生命保険でナンバー1営業になる方法

生命保険ほど売りにくい商品もない。まず、死の話をしなければならない。客はそんなことは考えたくないと思っているし、自分が死ぬことについての気が重くなるような話をした後で、さらに金まで払いたくはないと考えている。それに、目の前の楽しみを求める人たちに、将来の計画を立てさせなくてはならない。なにしろアメリ力人の半数は、クレジットカードの負債を払うことができず、給料の3カ月未満の貯蓄しかない。相手が金を持っていたとしても簡単ではない。生命保険を買っても、楽しみが得られるわけではないからだ保険金がもらえるのは、自分が死んでしまったときだ。生命保険のセールスは、これほどの悪条件のなかで商品を売らなければならない。(ショーン・ヤング)


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生命保険でナンバー1営業になるための方法

UCLA医学部教授が教える科学的に証明された究極の「なし遂げる力」の著者のショーン・ヤングは、もっとも売るのが難しいと言われている保険営業にチャレンジします。「人は誰かに説得されて、優先順位が低い何かを重要だと思えるようになるのか」という問題も直接確かるために、保険営業をスタートしたのです。ちなみの彼の職業はUCLAの医学部教授で、成し遂げる力について研究する中で、保険営業を選択し、チャレンジしたのです。驚くことに彼の営業成績は悪くなく、3カ月も経たないうちに、その保険代理店の西海岸地域でのトップセールスになってしまいました。

商品に興味を示さない客に買わせる秘訣は、「重要さの力」の活用と運だった。周りの友人たちが、商品を買ってくれたのだ。

教授が売り込んだのは、自分でもその価値を信じ、実際に購入した2種類の商品で、保険というより投資を重視して開発されたものでした。彼は自分が信じている商品の価値を、友人たちにも理解してもらうようにしました。自分の経験値をストーリーにすることで、セールストークに説得力が生まれました。彼がラッキーだったのは、経済的な余裕があり、教授のことを信頼してくれる友人たちがいたことです。

とはいえ、生命保険のセールスとして成功するには運以上のものが要るこは間違いありません。そこでショーンはこの道30年のベテランセールスであり新人の教育担当者でもあるトム・プグマイヤーに成功の秘訣を尋ねましたた。トムは28歳のときに保険のセールスの仕事を始、1年目で会社のトップセールスになり、たちまち全米規模のセールス責任者に昇進したベテランです。その後、彼は独立し、会社を全米上位10社の生命保険ブローカー会社に成長させ、2000年に会社を売却しました。保険代理店に復帰した後、新人教育の傍ら、彼は10年間のうち9年間で会社のトップセールスの座に君臨しました。

 

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成功のカギは、商品ではなく自分を売ることだ。(トム・プグマイヤー)

優れた政治家や企業家がそうであるように、トムは聞き手の頭ではなく心に訴えます。人は、重要だと思う何かを心で実感したとき、最後までそれをやり遂げようとします。トムは、自分と商品の価値を、顧客の心に訴えるようにしています。相手に商品の重要性を感じさせることで、顧客は共感します。まずは、自分もその商品の大ファンであることを示して顧客の信頼を高めるのです。

自分を信頼してもらえなければ、売り込む商品の価値を信じてもらえません。当たり前ですが、セールスマンが価値を信じていない商品に、客は金を払おうとはしません。トムは顧客「私は自分でも2つこの商品を買っています。妻も2つ、息子も2つ、義理の娘と息子と孫にも2つずつ。家族全体で12点です」と伝え、商品の価値を高めるようにしています。

彼は成功例だけでなく、老後の資金計画でのありがちな失敗例も話します。たとえば、積み立てていた老後資金の大半を2008年の株価暴落で失って経済状況を立て直すのにひど く苦労をした女性や、退職金制度(401K)で積み立ててきた100万ドル以上もの資金を退職後に引きだそうとしたところ税金で半分も持っていかれた男性の話などです。

このような衝撃的な事例は顧客の心に響き、トムへの信頼感を高めます。トムはここで商品提案を行います。よくある失敗を回避できる、無税のリターンが確実に得られる金融商品を紹介するのです。顧客は失敗例を聞いた後なので、その商品の重要性を理解します。トムは相手が知りたがっていた何かを教えることによって、顧客の心に残る体験を生み出していると考えています。

保険営業はシンプルに商品を説明すべきだとトムは言います。

保険のセールスはたいてい、商品知識の豊富さで客に自分を印象付けようとする。自分がいかに保険に詳しく、有能なセールスであるかをアピールしようとして、話を長く、難しくしてしまうんだ。だが客が知りたがっているのは、セールスの知識や有能さではなく、商品についてだ。私は複雑な概念をわかりやすく説明できる。だから、顧客に愛される。ものすごく複雑で、それまで理解しようと思ってもできなかったことでも、わかりやすく説明できる。すると相手は”なるほど、わかったぞ!”と喜び、私のことを気に入ってくれるんだ。このやり方のほうが、商品知識の豊富さをアピールするより、ずっと効果的さ。

保険商品は、顧客に現時点でそれが重要だと感じさせると同時に、何年も金を支払い続けてもらわなければなりません。トムは、顧客が商品に興味を示したとき、「目標を小さく刻む力」を使います。

相手の経済的な余裕を把握するために、まずは家計に響かない程度で月収からどれくらいの金を投資に充てられそうかを尋ねるのです。顧客の頭は、最初のリターンを得るための着実なステップではなく、投資で大金を手にしたいという夢でいっぱいになっています。そこで彼は、見積もった額よりも少なく投資するようアドバイスします。

「何事も、実際にやってみて満足しなければ続きません。今年の後半にもう一度会いましょう。そのときまだ資金に余裕があり、投資額を増やしたいと思うのであればそうしましょう」と顧客に伝えるのです。トムは顧客の側に立ちながら少額投資を提案し、顧客の信頼を得ます。わずかな投資から始めることで、顧客は毎年保険商品を買い続けやすくなり、離脱も防げます。この方法によって、トムへの信頼が高まり、何年か後に再び投資をしようとしたくなったときには、向こうから連絡してくるようになるのです。短期のセールスを行うのではなく、長期視点で顧客との関係を築くことで、新しい顧客を紹介してもらえるようにもなります。

まとめ

営業は商品ではなく、自分の体験を売るべきです。商品知識を振りかざすのではなく、自分がその商品を信頼し、実際に買っていることを説明したり、顧客の体験を話、相手からの信頼を得るようにしましょう。顧客がその商品を重要だと感じれば、自然に商品は売れるようになるのです。

参考図書 ショーン・ヤング氏のUCLA医学部教授が教える科学的に証明された究極の「なし遂げる力」

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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