ニューノーマル時代に経営者が顧客のために行うべきこと。


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世界最高峰の経営教室
著者:広野彩子
出版社:日経BP

本書の要約

新型コロナウイルスの影響が「ニューノーマル」という新たな風を吹き起こしています。経営者は新しい状況に適応しながら、回復力を高め、創造力を発揮すべきです。企業はロイヤルティの高い顧客との関係を維持するためにソーシャル・プログラムやDXへの投資を行う必要があります。

新型コロナウイルスが蔓延する中、企業は何をすべきか?

私たちは今回の出来事をきっかけにして、いろいろなことを変えていくことになるだろう。そして、ここから多くの人々が充実し満足する生活ができる機会が得られる「ニューノーマル」をつくっていくべきだ。(フィリップ・コトラー)

広野彩子氏の世界最高峰の経営教室書評を続けます。今日は新型コロナウイルスが蔓延する中で、企業がどのようなコミュニケーションを行い、顧客との関係を築いてきたかを考えてみたいと思います。

マーケティングの大家であるフィリップ・コトラーは、ニューノーマル時代には、マーケティングの在り方も大きく変わると述べています。企業は消費者や競合他社の行動や政府の規制が大きく変化したことを踏まえ、製品やサービスの戦略、メディア・プラニングやリレーションシップを再考する必要があるのです。アメリアやヨーロッパでは再びコロナウイルスが猛威を奮っていますが、生き残るために経営者は様々な取り組みをしなければなりません。

コトラーはいくつかの興味深いケーススタディを紹介しています。アメリカのフォード・モーターは車両を宣伝する全国的な広告を一時休止し、その代わりに新型コロナウイルスへの対応を説明する新しいキャンペーンを展開しました。「Built To Lend a Hand」というCMを急遽オンエアし、支払い期限を遅らせることで、ローン支払いの救済を顧客に提供する告知を行いました。新車購入者は最初の支払いを90日間遅らせることができるようにしました。 フォードはまた、学校に通っていない子供たちのための食糧プログラムを支援するなどのチャリティー活動を増やしています。地元のフードバンクを支援するためにフードドライブを運営しています。

Built to Lend a Hand – Coming Together

同社は学校に通っていない子供たちのための食糧プログラムを支援するなどのチャリティー活動を増やしています。地元のフードバンクを支援するためにフードドライブを運営するなど、苦境に立つ国民を助けようとしています。

それ以外にも新型コロナウイルスの感染者が重症化した場合に必要になる人工呼吸器を、ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア部門と提携し、ミシガン工場で生産しています。

ニューノーマル時代に経営者がやるべきこと

マリオット・インターナショナルは、医療従事者と地域介護者などのエッセンシャルワーカーへのサポートを行いました。新型コロナウイルスと戦っている医療専門家に1000万ドル相当のホテル滞在を提供したのです。ニューヨーク、ニューオーリンズ、シカゴ、デトロイト、ロサンゼルス、ラスベガス、ワシントンDC、ニューアークの各都市において、真っ先に救助の現場に向かう「ファースト・レスポンダー」(第1救助隊)と医療専門家に対して無料か通常より低料金で客室を提供したのです。展開する多くのホテルでは食料品、クリーニング製品、マスク、手袋、抗菌ワイズ 消毒剤、シャワーキャップを提供しました。

ハンバーガーチェーンの米バーガーキングは、10ドルを超える注文の配達料金を免除する新しい広告キャンペーン「StayHome of the Whopper」を実施しました。広告では看護師たちへのワッパーの寄付、米国の看護師財団のコロナウイルス対応基金を支援する寄付について紹介しています。

Burger King | Stay Home of the Whopper

美容・化粧品のブランドは、新型コロナウイルスの感染拡大により世界各地で、店内での美容トリートメントやサービスを中断しました。サロンとスパを閉鎖せざるを得なくなり、売上高の約80%を失ったところもあります。ニューヨーク発祥のスキンケア・ブランドのキールズは、DXでこの危機を乗り越えようとしています。

コロナウイルスの感染拡大はコスメマーケットにも多様な変化をもたらしています。それは単に消費者の行動パターンの変化にとどまらず、ブランドのPR活動にまで影響を及ぼしているのです。そんな中、キールズはバーチャル・コンサルティングを開始し、ユーザーを積極的にサポートしています。

キールズは、Instagramページをバーチャルのメンタルヘルスとウェルネスセンターに変えました。ブランドは、自己隔離中の精神的健康を促進するために、定期的なコミュニティへのチェックインを顧客に促しました。また、スキンケアの専門家との「マスク&瞑想」から「ヘルシースキンハッピーアワー」セッションまで、一連の無料のバーチャルウェルビーイングプログラムを実施しました。

その他の会社の取り組み
■ユニリーバ
1億ユーロのクリーニング製品などを提供するほか、商品のサプライヤーに対しても5億ユーロのサポートを提供。
■ビール会社のモルソン・クアーズ
バーテンダー向けの緊急支援プログラムに100万ドルを提供

新型コロナウイルスが社会に影響を及ぼす中、経営者は困難を乗り越えながら、以下の対応をしなければなりません。
◯顧客をどの ように維持するか?
◯どの従業員を解雇するか?
◯どのサプライヤーやディストリビューターと取引を続けるのか、あるいは打ち切るのか?
◯「誰に対してどんなサポートをするのか?

コトラーはその際、経営者には3つの選択肢があると指摘します。
1、これまでやってきたことを継続する。
2、新しい戦略に移行する。
3、経営することをあきらめ、会社を売却したり、場合によっては破産する。

新しい戦略に移行するためには、考え得るすべての行動を明確にしなければなりません。顧客と従業員にとってベストな方法を選択知るために、徹底したブレーンストーミングを行いましょう。

状況は厳しくとも、新型コロナウイルスの感染はいつか収束する。そのときに備えて「電源をすぐに再びオンにできる」ようにしておくのだ。すなわち、マーケティングのプログラム、商品の価格、販売チャネルを調整することによって、自社にとって最適な位置、状況、サイクルを維持できるように準備しておくべきだ。

経営者はすべての従業員に対して現実をしっかり示す姿勢が欠かせません。今置かれた状況を社員にきちんと説明し、会社を守り、そして再び成長軌道に乗せるために現実的な計画を示すようにすべきです。ブランド価値の毀損を防ぎ、顧客との関係を維持できれば、コロナ収束後、再び成長の機会を得られるはずです。日本でも再びコロナウイルスが猛威を奮っていますが、コトラーの提言を信じ、やるべきことを明確にしましょう。顧客やエッセンシャルワーカーのための施策が、企業の未来を明るくしてくれるはずです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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