アフターコロナ時代の7つのメガトレンド


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アフターコロナ 見えてきた7つのメガトレンド
著者: 日経クロステック
出版社:日経BP

本書の要約

コロナウイルスとの共存が当たり前になる中で、ビフォアコロナ時代の経営をすることはリスクになっています。経営者や起業家はアフターコロナ時代を見据え、変化する時代に素早く行動し、イノベーションを起こす必要があります。制約下でこそ、生まれる発明があると信じ、行動を起こすのです。

アフターコロナ時代の7つのメガトレンド

制約下でこそ、生まれる発明がある。

今年の2月、日本ではまだこれほどの事態になるとは思われていない中、私はビジネスのためにベトナムを訪れていました。彼らは中国人の往来をいち早く禁止し、ウイルスの侵入を防ぐことを選択します。ウイルス対策のアプリがリリースされ、空港のデジタルサイネージにはコロナ対策のメッセージが溢れていました。一党独裁と揶揄されるベトナムは強権を発動しながら、一気にコロナウイルスを撃退します。外国人が減り、観光業が大打撃を受けるなど一時的に経済は停滞しますが、短期間で患者を減らすことに成功し、新型コロナ対策の優等生と言われています。ベトナム政府への国民の信頼も熱く、遅々として進まぬ我が国の状況を見ていると羨ましい限りです。

Politicoが行なった「新型コロナウイルス対策を最も効果的に行なっている国ランキング」によると、ベトナムは調査対象の30カ国・地域中でいちばん高い評価を受けています。日本は経済の落ち込みが酷く、台湾や韓国より評価が低くなっています。

失敗した過去は変えられませんが、この半年の経験を糧に未来を変えることは可能です。本書を活用し、ウイズコロナ時代に起こったことを時系列かつ多様な視点で見ることで、アフターコロナ時代の経営のヒントが見えてきます。

日本でも緊急事態宣言は解除されましたが、再び患者数が増加するなど、状況は一進一退を続けています。私たちはしばらくこのウイルスと共存せざるを得ません。過去の生活様式が通用しない時代になった以上、私たちは生き方を変え、新たな選択をする必要があります。

現状から未来を予測し、課題を発見することが、政治家や経営者には求められています。今後、起こりうる事態をしっかり予測できれば、アフターコロナ時代に適応できるはずです。制約下でこそ、生まれる発明があると考え、起業家や経営者は今こそイノベーションを起こすべきです。

本書では、コロナ禍を機会と捉えた日経クロステックの編集部が、今後7つのメガトレンドを以下のように整理しています。
■分散型都市
■ヒューマントレーサビリティー
■ニューリアリティー
■職住融合オフィスと住宅を再発明せよ
■コンタクトレステック
■デジタルレンディング
■フルーガルイノベーション(今ある技術やサービスを素早く最適化する)
企業が自らゼロからイチを生み出す余力がない中で、既存の技術やプロダクトを活用して、アジャイル(素早く)に新サービスを提供するフルーガル(倹約型)なイノベーションがトレンドになっていくという考え方に共感を覚えました。

アフターコロナ時代にイノベーションを起こす方法

第1段階はまさに今。まだ、いつ収束するか分からないフェーズです。短期的に業績に甚大な影響が出る。現金を確保してしのぐしかない。第2段階は収束が見え始めたころ。生き残った企業を中心に、これを好機と捉えて仕掛けるプレーヤーが多く現れるでしょう。この段階が極めて重要です。全体的にアセットの価格が下がっているので、様々な業界でM&A(合併・買収)が予想されます。ここで攻めの投資ができるか。例えば航空産業は高い確率で業界再編が進むはずです。中国系の航空会社などが同業を買収するといった動きがもう出ているとも聞きます。その後、第3段階が、世間で言われているニューノーマル(新常態)に近いでしょう。世界の大きな方向性が見える。でも、それを予測するのは第1・第2段階なんですよね。第3段階では遅い。(入山章栄)

新型コロナウイルスが私たちの働き方を一気に変えました。企業も生き残りを掛け、様々な取り組みをスタートしています。業績を落とす会社もあれば、逆に業績を伸ばす会社も出るなど、企業のパワーバランスもこの半年間で激変しました。

やがて出現する新しい世界の勝ち組になるためには、変化する時代に素早く行動する必要があると早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏は指摘します。

実際、住まいや働き方という視点で見ると、「分散型都市」「職住融合」という2つのトレンドが見えてきます。テレワークが急速に進展し、通勤時間が減る中で、テック企業や不動産会社、自動車会社は新たな動きを見せています。

また、患者の動きを追跡する「ヒューマントレーサビリティー」や、三密を避ける技術「コンタクトレステック」が一気に動きはじめています。人との接触を避けつつ生活やビジネスを継続させるためには、テクノロジーの力を借り、患者をすぐに発見し、隔離しなければなりません。接客や看護の現場でロボットが私たちの近くで、働くことが当たり前になります。5Gで遠隔化が加速すれば、治療や教育など様々なサービスのオンラインシフトが進み、ベンチャー企業のチャンスが広がるはずです。

入山氏はアフターコロナ時代は不確実性が高くなり、イノベーションがより重要になると言います。

イノベーションは不確実性が高いので、多くの日本企業が取り組めてこなかった。今後、不確実性がさらに増すのは間違いない。そうであれば、イノベーションに取り組む力がますます必要なのです。そのためには、未来に向かってのビジョンと、それに対する「腹落ち」の浸透が問違いなく必要になる。経営学の言葉で言えば「センスメーキング」です。

未来に向かってのビジョンを明確にし、課題を発見し、解決するための「知の探索」を今すぐスタートすべきです。要素と要素を組み合わせることで、新しいアイデアが生まれますが、このコロナ時代にはより創造力が重要になります。

アフターコロナ時代は不確実性は増しますが、これから起こる変化の多くは予測できるはずです。ビフォーコロナ時代には戻らないという現実を見据え、このコロナ禍というトラブルをチャンスと捉えるべきです。

アマゾンのジェフ・ベゾスの書簡に引用されたドクター・スースの言葉が、本書のエピローグで紹介されていますが、私たちはこの言葉を信じ、変化を選択し、強くなるべきです。

何か悪いことが起きた時、人には3つの選択肢がある。その出来事に縛られるか、打ちのめされるか、もしくは強くなるかだ。(ドクター・スース)

7つのメガトレンドを意識し、ビフォーコロナを振り切る勇気を持つことで、私たちはもっと強くなれるはずです。コロナに打ちのめされるのではなく、コロナ禍をチャンスと捉え、イノベーションを起こしましょう!

 

 

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