忘年会は、いつもは仕事中心の会話をしている同僚と、違う雰囲気で話せてつながりを確かめあえる貴重な機会だ。そうした場にはアルコールがつきもので、人間関係をスムーズにする潤滑油のような役目を果たすが、こころの健康という意味では気をつけた方がよい点もある。アルコールには気分を抑うつ的にさせたり、眠りを浅くさせたりする作用があるからだ。(大野裕)
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金曜日の夜に恵比寿の街中を歩いていたら、たくさんのお酒に酔った人たちに遭遇しました。
忘年会の参加した多くの人が、酩酊状態でとても楽しそうでした。
この時期はお酒を飲む機会が増えますが、当然、飲み過ぎには注意が必要です。
アルコールは一瞬気分を高めてくれますが
飲みすぎることで、心や体の健康を害してしまうからです。
お酒を飲むと脳が楽しくなるのには、二つの理由があるようです。
アルコールによって脳の働きが落ちているために
普段は笑わないようなことでも面白く感じてしまうのです。
周りの楽しい雰囲気に流され、ついついアルコールを飲み過ぎてしまうのです。
また、アルコールを摂取すると「ドーパミン」が脳内で分泌されます。
快楽感情を生み出すドーパミンが分泌されることで
脳がどんどん楽しくなり、お酒にブレーキが効かなくなる場合があります。
ついつい飲みすぎてしまうと、周りの人に迷惑をかけたり、翌日の仕事にも悪影響を及ぼします。
アルコールがドーパミンの放出に影響を与えるのは
最初の約20分だけとも言われていますから
アルコールを2、3杯でやめておくのが賢い選択かもしれません。
しかし、以前の私は、このドーパミンのためにお酒を飲むことが習慣化し
アルコールに依存する生活を続けていました。
仕事のストレスを消すはずが、アルコールに人生を支配されてしまい
夜の貴重な時間を浪費してたのです。
朝も二日酔いで時間をダメにしていたので、生産性という意味では最悪の選択をしていました。
(今は断酒し、忘年会もお酒なしで楽しんでいます。)
私のようにストレス解消をお酒に求めると、ろくなことがありません。
ストレスを減らすためにお酒に逃げるという悪循環が生まれ
しまいにはアルコール依存症になってしまうのです。
脳内物質には、NMDA受容体というものがあります。
このNMDA受容体とアルコールが結びつくと、脳に悪影響を及ぼします。
新しい記憶を司る能力や学習能力が低下してしまうというのです。
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アルコールは「ダウナー」と呼ばれ、気分を押し下げ’る薬理作用がある物質群のひとつなのだ。気分を晴らすつもりで飲んでいたアルコールのために逆に気分が落ち込み、さらにアルコールの量が増えるという悪循環にもなりかねない。またアルコールを飲むと寝つきが良くなるように思えるが、眠りの質は悪くなるので注意しなくてはならない。
大野氏はアルコールには、気分を押し下げる効果があるといいます。
アルコールは気分を押し下げるダウナーに分類されているのです。
アルコールを飲みすぎると、明るくなるはずが、逆に気分を落としてしまうのです。
大量の飲酒によって、帰宅時間も遅くなり、眠りも浅くなりがちです。
眠りの質という視点でも、アルコールには疑問符がつくのです。
アルコールによって、中途覚醒が起き、夜中に何度も起きてしまいます。
また、利尿作用があるために、トイレに起きることもあり、これも睡眠を阻害します。
睡眠不足でイライラしたり、気分が落ち着かなくなりますし、体の疲れもとれません。
このようにアルコールの大量摂取は、脳と体をダメにしてしまうのです。
私がアルコールを飲んでいた頃はいつも睡眠不足で
自分の感情をコントロールできずにいたのです。
これでは良い時間を過ごせるわけがないと、このブログを書きながら反省しています。
いずれにせよお酒の飲み過ぎには注意が必要だということです。
忘年会だからといって大量にお酒を飲むのはやめましょう。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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