あるひとつの問題が苦痛になるか活力になるかの違いは、それが自分の選択したものか、そして、それに責任を負うかどうかによって決まる。もし、自分がいまみじめな状況にいるとしたら、ひょっとすると、その一部を自分自身でコントロールできないと感じているからかもしれない。つまり、自分に解決できない問題、自分が選んだわけでもないのに目の前に突きつけられた問題であるということ。「自分で選んだ道だから」と感じるときには力がわいてくる。でも、無理やり問題を押しつけられたと感じるときには、僕らは被害者のようなみじめな気分になる。(マーク・マンソン)
自分の人生の主人公になろう!
自分の課題はコントロールできるとマインドセットをポジティブに変えることで、やる気がみなぎってきます。人生を他人任せにするのをやめ、自分を主人公にすることで、その後の未来が変わり始めます。
マーク・マンソンのその「決断」がすべてを解決するの中にかのウィリアム・ジェームズの逸話が紹介されていました。金持ちの家に生まれたウィリアム・ジェームズは失敗続きの人生を送り、30代で自殺を選択しようとしていました。しかし、彼は哲学者チャールズ・パースの講義録を読むことで、自分の人生を変えてしまったのです。
あと一年間、人生で何が起きようとも、その責任は100パーセント自分にあるのだと信じて生きてみよう。(ウィリアム・ジェームズ)
彼はまわりの環境を変えるために、自力でできることは何でもしようと決めたのです。失敗の可能性がどんなに高くても、チャレンジを続けたのです。一年で何もよくならなければ、自分が本当に無力だということがはっきりします。そのときに改めて、自殺すればよいと考え方を変えたのです。
その後、ウィリアム・ジェームズは、「アメリ力心理学の生みの親」になり、今も私たちによい影響を及ぼしています。彼は同時代でもっとも影響力のある哲学者・心理学者の一人とみなされました。ウィリアムは自分の身に降りかかることをコントロールすることはできないことに気づきます。しかし、その問題にどう対応するかは自分でコントロールできるのです。自分の意識次第で、目の前の課題がチャンスにもなり、トラブルにもなるのです。
そのために、僕らの選ぶ尺度によっては、同じ出来事がよくも悪くもなるってこと。大事なのは、僕らが常に選択しているということ。(マーク・マンソン)
自分の問題に対して責任をもつことで、そこから本物の学びが得られるようになります。他人を責めるのをやめ、自分の人生を生きると決めることで、「人生の向上」を得られるようになるのです。このメッセージを読んで、「意志を持って決定すればどちらに転んでも、後悔しないが、流されれば恨み続けることになる」という伝説の実業家・近藤藤太氏の言葉を思い出しました。現状に問題があったとしても、過去や他人を恨むのをやめ、自分の行動に責任を持つのです。どんなに辛い状況でも、ウィリアム・ジェームズの選択を思い出し、自分の人生の主人公になって、チャレンジを始めましょう。
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未来を変えるために、小さなチャレンジを続けよう!
与えられた状況においてそのつど、もっともよい選択をし続けた人が、ポーカーでも人生でも、やがて人より優位に立つ。かならずしも最高の力ードを配られた人ではないのだ。さらに、確実にさまざまな拒否に見舞われることになる。
新しいことを選択すると過去の人脈は確実に壊れます。私は断酒をする際に、飲み友達と距離を置くようにしました。夜型の生活を朝型に変えることで、付き合う人が一変しました。自分が変わることで、人が離れていく副作用が起こったのです。
「俺は何度も何度も失敗してきた。だから成功できたんだ」とマイケル・ジョーダンは述べています。新しい選択を行い、失敗を重ねることで、確実に人生をよくできるのです。
成長とは、どこまでも反復するプロセスだ。何か新しいことを学ぶとき、僕らは「間違っている」から「正しい」へ移行するわけではない。「間違っている」から「少し間違っている」に移るだけだ。そして、また何かを学ぶと「少し間違っている」から「やや間違っている」へと移動し、だんだん間違いが減っていく。僕らはどこまでも「真実」や「完壁」に向かって近づいていくプロセスにあり、決してそのどちらにも到達することはないのだ。究極の「正しい」答えを見つけようとしてはいけない。それよりも、今日の自分の間違いを少しずつ削り落とそうとすべきだ。明日の間違いを少しだけ減らせるように。
著者のマークは、個人の成長を科学的にとらえることを推奨しています。私たちの価値観は「仮説」でしかないのです。「この行ないはよく、あの行ないはよくない」と仮説を立て、実際に行動し、どういう結果が出るのかを検証していくのです。そこから生じた感情や思考パターンが、私たちの「データ」になり、次の選択や行動を左右するのです。
正しい教義や完全なイデオロギーはない。何事も自分で経験してみなければ、正しいかどうかはわからないのだ。そして、その経験自体が間違っている場合もある。君も僕も、ほかのみんなもそれぞれ別のものを必要とし、それぞれ個人的な歴史をもち、それぞれ違う生活環境のなかで生きている。だから、僕らはみんな必然的に、人生の意味にしろ、いかに生きるかにしろ、それぞれの「正しい」答えに到達するはずだ。
私たちは絶えず変化し、進化していかなければなりません。年齢を重ね、様々な経験を積むうちに、間違っているところを少しずつ削り落としているのです。小さな行動の積み重ねが、未来を形作るのです。このチャレンジをやめたら、老化が始まるので、新たなチャレンジをやめてはいけないのです。
「思い込み」は成長の敵である。物事が起きるまでは、確かなものなんて何もない。そして、実際に起きてからでも、その「確かさ」には疑うべき点があるものだ。だから、「僕らの価値感はどんな場合でも不完全だ」ということを受け入れなければ、成長は見込めない。僕らは「確かさ」を追求するのではなく、むしろ絶えず疑いをもつように心がけなければならない。自分自身の思い込みに対する疑い、自分自身の気持ちに対する疑い、そして将来自分に起きるであろうことに対する疑いをもつのだ。
人は自分のことわわからないものです。そして、自分に対しては甘い評価をしがちです。自分はいつも正しいと考えるのではなく、どれだけ間違っているのか見極める努力をすべきだという著者のメッセージが響きました。間違っていることを見つけ、それを矯正することで、自分を変えられるようになります。マークが言うように「間違っているからこそ、成長の機会が与えられる」のです。
何がポジティブな経験で何がネガティブな経験かはその時にはわかりません。新たなチャレンジを重ねて、未来の自分に確認してもらうことしか、私たちにはできないのです。
人生においてもっとも困難でストレスを感じる瞬間が、最終的にはもっともやる気にあふれ、成長できる契機になることがある。人生において最高の満足感を得る体験が、集中を切らせ、意欲を削ぐきっかけになる場合もある。ポジティブ/ネガティブについての自分の概念を信用してはいけないということだ。
ストレスを嫌がるのではなく、ネガティブな体験が未来を変えることがあります。大きな失敗から、自分を変えるキッカケが見えてくることがあります。私もお酒での失敗をやめるために断酒をしたことから、人生が変わり始めました。他の数々の失敗からも立ち直るためのヒントが見つかりました。ポジティブ、ネガティブな体験に振り回されることなく、自分の未来を変えるためのキッカケを探り、小さなチャレンジを続けていきましょう!
まとめ
何が正しい選択かは、その時にはわかりません。ネガティブなことが起こっても他人のせいにせず、状況を改善するための対策を考えるのです。他人に人生を任せるのをやめ、自分の人生の主人公になり、未来のためのストーリーを描きましょう。どんな体験もあなたの未来を変えるために起こっていると考え、小さなアクションを起こすことで、未来が変わり始めます。
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