高城剛氏の高城式健康術55~医師が教えてくれない家庭の医学~の書評


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高城式健康術55~医師が教えてくれない家庭の医学~
著者:高城剛
出版社:光文社

本書の要約

パフォーマンスを高めるためには、脳と体の健康を維持することが大切ですが、現代人は睡眠や食事に問題を抱えています。日本人は多くの「毒」を体に蓄積することで、健康を害しています。自分の食生活や環境を見直し、自分の体を守る行動によって、脳と体の健康を取り戻せます。

食事と環境が日本人の健康に害を及ぼしている?

いったいなぜ、ここまで現代病が蔓延しているのだろうか?その理由は、この50年で驚くほどに「食事と環境」が変わってしまったからに他ならない。(高城剛)

パフォーマンスを高めるためには、脳と体の健康を維持することが大切ですが、現代人は睡眠や食事に問題を抱えています。デジタルギアを使いハードに働くことで、睡眠時間を減らし、私たちは体に疲れをため込んでいます。ファストフードや加工食品などの食事は、間違いなく体に悪影響を及ぼします。

食品メーカーやサプリメント業者は上手なマーケティングで、自社のプロダクトの有効性を宣伝しますが、自分の体にフィットした製品を見つけなければ、効果を得られません。日本の健康の常識は企業にコントロールされていると考え、海外の正しい情報を入手するなど、自分の身を自分で守る行動をしなければ、大事な命を縮めてしまいます。

実は、私も長年花粉症に苦しんでいましたが、グルテンフリーやファスティングを実践することで、体質を改善できました。まさか、一般に流通している小麦が体に悪いとは思いもしませんでしたが、様々な文献を読み、グルテンの弊害を理解できました。

著者の高城氏は、様々なメソッドやサプリメントを組み合わせ、自分の健康を取り戻すことに成功します。過去に安価なサプリメントに頼り、逆に健康を害したこともありましたが、海外や日本のクオリティの高いサプリに出会うことで、徐々に体が変化したと言います。本書には、その体験から生まれた55の健康法が紹介されています。

人間は、もう何万年も進化していないのに、疾病の数は年々増えている。特に第二次世界大戦後の世界で。それは「環境と食事」が、ここ数十年で驚くほどの速度で変化したからに他ならない。

著者はまずは、自分の体内の毒に注意し、それを排出すべきだと言います。現代人は食事だけでなく、環境の変化から、様々な有害物質を体内に蓄積しています。

私たちが食べている日本のマクドナルドとアメリカのマクドナルドでは使われている油が違うことをご存知でしょうか?今でも日本のマクドナルドでは「体に悪いもの」の代名詞である「トランス脂肪酸」が使用されています。2003 年世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)は、トランス脂肪酸に関して「総摂取エネルギー量の1%未満」という国際基準を設けました。その後、2006年にはアメリカでも商品パッケージへの含有量表示を義務づけたことから、アメリカ保存食品製造業者協会(GMA)によれば、加工食品への使用量は86%も減少しました。

今では、米国のマクドナルド他、スターバックスやKFC(などのファストフードチェーンは、(顧客から訴えられないように)米国内ではもうトランス脂肪酸を使用していませんが、日本のマクドナルドは、今でも使用を続けています。

米国では、法律と条例により、2021年までにトランス脂肪酸を多く含むマーガリンやショートニングなどの油が、食品市場から完全に消えることが決まっていますが、日本では厚生労働省が規制しておらず、表示義務すらありません。このように日本は海外で禁止された「毒」が当たり前のように流通していますから、情報に敏感になり、健康に悪い食品を摂取しないように注意を払うべきです。

毒に囲まれた日本人の生活環境

日本には本当に多くの「毒」が蔓延しています。 高城氏は以下の例をあげ、日本の現状を憂いています。
■砂糖の200倍の甘さを持つ甘味料「アスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物
(発がん、視力低下、内臓異常、うつ症状、てんかん発作、ストレス増加、精子減少、体重漸増、パーキンソン症発症などに有害性論文多数)

