人は、遠い将来の報酬のために長期的な行動をとることが苦手である。(ハル・ハーシュフィールド)
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現在バイアスに左右されないようにしよう!
UCLAのハル・ハーシュフィールド氏は、「現在バイアス」が人の行動を左右することを突き止めました。私たちは将来の大きな利益よりも目の前にある小さな利益を優先する傾向があります。現在バイアスが強い人は、ついつい行動を先延ばしをしてしまい、結果を出せません。では、現在バイアスが強い人はどうすればよいのでしょうか?
そのために、「遠隔思考」を取り入れるとよいとハーシュフィールド氏は述べています。今ここから離れ、遠い未来をイメージし、自分の行動を改善するのです。チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』では、クリスマス・イブの夜、主人公の守銭奴スクルージの枕元に3人の幽霊が現れます。自分の悲惨な未来を見せることで、彼を改心させることに成功します。
ハーシュフィールドはこの「幽霊の介入」を使った実験によって、人の長期的な行動を変えることを試みました。被験者は、毎年の収入からどの程度の額を老後資金に割り当てるべきかを計算します。その際、一方のグループ は現在の自分の顔写真を、もう一方のグループはデジタル加工で作成された老後の自分の顔写真を見ながら計算をしたのです。
その結果、老人になった自分の顔を見ながら計算をした被験者のグループの方が、多くの金を老後資金を用意しました。目標達成には、未来の自分への共感が有効であることがこの実験からわかります。実際、メリルリンチは現在、同社のウェブサイトにこのアイデアを採用しているそうです。保険や金融商品は遠い将来にならないとリターンが得られないものが多く、簡単には顧客に価値をわかってもらえません。それだけにこの研究が意味するものは大きく、ハーシュフィールドは保険・金融会社から引っ張りだこになっています。
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将来の自分を想像し、自分の悪い習慣にさよならする!
この発見を応用できるのは、こうした分野に限らない。将来の自分を想像すると、それまで軽視していたものの重要性に気づきやすくなるので、食生活の見直し、運動の習慣化、業務の改善などにも活用できる。(ショーン・ヤング)
このメソッドを使って私はダイエットに成功しました。未来の痩せた自分の姿をイメージすることで、食生活を改善できたのです。食事の回数を減らし、身体に良いものだけを選ぶようになり、ただ痩せるだけではなく、健康体も取り戻せました。エスカレーターを使うをやめ、階段を使ったり、一駅前で電車を降り、歩くことを選択できるようになったのです。
将来の成功している自分をイメージすることで、仕事への態度も変わりました。毎朝、こうしてブログを書くことも自分への投資なので、全く辛くなくなりました。時間を資産と捉え、重要なタスクに集中できるようになりました。
ショーン・ヤングは自分の幽霊との対話をすることで、遠い将来に報酬を意識できると述べています。
将来の自己介入は、遠い将来の報酬でも、人の行動を変えられることを示している。そう、私たちは将来の自分の幽霊と、もっと話をすべきなのだ。
目先の浪費をやめ、未来の自分が楽しむ姿をイメージし、貯蓄や投資を続けましょう。その際、先日紹介した太田創氏の毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資を参考にして、積立投資(ドルコスト平均法)でアメリカ株に投資するのもよいかもしれません。私はS&P500ファンドとアマゾン株を毎月自動的に積み立てるように決めました。(参考記事はこちらから)
まとめ
私たちは将来の大きな利益よりも目の前にある小さな利益を優先する傾向があります。これを避けるために幽霊の介入を活用しましょう。未来の自分を想像し、自分の悪い習慣を良い習慣に置き換えていくのです。やるべき重要なことを明らかにすることで、貯蓄やダイエットなどで効果を期待できます。
参考図書 ショーン・ヤング氏のUCLA医学部教授が教える科学的に証明された究極の「なし遂げる力」
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