エイミー・モーリンのメンタルが強い子どもに育てる13の習慣の書評


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メンタルが強い子どもに育てる13の習慣
著者:エイミー・モーリン
出版社:講談社

本書の要約

子どもによいコアビリーフを与えることで、子どもは力を発揮できるようになります。子どもに被害者意識を感じさせ、ダメ人間のレッテルを貼ると自信を失い、行動をやめてしまいます。両親は子どものためにネガティブな言動をやめ、子供のよいお手本になるようにすべきです。

子育てに影響を与えるコアビリーフ

コアビリーフは、子どもが出来事をどう解釈し、状況にどう反応するかに影響を及ぼす。さらに重要なのは、信念が自己暗示に変わる可能性があること。たとえば、自分に「ダメ人間」のレッテルを貼った子は、よりよい人生を生きる努力をしなくなる。あるいは、「どうせうまくいかない」と思い込んだ子どもは、持てる力をフルに発揮できない。コアビリーフは、その子の考え方、感じ方、行動に影響を与える。(エイミー・モーリン)

子育てで悩む多い親は多いと思います。私も2人の娘を育ててきましたが、子供たちが大人になった今でも悩みは尽きません。サイコセラピストで、習慣術の本を出版するエイミー・モーリンは、子育てにも習慣術を使うべきだと述べています。

子どもによいレッテルを貼るようにすれば、彼らはよいコアビリーフを身に付けます。子どもが自分を信じられるようになると、結果を出せるようになります。バスケットボールのチームに入れなかった2人の子どものケーススタディを学ぶことで、コアビリーフがどう影響するかを理解できます。

■1人目の子ども
・コアビリーフ:ぼくはいまいちだ。
・思考:バスケがうまくなるわけがない。ぼくはスポーツに向いていない。
・感情:悲しい。拒絶された気分。
・行動:バスケをやめてしまう。

■2人目の子ども
・コアビリーフ:ぼくはデキる人間だ。
・思考:練習すればうまくなるだろう。来年はチームに入れるかも。
・感情:強い決意。希望に満ちた気分。
・行動:毎日放課後に、バスケの練習をする。

コアビリーフは、あとで修正することもできますが、大人になってから改めるのはなかなか大変だと著者は言います。間違った思い込みを子どもに与えるのをため、よいコアビリーフを気付けるように親はサポートすべきです。親はわが子が健全なコアビリーフを育むように支えるだけでなく、どうすれば思考と感情の手綱を握り、実りある行動を取れるのか、コツを教える必要があります。

本書には、メンタルが強い子どもを育てる13の習慣が紹介されていますから、このメソッドを親が学ぶことで、子どもの未来をポジティブなものに変えられます。
習慣01:わが子に被害者意識を持たせない
習慣02:罪悪感で甘やかさない
習慣03:わが子を世界の中心にしない
習慣04:過保護にならない
習慣05:わが子の言いなりにならない
習慣06:完璧を期待しない
習慣07:わが子の尻ぬぐいをしない
習慣08:わが子を苦しみから守らない
習慣09:わが子の機嫌を取らない
習慣10:わが子の失敗を防がない
習慣11:しつけとお仕置きをはき違えない
習慣12:とりあえずの解決に走らない
習慣13:自分の価値観を手放さない

今日はこの中から「被害者意識を持たない」を紹介さいたいと思います。

被害者意識を子どもに持たせないようにしよう!

