、この共感を得る過程は、自身のアイデアを洗練させる機会にもなります。積極的に発信し、他者からのフィードバックを通じて、自分では気づかなかった視点や改善点を見出すことができるようになります。これは、直感と論理の相互作用をさらに促進し、アイデアをより強固で実現可能なものへと発展させる助けとなります。
また、リーダーシップの面でも、この直感と論理のバランスは重要です。数字やデータに基づいた意思決定は確かに重要ですが、それだけでは組織を真に動かすことは難しいでしょう。人々の心を動かし、共感を得るためには、直感的な洞察力や感性も必要不可欠です。
さらに、急速に変化する現代のビジネス環境においては、過去のデータや既存のロジックだけでは対応しきれない状況も多々あります。AIに多様る場面が多くなる中、自分の直感や独自の視点を活かすことが競争優位性になるのです。自分ならではのバリューを意識し、クライアントに提案を続けましょう。
著者は失敗をポジティブにとらえ、長い人生を楽しむべきだと言います。
長い仕事人生、結果が出るときもあれば出ないときもある。仮に思うような結果が出なくとも、自分の足りない努力を反省し、改善して成長すればいい。 そう思えば一生を楽しく過ごせる気がしてこないだろうか。
失敗したり、うまくいかなったことが将来の財産になります。失敗のプロセスで学び、成長する機会があることを忘れてはいけません。
思うような成果が出なかった時こそ、内省の好機になります。何が足りなかったのか、どこを改善できるのかを冷静に分析することで、自分の足りなかったことに気付けます。この時間を持つことで、次のステップに向けた貴重な学びを得られ、自分をアップデートできます。
私自身も努力が実を結ばないように感じることはありますが、そこには必ず理由があります。多くの場合、真の原因を見抜けていなかったり、自分の考えにこだわりすぎて他人の意見に耳を傾けなかったり、適切でない方法で取り組んでいたりするのです。
しかし、これらの失敗から得た教訓は、将来の成功への貴重な土台となります。このように前向きに捉えることで、私たちは挫折を恐れることなく、新たな挑戦を続けることができるのです。人生は長い旅路です。一時的な躓きに一喜一憂せず、大局的な視点を持つことが重要です。日々の経験を糧に少しずつ成長していけば、いつか必ず実りの時が訪れます。
私自身の経験を例に挙げましょう。13年間、私は毎日欠かさず、この書評ブログを続けてきました。最初は反応も少なく、挫折しそうになったこともありました。しかし、継続することで徐々にチャンスをつかむことができるようになりました。
失敗した際には、課題を解決できそうな書籍を買い、著書との対話を重ねたり、過去のブログ記事を読み返したりしました。すると、思いがけず解決に向けたヒントが見つかることがあります。これは、インプットとアウトプットを最大化することの重要性を示しています。
また、ポジティブな姿勢で人生に向き合うことも大切です。困難に直面しても、それを学びの機会として捉えれば、仕事だけでなく人生全体をより楽しく、充実したものにできます。 成功への道のりは決して平坦ではありません。しかし、失敗を恐れず、そこから学び、成長し続ける姿勢があれば、必ず道は開けるはずです。日々の小さな努力が、やがて大きな成果となって実を結ぶのです。
失敗を恐れず、学びの機会として捉え、常に前を向いて歩んでいくことが、豊かな人生を送る秘訣なのかもしれません。 人それぞれに異なる人生の道のりがあります。自分のペースで着実に歩みを進め、日々の小さな進歩を喜びながら、長い人生を楽しんでいきましょう。
本書の主張は、ビジネスコンサルティングの領域にとどまらず、あらゆる業種や職種にも適用可能な普遍的な価値を持っています。経験豊富で数々の失敗を乗り越えてきた著者のアドバイスには説得力があります。
テクノロジーが進化し、AIが人間の仕事を奪い始める中で、企業や個人が成功するためには、常に自らの提供する価値を見直し、向上させていく必要があるという点を著者は強調しています。
新刊 最強Appleフレームワーク: ジョブズを失っても、成長し続ける 最高・堅実モデル!
コメント