デザイナーのように人生のプロトタイピングを行おう!

「つくることは考えること」スタンフォード大学デザイン・プログラムでよく聞くフレーズだ。この考えと「行動主義」のマインドセットを組み合わせれば、「おおいにつくり、おおいに考える」ことができる。デザイン・プログラムのひとびとに「なにをしているのか」と訊けば、たいていは新しい製品アイデア、新しい消費者体験、新しいサービスのプロトタイプをつくっているという答えが返ってくる。


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デザイナーのように人生のプロトタイピングを行おう!

ビル・バーネットとデイヴ・エヴァンススタンフォード式 人生デザイン講座書評を続けます。 人生をデザインする場合、未来に関する確実なデータはほとんどありません。こんなとき、デザイナーは未来にそっと近づくプロトタイピングを行います。未来に対する的確な疑問を掲げ、一定のデータを集めていくのです。

優秀なプロトタイプは、問題の一側面を抜きだし、未来を”お試し”できるような体験をデザインします。つまり、人生のさまざまな選択肢を実体験という形で視覚化していきます。人生を実際に生きているような感覚で、想像していきます。

イタリアンレストランをいきなりオープンするのではなく、自分の得意なこと、苦手なことをしっかりと把握しないと失敗する確率が高まります。最初はデリバリーサービスを試せば、家賃は必要ありません。ウェイターをして店舗経営の嫌な部分を体験すると本当にやりたいことが明確になります。実際の店舗オーナーに何人か話を聞き、自分の立ち位置を確認するという手もあります。

プロトタイプを作ることで、他の人も巻き込めます。自分のライフデザインに興味を持っている人を集めることができ、コミュニティを築けます。

プロタイプを作る目的を著者は以下のように整理します。
・やりたいことに対して的確な疑問を掲げる
・実体験する
・自分自身の思いこみを暴く
・早めに失敗し、失敗を前進の糧にする
・未来にそっと近づいてみる
・自分自身や他者への共感を築く
人生のアイデアをプロトタイプという形にすることで、結果的によりよい人生をデザインし、大幅な時間と労力を省くことができます。

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ライフデザインインタビューで成功の確率を高めよう!

ライフデザイン・インタビューは驚くほどシンプルだだれかの話を聞くだけ。もちろん、だれにどんな話を聞いてもいいというわけではない。あなたが検討している仕事や生活を実際にしているひとびとや、あなたが疑問をもっている分野の本格的な経験や専門知識のあるひとびとに話を聞くのだ。

自分のやりたいことが見つかったら、その道の専門家を見つけ、インタビューを重ねましょう。次のような質問を繰り返すことで、その仕事に関する様々な答えが見つかります。
・どういう経緯でその仕事をすることになったのか?
・どうやってその専門知識を手に入れたのか?
・実際のところどういう仕事なのか?
・その仕事の好きな点ときらいな点は?
・一日はどういう感じで進むのか?

話を聞いてみて、未来の自分をイメージしてみましょう。その仕事を何カ月・何年と楽しくつづける様子をイメージできるかを自問してみるのです。相手の仕事や人生について訊ねるだけでなく、彼らのライフストーリーを確認するうちに、色々なアイデアが浮かんできます。

ライフデザインインタビューで想像力が刺激され、自分の強みや足りていないことがわかります。プロの前に座り、彼らの話を聞くだけで、貴重な情報がたくさん得られます。

インタビューが終わったら、プロトタイプ体験を実践しましょう。
・あなたがなりたいと思っているプロフェッショナルに1日同行させてもらう
・1週間、無償で働かせてもらう
・3ヶ月間のインターンシップに参加する 
などの体験をすることで、その仕事が自分に向いているかがわかります。

この体験で行き詰まったら、協力してくれる人々を集め、ブレーンストーミングを重ねましょう。アイデアは質より量を重視し、良し悪しの判断は先送りします。他の人のアイデアを発展させたり、大胆なアイデアを歓迎しましょう。

アイデアはカテゴリーに分類してタイトルをつけます。
・いちばん興奮したアイデア
・お金を気にしなければやってみたいと思うアイデア
・大穴のアイデア(たぶん成功しないけど、成功したら万々歳)
・理想的な人生にいちばん近そうなアイデア
大胆なアイデアからほんの少し譲歩するだけで名案が生まれることもあります。再度そのアイデアを試して、目標に近づくようにしましょう。人生のストーリーをいくつか作り、プロタイプを考え、実験を繰り返しましょう。つまづいたら、ブレーンストーミングを行い、次のアイデアを考えればよいのです。

デザイナーのように人生を捉えることで、自分の未来の可能性を広げられます。プロトタイピング、ライフデザインインタビュー、実際に体験をすることで、大きな失敗を防げ、時間とお金の無駄を省けます。未来は不確実性に満ちていますが、デザイナーのように動くことで、より良いものにできるのです。

まとめ

やりたいことが見つかったら、その道のプロにインタビューを行いましょう。このライフデザインインタビューによって、向き不向きがわかります。プロトタイピング、ライフデザインインタビュー、実際に体験をすることで、大きな失敗を防げ、時間とお金の無駄を省けます。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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