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もうだまされない 新型コロナの大誤解
著者:西村秀一
出版社:幻冬舎
本書の要約
コロナウイスの感染原因は空気感染であることが世界の常識になっています。私たちは患者の口や鼻から出て、空気の流れに乗って運ばれる生きたウイルスをいかに避けるかを考えればよいのです。三密を避け、マスクをしっかりと装着することで、感染のリスクを大幅に下げられます。
空気感染を防ぐ三密対策を徹底しよう!
本当にやるべき対策で身を守るためには、情報を受け取る側のみなさん自身が、やらなくてもいい対策を冷静に判断し、やらない、あるいは拒否していく必要があります。(西村秀一)
新型コロナウイルスが再び猛威をふるっていますが、私たちが正しい行動をとれば、感染リスクを下げられます。しかし、巷には多くのフェイクニュースが溢れていると著者の西村秀一氏は指摘します。
西村氏は新型インフル、SARSなどの現場を体験し、米CDCで研究を重ねた呼吸器系ウイルス(COVID-19含む)の権威ですが、「間違った知識」がまん延することで、やらなくてもよい対策に時間とお金が使われ、本来やるべきことが行われていないと言います。
イギリスのネイチャー、ランセットといった科学雑誌や米国CDC(疾病管理予防センター)は「接触感染は稀である」との論説を発表しています。新型コロナのおもな感染様式が空気感染であることは、すでに世界の専門家の間ではコンセンサスを得た事実ですが、日本では不思議なことに接触感染が恐れられています。私たちはもっと空気感染を意識し、そこへの対策を行うべきです。
まず、新型コロナは「空気感染」であると理解し、閉鎖された狭い場所には近づかないようにしましょう。個室では空気の流れをよくするために、換気をしっかりと行うべきです。飲食店でパーティションが置かれるようになりましたが、あれなどは無駄で、むしろない方が安全だと言うのです。外食をする際には換気の良い店を選ぶようにすれば、安全に食事を楽しめます。
ウイルスは皮膚からは感染しないので、接触感染を気にする必要はありません。消毒のやりすぎは効果がないどころか、逆に害になるので、適度な消毒を心がけましょう。
感染リスクが最も高い行動は、ウイルスを肺まで吸い込むことです。乾燥した環境だと飛沫が小さくなり、吸い込みやすくります。
コロナウイスの感染原因は空気感染なのですから、対策は患者の口や鼻から出て、空気の流れに乗って運ばれる生きたウイルスをいかに避けるかを考えればよいのです。そのために、三密対策を徹底することが重要だと著者は指摘します。ウイルス慣れして、多くの人が気を緩め、密な環境に身をおくと患者数は増えてしまうのです。
三密対策が新型コロナ対策で重要な理由
換気の悪い「密閉」空間に人がたくさん集まる「密集」状態を避け、複数の人達が間近に「密接」で騒ぐようなことをしないことです。人との距離が離れれば離れるほど、感染しにくくなることは間違いありません。ウイルスを含む飛沫粒子が風に乗って運ばれても、広く拡散してウイルスが薄まり、吸い込む確率が無視できるくらいにまで下がるからです。
ウイルスの特徴を理解し、対策を行えば、感染する可能性を下げられます。空気を定期的に入れ替えることで、ウイルスを薄めることができます。私たちが意識すべきことは、実は換気だったのです。
換気の他に空気感染の機会を少なくする上で有効なのは、マスクをしっかりと装着することです。特に、誰が感染しているか分からないような、大人数や不特定多数の人が長時間にわたって同じ場所にいるなら、お互いにマスクをする「ユニバーサルマスキング」が有効です。
ユニバーサルマスキングは、自分がウイルスを吸わないためだけでなく、自分が感染していた場合に、ウイルスを撒き散らさないようにするために必要です。街中でよく見かけるウレタンマスクは、自分を守るのには効果はほぼゼロで、うつさない効果もほとんど期待できないと著者は指摘します。マスクはきちんとした不織布マスクを使うようにすることで、感染リスクを下げられます。
また、手洗いをするだけでなく、うがいも同時に行うことで感染を防げます。うがいには他者にうつさない効果もあるそうです。うがいができない時は、こまめに緑茶を飲むようにしましょう。京都府立医科大の研究によると、緑茶などに含まれるカテキンが、試験管内で人の唾液に含まれる新型コロナウイルスの感染能力を低下させる不活化の効果があることが明らかになっています。
まだまだ、新型コロナウイルスに関してはわからないことが多いのですが、世界のプロフェッショナルな研究者が書いた論文をベースにし、対策を行うべきです。TVやネットから発信される間違った情報を鵜呑みにせずに、何が正しいのかを自分の頭で考えるようにしたいです。
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