出口治明氏の人生の教養が身につく名言集の書評

名言とは、歴史の風雪に耐えて、今の時代まで生き抜いてきた言葉ですからね。時間と空間を超えて、多くの人たちに「これは面白い」「これは真実だ」「これは覚えておこう」と支持されてきたからこそ語り継がれて、今も残っているのです。そうした名言を通じて、私たちは過去から語り継がれてきたさまざまな人類の「知恵」を学ぶことができます。実際、過去から語り継がれてきた「知恵」に学ぶことの大切さを教えてくれる、そんな「名言」があります。(出口治明)

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巨人の肩に乗り、人生をエンジョイしよう!

出口治明氏の人生の教養が身につく名言集を読むことで、数々の名言を通じて世界史、人生哲学などの教養を育めます。いかに人生を楽しむかを出口氏が名言を使いながら、解説してくれるのが本書の魅力です。著者の本を読むたびに、自分の読書の質の低さに気づけます。もっともっと多様な本を読めば、人生をもっともっと楽しめるはずです。

本書はシャルトル大聖堂附属学校で活躍した哲学者のベルナール・ド・シャルトルの次の言葉から始まります。

巨人の肩に乗っているから、遠くを見ることができる。(ベルナール・ド・シャルトル)

シャルトルは過去の賢人や、彼らが残した業績などを「巨人」にたとえ、その力を借りることを私たちにすすめます。巨人の肩に乗るたびに、私たちはより広く、より深く、より遠くまでこの世界を見ることができるようになります。

人の人生が80年ならば、その中で経験できることは限られています。自分の人生から学ぶことには限界があるのですから、読書を通じて様々な体験をすべきです。プロイセンの名宰相・ビスマルクが述べたように「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」を信じて、歴史の本を読むべきです。出口氏は自分の殻を破ることが必要だと述べています。

そうであれば、自分の「外」にも、学びの対象を求めてみる。この世界には、「古典」と呼ばれる先人が残してくれた膨大な遺産があります。それらを使わない手はありません。せっかくだからその知恵を借りる。「巨人」の肩に乗せてもらう。

歴史や名言を学ぶことで、自分の人生を豊かにでき、その結果、自分の思考と行動を変えられます。人生を「図太く、賢く、面白く生きる知恵」が蓄積されることで、何が起こっても人生を楽しめるようになるのです。過去の偉人が左遷を楽しんだ事実を知ることで、つらいことを乗り越える力を育めるという出口氏の言葉が印象的でした。

 

運をよくするために私たちがすべきこと

すべての真の生とは出合いである。(マルティン・ブーバ)

人生は偶然の積み重ねによって左右されます。私たちの祖先が生き残れたのも偶然の力によるものです。クライブ・フィンレイソンは人類・ホモサピエンスがこれまで生き残れたのも、偶然だったという説を唱えています。ネアンデルタール人が滅び、ホモサピエンスが生き残った理由は、「適応力」と「運」の違いが理由でした。筋骨隆々で、森林での大型動物狩猟向きの体型をしていたネアンデルタール人は、地球環境の寒冷乾燥化が進み、森林が縮小し、平原が広がりはじめる中で自分の陣地を失っていきます。一方、しなやかで持久力に富む体を持つホモサピエンスは、平原での狩りにも対応でき、生き残ることができたのです。私たちの祖先はタイミングがよく、平原が始まる時代にそこにいることで、生き残ることができたのです。

まさにホモサピエンスは運がよかったのです。…逆に、ネアンデルタール人が絶滅してしまったのは、たまたま運が悪かっただけだとも言えるのです。「運がいい」というのは、フィンレイソンが指摘しているように、「適切なときに適切な場所にいる」ことなのです。この世は偶然の産物だということに、あらためて気づかされます。

適切な時に適切な場所にいるために、自宅に閉じこもるのをやめ、人に会いにいくようにしましょう。本当に偶然の出会いが人生を大きく変えてくれます。ブーバーが「すべての真の生とは出合いである」と指摘しているように、私たちの人生は、つまるところ、すべて出合いで変わるのです。日々の出合いを通して、私たちは人生をより楽しめます。人との関係性を意識し、行動することで人生はいくらでも面白くできるのです。

日々の変化を受け入れ、嫌なことが起こって、落ち込んでいる時でも人や本との出会いをデザインしましょう。ダメな時ほど時間があるはずですから、新たな出会いを求めて行動すべきです。出会った人との一言やそこからの紹介が人生を変えるきっかけになるのです。出口氏は『グチグチ悩んでいるより、「今日はーつ面白いことを何かやってみよう」と行動したほうがいい』と述べています。今の自分が幸せか不幸かなどを考えるのをやめ、毎日毎日を楽しむことで、人生を楽しめるようになります。人、本、旅に時間を費やし、自分の未来を明るくしましょう!

まとめ

世界史や名言を学ぶこと(巨人の肩に乗ること)で、自分の知見を増やせます。先人から知恵を授かることで、何が起こっても悲観せずに生きられるようになります。人生は偶然に左右されますから、人や本との出会いを大事にしましょう。自分に刺激を与えることで、未来を変えるきっかけをもらえます。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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