今いる場所で突き抜けろ!――強みに気づいて自由に働く4つのルール
著者:カル・ニューポート
出版社:ダイヤモンド社
本書の要約
キャリアに関するアドバイスで巷で言われる、「自分の好きなこと、やりたいことを見つけて、それに合った仕事を探しなさい」という考え方は間違っていると著者は指摘します。今できることに集中し、キャリア資本を積み上げることで、唯一無二の存在=突き抜けた自分になれます。
突き抜けた人になろう!
「誰もが思わず注目してしまう、『突き抜けた人』になる」ことで、夢はかなうのだ。(カル・ニューポート)
「好きなこと、やりたいことを追い求めよ」というキャリア・アドバイスは間違いだとカル・ニューポートは指摘します。カルはジョージタウン大学でコンピュータ・サイエンスの准教授を務めながら、ブログ「Study Hacks」を執筆しています。成功者や自分の体験を通じて、彼は「突き抜けた人」になることが、成功の秘訣だと気づきます。
好きなことを仕事にすることが大事だという論調が日本でももてはやされていますが、好きなことを仕事にするだけではうまくいきません。自分が世の中に与えられる価値を磨き、それを他者から見つけてもらえるようにすべきです。
著者は「好きなことを仕事にすべき」という考えに疑問を抱き、以下の3つの結論を見出しました。
結論1、「やりたいこと」などめったにない。(ダンスや音楽などのやりたいことは実際の職業につながらない。)
結論2、「やりたいこと」に出会うには時間がかかる。
エイミー・レズネフスキーの研究結果はとても興味深いもので、今、自分が何をすべきかを把握できます。
もっとも幸福で、もっとも熱心な職員は、「やりたいこと」を追い求めた結果として職に就いた人ではなく、自分の仕事のスキルが上達するまで長い時間をかけてがんばってきた人であった。よく考えてみると、これは筋が通っている。経験を積むと、自分のスキルを上達させるための時間ができ、そこから自分の能力に対する自信が培われる。またその間、同僚と強い絆を築き上げ、自分のする仕事が他人の役に立つ例をたくさん見ることになる。
まずは、いろいろな経験を重ね、自分のスキルをアップすることを目指しましょう。本当にやりたいことに出会うには時間がかかるものだとマインドセットを変え、目の前のことに集中するのです。
結論3、「やりたいこと」は、スキルアップが生み出す。
●やる気の3つの源泉
1.自律性 Autonomy 自分の労働時間を自分でコントロールしている、自分の行動は重要である、という感覚
2.有能感 Competence 仕事のスキルが上達している、という感覚
3.関係性 Relatedness 他人とつながっている、という感覚
この3つの要素を満たすことで、私たちのやる気はアップします。 スキルが上達するまで一生懸命働けば、さまざまな職種に就くほとんどの人が、有能感と自由を手に入れることができます。
自分にふさわしい仕事を見つけることより、今携わっている仕事にふさわしい働き方をすることのほうが重要なのだ。 まず、職人マインドを受け入れよう。 そうすれば、「やりたいこと」は後から必ずついてくる。 つまり私が提案するのは、自分の今の仕事が本当にやりたいことなのかはひとまず置いて、誰もが思わず注目してしまうくらいに、それをうまくやってみてはどうか、ということだ。
どんな仕事であろうと結果を出すと決め、自分の思考と行動を変え、スキルを高めることに集中しましょう。
素晴らしい仕事を決定づける条件は、自分の価値を高め、希少な存在になることです。「突き抜ける」存在になり、人から見つけてもらうことが重要なのです。 あなたが提供できる希少で価値のあるスキルが、「キャリア資本」となり、あなたに仕事を運んできてくれます。
いい仕事を得るには、まず自分がいいスキルを身につけなければなりません。職人マインドを身につけ、希少な自分をデザインし、キャリア資本を積み増していきましょう。
強みに気づいて自由に働く4つのルール
自分のキャリア資本を積み増すためには、自分のスキルを高める必要があります。計画的にスキルをアップするためには、以下の5つのステップを実践しましょう。
ステップ1 自分の「戦う市場」を見極めよ
ステップ2 自分の資本タイプを特定せよ
ステップ3 明確な目標設定をせよ
ステップ4 ダメ出しを受け、さらに伸ばす
ステップ5 できるまで、やり続けるステップ
著者は自分の強みに気づいて、自由に働く4つのルールを明らかにしています。
■ルール1 「好きなことを仕事にしよう」は間違い。
大多数の人々には、発見されるのを待つ天職があるわけではありません。好きなことを仕事にできるのは、一部の天才だけなのです。
■ルール2 魅力的なキャリアを築いている人は、まず希少で価値のあるスキル、つまり「キャリア資本」を構築することから始め、素晴らしい仕事を実現するために、この資本を活用すべき。
自分にふさわしい仕事を探すことより、今の仕事にふさわしい働き方をすることのほうが重要だと考え、スキルアップをはかりましょう。
■ルール3 キャリア資本をいったん獲得したらそれをどのように使うか考えてみる。
キャリアアップに成功したら、仕事や仕事のやり方を自分でコントロールしましょう。自由度を高めることで、幸福度をアップできます。
■ルール4 ミッションにもキャリア資本が必要。
自分の分野で習熟することなしに、一足飛びに大きなミッションを実行することはできません。 ミッションを実現するために最適なアイデアは、 実は自分の隣接可能領域にあります。自分の得意分野に他の要素を組み合わせ、自分らしい領域を生み出しましょう。
ミッションを実現するためには、小さな賭けを積み上げ、具体的なフィードバックを得ることが重要です。失敗したり、人からアドバイスをもらうことで、次にやるべきことが明確になります。 周りの人があなたを話題にしたいと思うほど魅力的なストーリーを作り、それを発信することで、他者から見つけてもらえるようになります。このアピールの法則を活用することで、ミッションを魅力的なアイデアから、魅力的なキャリアに変えられるようになります。
本書のエッセンスを訳者である廣津留真理氏がわかりやすく整理しています。この3つのポイントを意識し、キャリア資本を積み上げていきましょう。
■すごい仕事(=希少で価値がある)が欲しければ、「希少で価値のあるものをお返しに差し出しなさい」。
■魅力的な仕事の3つの条件である、創造性、影響力、自由(度)を手に入れる。
■好きになれる仕事は自分の得意分野の周辺領域にあるから好奇心のアンテナを張っておく。
人生100年時代、自分への投資には終わりはありません。本書のアドバイスを取り入れ、私も自分のスキルを高めて、突き抜けた存在になります。
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