進化するシン富裕層
大森健史
日刊現代
進化するシン富裕層 (大森健史)の要約
シン富裕層とは、親の資産に頼らず、ごく普通の家庭から数年で富を築いた新しい富裕層を指します。彼らは直感を信じて即行動し、楽しさや好奇心を原動力に自己投資を重ねます。身の丈思考から脱却し、支出を将来の収益につなげる戦略的な視点を持ちます。挑戦を恐れず、柔軟に変化を受け入れることで成長を続け、人生を自ら設計していく姿勢が特徴です。
シン富裕層とは何か?
親が裕福というわけではなく、「ごく普通の人」から数年で富裕層になったというタイプが、圧倒的に増えてきているのです。 これは2017年頃から顕著になった変化でした。そうした新しいタイプの富裕層を、私は「シン富裕層」と名づけました。(大森健史)
シン富裕層という言葉を、最近メディアやSNSで目にする機会が増えました。少し前までは、富裕層といえば一部の限られた人たちの話であり、どこか遠い世界のものと捉えられていました。しかし、時代の変化とともに、その構図は着実に崩れつつあります。
かつての富裕層は、親から莫大な資産を受け継いだり、大企業で何十年もかけて地位を築き上げた人々でした。彼らは長い時間をかけて信頼と資産を積み上げてきた、いわば“時間と背景に守られた”成功者たちです。
ところが今、富を築く人々の姿は大きく変わってきています。若くして成功を収め、しかもその多くが特別な家庭環境でも学歴でもなく、普通の家庭に生まれ育ちながら、短期間で一代にして富を築いた存在が登場してきました。この新しいタイプの富裕層を「シン富裕層」と呼びます。
彼らは、情報ビジネスや暗号資産、不動産投資、オンラインサロン、SNSを駆使したブランディングなどを通じて、インターネットネイティブならではの感性とスピード感で成功を手にしています。
彼 こうした新しい富裕層の実態を詳細に分析したのが、海外移住・海外投資コンサルタントである大森健史氏の進化するシン富裕層です。本書は単なる成功者の紹介にとどまらず、「なぜ彼らがそこを目指すのか」「何を基準に行動を決めているのか」といった思考の流れまでが描かれており、読み応えのある一冊となっています。
シン富裕層にはいくつかのタイプが存在します。たとえば、事業を立ち上げて成長させた「ビジネスオーナー型」、資産運用を通じて資本を増やす「資本投資型」、ネットやSNSを駆使して情報発信から収益を得る「ネット情報ビジネス型」、そして暗号資産の波に乗って短期間で資産を膨らませた「暗号資産ドリーム型」などが挙げられます。
共通するのは、いずれのタイプも受け取る側ではなく、創る側に回ったことです。自らの意思と行動によって富を生み出す構造を築いており、その原動力となっているのが「自己投資」への積極性です。
また、シン富裕層たちには、いくつかの明確な共通点があります。まず、行動が圧倒的に速いということ。チャンスを感じた瞬間に動ける人は、迷う人の何歩も先を行くことができます。彼らは完璧なプランを練るよりも、まず動いてから軌道修正する柔軟さを重視します。
そして、直感を信じる力を持っています。数字やデータに基づいた冷静な判断も大切にしながら、「面白そう」「やってみたい」と感じたら即行動に移す。この“直感を信じる勇気”が、シン富裕層の原動力になっているのです。
結論から言うと、シン富裕層には誰にでもなるチャンスがあります。親が貧乏でも、学歴やキャリアがなくても、マインドさえあれば。大切なのは「アソビゴコロを持ちながら諦めない」こと。
彼らは、年収が高くなればなるほど、それを惜しまず自分自身に再投資し、新しいビジネスやスキルの獲得に挑み続けます。自己資金を守るのではなく、動かすことによってさらに大きな成果を引き寄せる。そこには、「身の丈に合った生活を守る」という発想はありません。
むしろ、今の自分の延長で考えることこそが可能性を狭めるという認識があります。もしあなたがシン富裕層になりたいと願うなら、この「身の丈」思考から抜け出すことが出発点となります。
シン富裕層のマインドセットとは?
