仕事ができる人は、聞き上手。もちろんこれは、「話を聞いてばかりいる」わけではありません。聞き上手と同時に話し上手です。相手の話をきちんと理解したうえで、相手が喜ぶ、あるいは役に立ちそうな話をしています。(茂木健一郎)
仕事ができる人は共感力、忖度によって結果を出す!
脳科学者の茂木健一郎氏は、仕事ができる人は聞き上手であり、話し上手でもあると最高の雑談力: 結果を出している人の脳の使い方の中で述べています。仕事ができる人たちは、雑談によって人を喜ばしているのです。 雑談力がある人の周りには人がドンドン集まります。彼らはしっかりと話を聞くことで、質の高い提案を行い、その結果、仕事がうまくいくようになるのです。「聞き上手→話し上手→結果を出す→仕事がドンドン入る→聞き上手→話し上手→結果を出す→仕事がドンドン入る……」このように無限の好循環に入ることで、彼らは成功を手に入れました。
なぜ、仕事ができる人は、相手の話をきちんと理解できるのでしょうか?彼らは「文脈を理解する=ポイントを押さえている」いるのです。脳科学的に整理すると相手に共感・忖度していることで、結果を出せるようになったのです。この共感の回路、言い換えれば、付度の回路は一朝一夕につくられるわけではありません。試行錯誤の積み重ねや、ときには相手を怒らせるなど大失敗を繰り返すことで、身についていくのです。
例えば、契約を焦る営業マンは、自分本位で相手に対応します。顧客の反応を自分勝手に解釈し、失敗を繰り返すうちに、クロージングのタイミングを理解します。 付度したのに、相手が思っていることとはまったく違っていたこと「逆問題」と言います。この逆問題を繰り返し、失敗に気付いた人たちが、相手の話をしっかり聞くことで、良い提案ができるようになると茂木氏は指摘します。
優秀な販売員は、お客さんと雑談をしながら、共感の回路を駆使してお客さんにピッタリの商品を提案します。彼らは雑談によって、共感の回路は鍛えて、的確な提案をしているのです。相手のニーズを正確に把握し、それを上回る提案をできるようにするために、雑談からヒントを得ているのです。
雑談が「デフォルトモードネットワーク」を作動させる!
ゆったりと雑談をすると、脳内にある「デフォルトモードネットワーク」が作動します。このデフォルトモードネットワークは何かに集中して取り組んでいるときには、働きません。どちらかと言うと、リラックスして何も考えていないときに活動します。仕事や勉強をしているとき、ある特定の脳の回路が使われています。やればやるほど、その回路は強くなっていきます。逆に言うと、それ以外の回路は、使われなくなります。できる人はその回路が太くなっているとも言えますが、その一方で、その特定の回路以外は使われなくなってしまいます。 脳には無限とも言える回路が存在するのに、特定のものだけが機能しているきそんと、ほかのものが機能しなくなります。
仕事だけに集中すると、自らの脳の可能性を毀損します。一生懸命働くだけでは脳の働きを弱めてしまうのです。デフォルトモードネットワークは、「ネットワーク」という言葉があるとおり、脳のさまざまな回路が結びついて生まれます。雑談やのんびりすることで、デフォルトモードネットワークがふだん使わない回路をつくったり、つなげようとします。
オックスフォード大学では教授たちが集まって、午後の紅茶を雑談をしながら楽しむ習慣があります。彼らはアイデアを生みだすために、あえて雑談の時間をとっているのです。雑談をし、デフォルトモードネットワークを作動させると新しい回路が生まれる可能性があるのです。新しい回路がつくられることで、思いもしないよいアイデアが浮かびます。
他愛のない話をしていても、仕事のヒントや問題解決のアイデアが浮かぶかもしれません。自分にアイデアが浮かばなくても、相手にヒントを与えることくらいはできます。いずれにせよ、そうした気軽に雑談をできる場所をつくると、デフォルトモードネットワークが働いて脳の回路がつくられます。脳の活性化に役立ちますから、仕事にもいい影響が出るのは間違いありません。
以前はどの会社にもタバコ部屋があり、ざまざまな組織の人が集まり、雑談をしていましたが、これが会社のアイデアの源泉になっていたのかもしれません。よいリーダーは、部下に集中を求めるだけでなく、デフォルトモードネットワークを作動させるために雑談を推奨しましょう。
そのために、会社の中に誰もが気軽に立ち寄れるカフェのようなスペースをつくったり、リラックスできる場所を作るべきです。Googleがレストランを無料にしたり、マインドフルネスを取り入れているのも、生産性を高めるためなのです。一見無駄に見える投資だと思われるかもしれませんが、雑談ができる場を作ることで、社員が結果を出してくれるようになるのです。
まとめ
仕事が上手い人は雑談をしながら、人の喜ぶ提案をするという共通点があります。彼らは共感力・忖度の力で相手にフィットした商品・サービスを提供します。雑談によって、脳の「デフォルトモードネットワーク」が作動します。デフォルトモードネットワークが活性化するとアイデアが生まれてきます。最近では、社員に雑談をさせる組織が増えているのも、雑談によって生産性が向上することがわかってきたからなのです。
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