行動する人に世界は優しい―自分の可能性を解き放つ言葉―
佐藤航陽
新潮社
行動する人に世界は優しい―自分の可能性を解き放つ言葉―(佐藤航陽)の要約
失敗を恐れて行動できない人にこそ読んでほしい一冊が、佐藤航陽氏の『行動する人に世界は優しい』です。本書は、「まず動くこと」が人生を変える最重要ポイントだと伝えます。夢や情熱を持つ人とつながり、自分をアップデートし続けることで、成長や幸運が自然と訪れる――そんな前向きな生き方を、著者の実体験と力強い言葉で教えてくれます。
行動する人に世界は優しい!
「考えてた」という人は無数にいるけど本当にやる人は1%もいない、という話は統計的にも事実なんだなと、あるデータを大量に見続けて思った。 逆に言えば、本当に動く人にはこの世界はけっこうやさしいということでもある。(佐藤航陽)
「頭ではわかっているのに、なぜか体が動かない」 「最高のアイデアが浮かんだのに、結局、考えているだけで終わってしまった」 多くの方が、そういった「思考はするけれど、行動に移せない」悩みを抱えているのではないでしょうか。実は、何を隠そう、かつての私もそうでした。
失敗を恐れ、完璧な準備を求め、結局は何一つ始められない。そんな負のループに囚われていた時期があります。 そんなかつての私のような人、そして今の読者の皆さんにぜひ読んでいただきたいのが、起業家・佐藤航陽氏の行動する人に世界は優しい―自分の可能性を解き放つ言葉―です。
本書は、佐藤氏が10年以上にわたりX(旧Twitter)に投稿してきた「自分自身を変えるための言葉」を厳選してまとめた一冊です。彼は、早稲田大学在学中にIT企業を設立し、東証マザーズ上場、年商200億円規模への成長を牽引した後、現在は宇宙開発を行う株式会社スペースデータを創業するなど、常に「行動」で成果を出してきた人物です。(佐藤航陽氏の関連記事)
著者が指摘しているのは、「考えていた」と言う人は多いが、実際に「やる人」は1%にも満たないという事実です。世の中には、実現が難しいとされることでも、実は「誰も本気でやろうとはしていない」だけで、全員が「誰かやってくれる」と考えてリスクを取らないからこそ、そこには大きなチャンスが眠っていると説いています。
そして、鍵はただ一つ、「やれば良いだけ」なのだと。 私自身、この本を読んで、「ああ、アルコールに依存していた18年前の自分に無理矢理にでも読ませたかった!」と強く思いました。
本書のメッセージはシンプルです。人生を切り拓く鍵は行動することだけであり、傍観者や批評家になっている暇はありません。何かを始めるのに根拠は必要なく、自分の気持ちに正直になり、早く動くことです。とりあえず動いてみて、違うと思ったら手を引くことも立派な行動だとして、読者の背中を力強く押してくれます。
絶対に不可能だと笑われる目標も、手を挙げて動き出せば情報はどんどん集まってきて、突破口が見えてくる。 先に目標を宣言することで自分が知り得ない情報や人脈にアクセスできるようになり、独りでは辿り着けない場所まで運ばれる。
著者が指摘するように、一見不可能だと笑われるような目標でも、自ら手を挙げて動き出すことで、不思議と必要な情報が集まってきます。夢を言葉にして宣言し、アンテナを立てれば、自然と応援してくれる仲間が現れるのです。
私自身も、書籍を出版しようと決めたとき、SNSで情報発信をしたり、周囲の著者に相談しました。出版ができている人に近づくことで、自分のマインドセットが変わり、いつの間にかできる人になっていたのです。周りの人々の思いがけないサポートが集まり、到底無理だと思っていた「著者になる」という夢を叶えることができました。
18年前の小さな一歩が、今の人生を大きく切り拓いてくれました。ベンチャー企業の取締役やアドバイザー、大学教授として活動できているのも、行動し続けたこと、そして周囲の人々の温かい支えのおかげだと強く感じています。
著者は新しいことを始める際に、次の3つのポイントを大切にしていると言います。 1つ目は「強い相手と競わなくていいか」。 2つ目は「儲からなくてもやりたいことか」。 3つ目は「長く続けられるかどうか」。
この3つ――競争・意義・継続性のいずれかが欠けていると、うまくいかないという考えには共感を覚えます。合理性だけを重視するのではなく、これらの要素を常に意識し、行動していくことを自分に課していきたいと思います。
運は人の縁が運んでくる!
