超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築ける
五百田達成
ディスカヴァー・トゥエンティワン
本書の要約
雑談を繰り返すことで、相手のことをより理解できるようになり、信頼関係が築けるようになります。信頼関係、交友関係とは結局、雑談の積み重ねから生まれるのです。ふとした何気ない会話や雑談が、人生を変えるきっかけになります。
雑談とは互いの気持ちをラリーすること
雑談は、普通の会話とは、まったく違う。(五百田達成)
コロナ禍の中、Zoomミーティングが増え、雑談の機会が減っています。オンラインだといきなり本題に入り、短時間でミーティングを終わらせようとします。その結果、世間話や雑談をする機会がほとんどなくなり、チームワークに悪影響を及ぼしています。
アイデアは雑談から生まれることがあります。自分の中にあるアイデアの種に相手の何気ない一言が刺激を与え、面白いアイデアが頭に浮かぶようになります。本題以外の話をしなくなることで、相手との話題が少なくなり、目的を達成することだけに力が注がれます。すでに目的がある状態のみに集中することで、新しい目的やアイデアは生まれずらくなるのです。
雑談とは、「微妙な間柄の人と、適当に話をしながら、なんとなく仲良くなる」という、とても繊細な会話の方式です。
雑談という繊細な会話によって、個人とグループの関係を構築し、維持し、よいチームがつくれるようになります。Zoom会議でもいきなり本題に入るのではなく、世間話をし、相手への関心を示すことで、チームを強くできます。
雑談は、人間関係をよりよくし、パフォーマンスの高いチームを作る上で、不可欠なコミュニケーションなのですから、リーダーは仲間との雑談の時間を意識的に増やすようにすべきです。
では、リモート環境で雑談力を鍛えるためには、どうすればよいのでしょうか?そのヒントを本書から学んでいこうと思います。
雑談力を鍛える方法
「The show must go on」(直訳で「ショーは続けなければいけない」)という言葉がありますが、雑談も、とにかく続きさえすればいい。大切なのは「内容」ではなく「ラリー」です。
「雑談におもしろい話や結論は要らない。ただただ、続きさえすればそれでいい」と著者は指摘します。
「情報」ではなく「気持ち」をやり取りすることで、相手が心を開いてくれるようになります。ディベートとは異なり、相手を論破する必要はないのです。
「気持ちいい」「しっくりくる」「困った」「楽しい」などの喜怒哀楽の感情を伝え合うのが、「仲良くなりやすい雑談」の鉄則だと著者は言います。オンライン会議でもただ単にビジネスの情報をやりとりするだけでなく、お互いの感情をやりとりするのがよさそうです。自分だけが感じた生の気持ちを相手にシェアすることが、リモート環境で、相手との親密な関係を築くための一歩になります。
雑談においては、気持ちのやりとりを続けることが重要になりますから、以下の2つのコミュニケーションはNGになります。
①その気はなくても、相手の発言を否定・訂正する。
②よかれと思って、アドバイスをする。
雑談では、多少相手の話が間違っていようと、意見に違いがあろうと、目をつむって話を続けることが、正しい選択肢になります。
また、相手の話に対して、①とことん肯定して、②とにかく共感すると、さらにプラスの効果も生まれます。聞き手が良い態度で話を聞くことで、③相手が「気持ちを言いやすくなる」のです。人は、肯定され続けると、つい自分の気持ちを話したくなります。社外の人やチームの人間と、本音で話せるようにするために、雑談の力を活用しましょう。相手の本音を聞き出すことで、アイデアが生まれる可能性が高まります。
雑談力を身につけると、人に興味が持てるようになります。結果的に、人づきあいが広がったり、深まったりします。そしてごくたまに(そんなに頻繁には起きませんが)、一生モノの友人やパートナーを得ることもあります。
雑談を繰り返すことで、相手のことをより理解できるようになり、信頼関係が築けるようになります。信頼関係、交友関係とは結局、雑談の積み重ねから生まれるのです。
ふとした何気ない会話や雑談が、人生を変えるきっかけになります。チームワーク、人間関係の強化、アイデアを生み出すために、雑談力を鍛えるようにしましょう。オンライン会議が当たり前になる中、雑談を見直すとよいことが起こりそうです。
コメント