ADHDの子どもを持つ親は、それを理由に子どもを甘やかすことがあります。「ADHDだから勉強しなくても許される」と親が思うことで、そのメッセージをわが子にも送っています。その結果、子どもは「ADHDだから、ほかの子についていくのは無理だ」という考えを受け入れて、努力をやめてしまうのです。

著者はADHDの子どもの治療で、次の3つの問題に取り組むことにしました。
1、両親は子どもの教育を後押ししなくてはならない。
両親は、「学校が変わるべきだ」と訴えることで、子どもの教育を後押ししているつもりでしたが、真の変化は、家庭から始める必要があります。
2、家族みんなに、ADHDの教育が必要だ。
情報があれば、両親は、どう支えれば、子どもが症状をコントロールできるかを学べます。
3、子どもは自分を「成功できる子だ」と考えなくてはいけない。
「ADHDが成功の邪魔をするとは限らない」と知ることで、課題の克服法が見つかります。

まず、子どものADHDと今後について、家族で学んでもらいました。ADHDを持つ学生の大半が授業についていけると知って、子どもは目を丸くしていました。ADHDと診断されたミュージシャンやアスリートや有名起業家が何人もいると知って、わくわくすることで、子どもも両親も、希望が持てるようになったのです。ADHDと診断されても、人生でやりたいことは何だってできるのだ、と信じることで、彼らの意識と行動が変わりました。両親は、子どもの教育を一生懸命サポートするようになりました。

親の中には、自分を不幸な状況の被害者だ、と考えている人もいる。「成功できない」「幸せになれない」という思い込みは、親自身の子ども時代に端を発しているのかもしれない。「私は、悪さをするわが子の被害者だ」と思っている親もいるし、自分では被害者意識を持っていなくても、わが子の被害者意識にうっかりお墨付きを与えてしまう親もいる。そんな姿勢は、深刻な結果を招きかねない。

両親は自分の姿勢が子どもの被害者意識をあおっていないか、よく考えてみましょう。親は「人生に試練はつきものだけど、あなたにはそれに対処する力がある」と教える必要があります。被害者意識を持つ子どもは、世の中はイヤな場所で、人は自分の邪魔をすると考えがちですが、そんなコアビリーフを持つと未来は暗くなります。

両親は子どものためにネガティブな言動をやめ、子供のよいお手本になる4つの方法を実践すべきです。
1、ポジティブになる。
子どもの前での愚痴をやめましょう。子どもの世界観に悪影響を及ぼさないために、ネガティブな言葉より、ポジティブな言葉を使うようにします。

2、「イヤな思いをぶちまけたい」衝動を抑える。
1日の出来事を友達や家族とおしゃべりするのは「ストレス解消」になりますが、イヤな思いをぶちまけるのは聞き手にも話し手にも害を与えます。おしゃべりには、感情を処理するというよい面もありますが、毎日のようにネガティブな思いを吐き出さないように気をつけましょう。

3、前向きな変化を生み出す。
世の中あるいは、少なくとも誰かの世界をよくすることができる、と子どもに示しましょう。親切な行動を取り、ほかの人たちを助けるのです。「誰もが世の中をよくする力を持っている」とわが子に教えることで、子どもは他者のための行動をします。

4、はっきり物を言う。
順番待ちの列に誰かが割り込んだら、礼儀正しく、はっきりと指摘を行います。両親がしっかり自己主張するのを見たら、「子どももおとなしく被害者でいる必要はない」と学びます。子どもに自分を信じることを教えることで、よいコアビリーフが身につきます。

被害者になることを拒む子どもは、自分を哀れんで時間をムダにしない。その代わり、行動を起こすだろう。「私は、自分の人生とほかの人たちの人生をよくする力を持っている」と信じているからだ。自信を与えられた子どもは猪突猛進型の大人になるから、世の中をよりよい場所にしようと全力で取り組むだろう。メンタルが強い人たちは、自分を哀れんだりしない。

子どもに自信を与えたいなら、子どもに被害者意識を与えてはいけません。子どもを無力な被害者扱いするのではなく、人生の試練にしっかりと立ち向かえるように、自信を与えなければなりません。人生がタフだとしても「あなたはそれ以上にタフなのだ」と教えましょう。ポジティブに生きる力を伝えることで、子どもは自信を持ち、思い通りの人生を送るスキルを手に入れます。

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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