「ビジネスオーナー型」「ネット情報ビジネス型」のシン富裕層は、人付き合いや、体験などのいわゆる「コト消費」にはお金を惜しみません。
シン富裕層にとって、旅行やイベント、セミナー参加、異業種交流といった“コト消費”は、単なる娯楽ではありません。視野を広げ、思考を深め、次のビジネスアイデアを生むための貴重な「投資対象」として捉えられています。そのため、こうした体験にはお金を惜しまず、積極的に時間と資金を投じています。
数字だけを追いかけるのではなく、感性や直感を磨く場に価値を見出すという姿勢が、彼らの成功をより確かなものにしています。常に学び続け、変化を受け入れる柔軟性があるからこそ、新しい市場やトレンドを掴むスピードが速くなり、それが結果的に富へとつながっていくのです。
『「迷ったらやる」人がシン富裕層であり、「迷ったらやめる」人はごく普通の人たち、つまり凡人である』と著者は述べていますが、この違いは非常に本質的です。彼らの特徴は、面白そうなことがあれば誰にも相談せず、すぐに行動に移すことにあります。
「やってみてから考える」「やりながら修正する」というマインドセットが、ビジネスや投資の成功確率を高めています。 とくに起業をして会社を経営する段階では、「できる」「やれる」と自分自身を信じて、まず一歩を踏み出す力が非常に重要です。自信のある言葉を口にしながらビジネスの種をまき、経験を積み重ねていくうちに、現実もその言葉に追いついてきます。
10回失敗しても、11回目には成功する確率が高まるという発想を持てること。それこそが、シン富裕層として生き抜くための重要な資質です。私の周りの成功している起業家も子もマインドセットで絶えずチャレンジを続けています。
実際、ビジネスオーナー型のシン富裕層には、本当に優秀な人もいますが、どちらかといえば“少しポンコツ気味”だったり、空気を読まないタイプ(KY)の人も多いのが実情です。
しかし、それこそが逆説的な強さでもあります。完璧でなくても、空気を気にしすぎず、自分の直感や熱量を信じて行動できる人こそが、チャンスをものにできるのです。言い換えれば、「優秀である必要はない」ということ。これは、誰にとっても希望となる視点ではないでしょうか。
人生をロールプレイングゲームに見立てて考えることも、シン富裕層に共通する思考法のひとつです。ゲームの主人公は、最初は弱くても、少しずつ経験を積んでレベルアップしていき、最後には強大な敵に挑むからこそ面白くなります。もし倒すべき敵が存在せず、やることもなく、成長の必要がなければ、ゲームはつまらなくなってしまいます。
人生も同じです。困難や挑戦があるからこそ、成長と喜びが生まれます。 このゲーム的な視点を持つことで、困難な状況も「乗り越えることでレベルアップできるチャンス」と捉えられるようになります。
自分の人生を俯瞰し、「いまの選択が未来にどう影響するか」を冷静に見つめる“もう一人の自分”を持つことで、行動の質は格段に高まります。「逃げる」のではなく、「挑戦してみる」ことを選ぶ習慣が、結果的に人生をより豊かにしていくのです。 そして彼らが何よりも大切にしているのが、「好きなこと、興味のあることをやり過ぎるくらいにやる」というスタンスです。
苦手なことや嫌なことを無理に続けるのではなく、楽しさや好奇心を原動力に変えていく。この考え方が、シン富裕層の行動と成功を支える根本的な原動力になっています。
・事業家(経営者・自営業者)=リターンを見込んで支出 → 収益を確保
これは、単なる理想論ではなく、明確な経済行動として実践されています。事業家、すなわち経営者や自営業者の多くは、「リターンを見込んで支出する」という発想を持っています。支出は消費ではなく投資であり、未来の収益を生み出すための起点です。時間やお金をかける対象も、「稼ぐために必要な経験」や「価値を生む人間関係」に集中していくのが特徴です。
私自身も独立して以降、この事業家マインドを強く意識して自己投資を続けてきました。短期的な節約よりも、長期的な視点でのリターンを優先する。知識、人脈、体験への投資を惜しまないことで、自分自身の可能性を少しずつ広げていく。その実感があるからこそ、この考え方には深く共感しています。
また、本書の中で強調されているのが、「アソビゴコロ」と「諦めない力」です。真剣さの中にも余裕を持ち、遊び心を忘れず、柔軟に挑戦を続けていく。失敗があっても、そこから学び、試行錯誤を楽しむという姿勢が、継続と成長を可能にしています。
逆に、過度な計画や他人への依存は、行動の遅れや判断ミスにつながることもあります。だからこそ、自分自身の意志でスピーディに決断を下し、「まず動く」ことが重要なのです。考え過ぎるよりも、動きながら考える。その柔軟さと行動力こそが、シン富裕層たちの共通点であり、彼らが次々と成果を上げていく最大の理由です。

















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