新しい働き方でシェアリングエコノミーの時代を楽しもう!

人間の欲求、新しい双方向テクノロジー、ネットの経済学が新しい時代の扉を開いた。急速に拡大しているこの現象を、我々は「グランズウェル」と呼ぶ。この現象は単に存在するだけでなく、猛スピードで進化しており、企業の戦略責任者にとてつもなく大きな課題を突きつけている。(シャーリーン・リー)

新しいシェアリングエコノミーって何??

Sansan Innovation Project 働き方2020というイベントに参加しました。名刺アプリEightやサンサンが毎年開催する新たな出会いの場です。マイナビニュースで鼎談をしている日比谷尚武氏と内閣官房の高田裕介氏、シェアリングエコノミー協会石山アンジュ氏のお三方の話を聴きながら、シャーリーン・リーグランズウェルの冒頭の言葉を思い出しました。10年前の彼女の予測は現実になり、世の中はすごいスピードでグランズウェル化しています。ネットのマッチングプラットフォームが個人の欲望を刺激し、シェアリングエコノミーという新たな経済を生み出しました。CtoCの動きによって、多くのベンチャーが台頭し、既存の企業を脅かすなど世の中の仕組みを変えています。個人のパワーが強くなることで、私たちの働き方やライフスタイルも変わり始めているのです。

最初に石山氏からシェアリングエコノミーの定義を教えてもらいました。

シェアリング・エコノミーとは、個人等が保有する活用可能な資産等を、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動である。ここで活用可能な資産等の中には、スキルや時間等の無形のものも含まれる。

UberやAirBnB、メルカリなどのマッチングプラットフォームによって、シェアリングエコノミーがここ数年で身近なものになりました。個人や企業の資産をみんなでシェアすることが当たり前になり、私たちは以前ほどものを買わなくなっています。ネットやソーシャルメディアなどのインフラの発展によって、個々のスキルや資産を活用して稼いだり、ビジネスが行えるようになり、私たちの働き方も変わっています。自分の好きなことや趣味を資産にして、私たちはお金を稼げるようになったのです。売りたい人と買いたい人が簡単につながることで、2016年度にはCtoCの市場規模は3458億円程度まで拡大しています。

シェアリングエコノミーによって、仕事と個人の働き方はどう変わっていくのでしょうか?石山氏は渋谷のCiftというシェアハウスで暮らしていますが、ここで40人の住人と実験を行なっています。渋谷のスペースに見知らぬ40人が共に暮らし、共に働くコミュニティをスタートしました。Ciftは家族を拡張させることで、お互いを助け合っています。独身者が他の住人の子供を一緒に育て、新たな家族の形を作っています。共に暮らし、共に働き、お互いの価値を共有することで豊かさを享受しているのです。このようなシェアリングエコノミーの新たな動きによって、働き方や子育てなどがどんどん変化していくはずです。

トライセクター・リーダーが活躍すれば、多くの課題を解決できる?

高田氏は今後「半住民(二拠点居住者)」がローカルの中で活躍すると言います。都会とローカルを行き来する彼らの力が、地方の人口減少という問題を解決してくれます。民間・公共・社会の3つの垣根を越えて活躍する人材をトライセクター・リーダーと呼びますが、二拠点を行き来する彼らがトライセクター・リーダーになることで地方も変わります。一人一人が地方に新たな仕事を作ったり、自分のスキルを住民にシェアすることで地域経済は活性化します。そのつながりから、新たなビジネスやサービスが生まれ、地方で暮らすことに価値を感じる人も増えそうです。

地方の人口が激減し、財源が期待できなくなると孤立する老人も増えていきます。彼らは移動手段を持ちませんから、病院にも通えなくなります。移動の課題を解決するマッチングシステムが生まれれば、老人たちを個人の車で送迎できるようになります。車や時間、スキルなどをシェアするシェアリングエコノミーによって、地方でも共助という考え方が当たり前になっていくはずです。トライセクター・リーダーが増えることで、地方の多くの課題が解決できるかもしれません。

しかし、シェアリングエコノミーにも課題はあります。個人が働き方を変えることで、納税の問題や法律と向き合う必要が出てきます。副業や複数の仕事を行うことで、確定申告や社会保障など会社に頼っていたことを自分で行う必要があります。新たなビジネスをスタートすれば、法律の問題にも直面します。働き方が多様化することでツールが代わり、個人の責任領域が今までより大きくなっていきます。

しかし、好きなことを仕事にして、いくつものプロジェクトを動かしている日比谷さんや石山さんの話を聞いていて、ワクワクが止まりませんでした。実際、私も好きなことを仕事にして、複数の会社から収入を得ています。確かに確定申告や社会保障費など面倒なタスクが増えましたが、新しい働き方から豊かさを享受しています。楽しく働くことで、私の幸福度は間違いなくアップしています。面倒な手続きもテクノロジーの進化がカバーしてくれますから、私は好きを仕事にすることをオススメします。

まとめ

ネットや社会環境の変化で働きかたも変わり始めています。シェアリングエコノミーが進展することで、ライフスタイルも所有からシェアにどんどんシフトしています。好きなことを仕事にすると自分の世界が広がり、お金の稼ぎ方も変わります。今まで企業に頼っていた税金や法律の問題など自分でやるべきことも増えますが、これはテクノロジーでカバーできます。自分のスキルや資産を使って、世の中に貢献することで、幸福度を高めることができます。今回、日比谷さんたちのセッションを聞いて、シェアリングエコノミーの時代をもっともっと楽しもうと思いました。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

     

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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