■バターの使用や手間のかかる調理をせずに、サクサク感を出せる、菓子パン、クッキーの必需品「ショートニング
(動脈硬化、心臓病、ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などに有害性論文多数)

■パック野菜からイクラ、たらこまで!色とりどりの食品を輝かせる「亜硝酸塩
(発がん、遺伝子に悪影響、頭痛、記憶障害、うつ症状などに有害性論文多数)

■もっちり感、とろみをつける「増粘多糖類(及びカラギナン・グアーガムなど)」
(胃潰瘍、食欲不振、衰弱、発がん、軟便、慢性的な腸の不調などに有害性論文多数)

■コンビニ弁当からシャンプーまで使用され、何日も保存できる魔法の保存料「ソルビン酸カリウム
(発がん、成長不順、腎臓肥大などに有害性論文多数)

世界一利便性の高い国と言われている日本が、先進国で唯一がんが増えている理由は、食品に含まれる「毒」である可能性が高いのです。そして、これらの「毒」には中毒性があるため、加工食品を食べ続ける人は、自ら健康を蝕んでいるのです。

先進国中で唯一、がんが増えている理由は、なにも口の中に入れるものだけではない。日本の基準が緩いため蔓延し、日々「毒」が撒き散らされている。

除草剤「ラウンドアップ」の危険性が、最近では一部のメディアでも取り上げられるようになりましたが、この有害物質の日本での流通が加速しています。米・モンサント社(現在は独・バイエル社による買収により企業名は消滅)が、1974年に発売した「ラウンドアップ」は、グリホサートを主成分とした除草剤です。このグリホサートは猛毒を含んだ危険な薬品ですが、これが大量に含まれた除草剤によって、まさに日本人の健康が脅かされようとしています。

2015年に世界保健機関(WHO)の外部組織「国際がん研究機関」が、「ヒトに対しておそらく発がん性がある」というカテゴリーに指定しました。アメリカでは、ラウンドアップを使用してがんになったとして、モンサント社を訴えていた原告が次々に勝訴しています。同様の訴訟は1万3000件以上も起こされている危険な製品が、ラウンドアップなのです。

カナダでは、2012年末までに全州で芝生や庭での使用を禁止し、欧州でもオランダやフランス、スウェーデン、ノルウェーがラウンドアップの販売や使用を禁止しました。ところがそれに逆行し、2016年に日本では、内閣府食品安全委員会が「ラウンドアップは安全」と承認し、農協が使用を推奨しています。世界中で規制が強化され販売先を失ったラウンドアップが、日本市場で拡販されています。近所のホームセンターでは、海外で禁止された「毒」 が流通しているのです。

日本は米国に付度するがごとく、グリホサートに関し「神経毒性、発がん性、繁殖能に対する影響、催奇形性及び遺伝毒性は認められなかった」などとする評価書を2016年7月に発表しただけでなく、厚生労働省は2017年12月、一部の農産物の残留基準値を引き上げました。

特に目立つのがパンやパスタ、シリアルなどの原料となる穀類で、小麦は5ppmから6倍の30ppm ライ麦が0.2ppmから150倍の30ppm、トウモロコシが1ppmから5倍の5ppmへと、残留基準値が大幅に引き上げられ、そばも0.2p㎜から30ppmへと150倍に緩和されました。今回、この情報を本書で知りましたが、日本がアメリカの属国でしかなく、日本政府が国民を軽視している現実に怒りを感じました。

環境による有毒物質は、このグリホサートに限りません。たとえば化粧品や洗剤に含まれ、プラスチック容器をレンジにかけた際に出る毒として知られるフタル酸エステルや、生物化学兵器にも使われている有機リンやピレトリン殺虫剤などの有毒化学物質が、私たちの健康を害しています。体や環境に配慮した物を選ぶことが、私たちの健康には欠かせません。自分の体を守るのは自分だと考え、メディアの情報に流されないようにしましょう。

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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