「良い流れを掴むキッカケとなった出来事」を整理してみるのオススメ。良い流れは「未来を向いて動き回ってる人達」との縁から来てて、悪い流れは「過去を向いて止まってる人達」との縁から来てるのが可視化される。
「運は人の縁が運んでくる」。この言葉が示す通り、人生における運やチャンスというものは、自分一人で引き寄せるものではなく、人とのご縁が大きく影響します。夢や情熱を持ち、前向きに生きている人たちと時間を過ごすと、自然と自分の気分も高まり、新しいアイデアや良い流れを呼び込めるようになります。
逆に、惰性で生きていたり、現状に満足して変化を求めない人たちの中にいると、不思議と自分の調子まで停滞してしまう。これは私自身の経験からも実感できる、とても大切な気づきです。
実際、人生のほとんどは「誰と過ごすか」という選択で決まってくるといっても過言ではありません。仕事でもプライベートでも、どんな人たちと日々を共にするかで、その人の考え方や価値観、果ては運までもが大きく左右されます。価値観や目標を共有できる仲間が増え、前向きで熱意のある人たちとつながっていると、自然と自分自身もポジティブな方向へと引っ張られていきます。
著者が語るように、「動き回っていると運が良くなる」という実感は、私にも強くあります。特に断酒してからの18年間、積極的に人に会い、場所を変え、アクションを重ねてきたおかげで、自分の運気が着実に上がってきたことを実感しています。
動いて人と出会うことで、思いがけないチャンスやサポートが生まれ、「運」そのものも引き寄せられているのだと感じます。
そしてもう一つ大切なことは、「どんな人と距離を置くか」という視点です。「無理だね」「無駄だよ」と否定ばかりするような、いわゆるドリームキラーとは、可能な限り距離を取ること。そのおかげで自分のやりたいことに集中し、夢の実現に向けて前向きな気持ちで進み続けることができるようになったのです。
結局、どんな人たちとどのような時間を過ごすかが、人生の8割を決めると言っても過言ではありません。 自分の夢や情熱を大切にし、同じように高い志を持つ人たちとつながり、応援し合う――それが、自分の人生をより良い方向に進め、夢を実現させる最大の近道だと確信しています。だからこそ、ご縁を大切にしながら、これからも積極的に動き続けていこうと心に決めています。
人生を限界まで分解していくと「命≒時間」となり、時間の価値を認識してると日々の意思決定は全く別のものになる。人生80年の長期戦ってのは数字が作る錯覚で、主観的には前半にほぼ偏ってることを知ってる人はすぐに動き出すし、万全の準備などそこまで意味がないことに気づく。
時間は誰にとっても限られた資源であり、人生そのものは「命=時間」と捉えることで、毎日の選択や行動に対する意識は大きく変わります。私たちはよく「人生は80年ある」と無意識に考え、その長さに安心感を抱きがちですが、それは幻想にすぎません。
佐藤氏は「人生の時間は主観的には前半に集中していて、後半には想像以上のスピードで時が流れていく」と警鐘を鳴らします。「何かやりたいことがあるのなら、思い立ったその瞬間に動き出すべきだ」と、迷っている時間さえ惜しいと強調しています。
私自身も時間を貴重な資産と考え、投資を続けています。日々新しいことを学び続けることを最優先に時間を使うよう心がけています。本を通じてさまざまな知識を取り込み、勉強会やセミナーなどインプットの場にも積極的に身を置いています。
また、移動に時間をあえて使い、これまで出会ったことのない多様な人たちと交流することで、自分自身が常に変化し続ける状態を意識的に作っています。ただ現状を維持するのではなく、絶えず新しい刺激と成長を求める――それが私にとっての理想の生き方です。
さらに佐藤氏は、目標設定についても重要な気づきを与えてくれます。ただ達成しやすい目標を掲げるのではなく、「今の自分には難しそうだ」と思えるほどのチャレンジングな目標を設定することが、成長と変化を生み出す原動力になるとしています。楽な道を選んでも自己の成長は望めません。
少しストレッチし、努力しなければ到達できない高みを目指すことで、初めて本当の意味で自分を高められる――そこには、一見厳しくも、挑戦する人への温かい励ましが込められています。
自分より優秀な若手に学ぶ 停滞感を覚えたら自分より優秀な若手に頭を下げて学ぶと良い。勘違いしてた自己評価が修正され、世界が変わってるのを感じられる。「淘汰」と「変化」を実感できると躍動感が戻ってくる。
62歳になった今、私が大切にしているのは、20代・30代の優秀な人たちから学び続けることです。AIや新しいテクノロジー、マーケティングの最新情報は、彼らから直接吸収しています。同時に、自分の知識や経験も伝えることで、お互いに刺激し合いながら日々自分をアップデートしています。
そして、VUCAという変化の激しい時代だからこそ、自分自身を常にアップデートし続けることが欠かせないのです。立ち止まってしまえば、成長も新しい出会いも得ることはできません。
自分より優秀な人に会って、学びたいと思った時、自分が何かしらの価値を相手に提供できなければ、忙しい人ほど時間を割いてはくれません。面白い人ほど貴重な時間を持っているからこそ、会いたい人と本当に出会うためには、まず自分自身が相手にとって価値ある存在になることが重要です。一方的に得るだけの関係が続くことはほとんどありません。
「行動する人に世界は優しい」という本書のメッセージは、単なる精神論ではなく、実際に何度もリスクを取り、成功も失敗も経験してきた起業家である著者がたどり着いた実践的な戦略です。考えるだけで動き出せない方、変わりたいのに一歩踏み出せない方におすすめの一冊です。
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