THE HEART OF BUSINESS(ハート・オブ・ビジネス)――「人とパーパス」を本気で大切にする新時代のリーダーシップ
ユベール・ジョリー,キャロライン・ランバート,ビル・ジョージ
英治出版
本書の要約
①世界が必要としていること ②自分の会社にできること ③従業員たちが突き動かされるもの、情熱を注げるもの、追求しているもの ④稼ぐことができるもの この4つの要素が重なるところに自社のパーパスがあります。個人のパーパスと会社のパーパスをつなげ、人と人との真のつながりを育みましょう。
ノーブル・オブ・パーパスの4つな要素
はじめに、何があなたを動かしているのかを知ることです。リーダーとしてのあなたのパーパス、あなたの周りの人々のパーパス、そしてこれら全てがどのように自社のパーパスと結びついているのかを明確にすべきです。(ユベール・ジョリー)
THE HEART OF BUSINESS(ハート・オブ・ビジネス)――「人とパーパス」を本気で大切にする新時代のリーダーシップの書評を続けます。リーダーは自らのパーパス(存在目的)と組織のパーパスを明らかにし、それをメンバーにたえず伝える必要があります。
元ベスト・バイのCEOで、現在はユベール・ジョリーはノーブル・オブ・パーパスの4つな要素を明らかにしています。
①世界が必要としていること
②自分の会社にできること
③従業員たちが突き動かされるもの、情熱を注げるもの、追求しているもの
④稼ぐことができるもの
この4つの要素が重なるところに自社のパーパスがあるのです。
このパーパスを実現するために、まずリーダーは自分のマインドセットと行動を変えるべきです。 パーパスのある組織のリーダーは、人を率いるために自分の弱さを受けとめ、失敗から学び、周りと比べたベストではなく自分のなかのベストを目指す必要があります。
自分の至らなさを十分に認識しながら、ときには自分の弱さもさらけ出すことで、組織のメンバーとの関係をよくできます。自社のパーパスを人間らしく社員に伝えることで、彼らの力を引き出せます。
自社の企業文化を変え、メンバーが互いにリスペクトし、つながることで、ダイバーシティ&インクルージョンが生まれます。個人のパーパスと会社のパーパスをつなげ、人と人との真のつながりを育み、自律性を後押しし、マスタリーを促すことで、人の働き方が変わり、組織のパフォーマンスが高まります。
パーパスを実現するためにリーダーがやるべきこと
個人のパーパスと会社のパーパスをつなげることで、組織は変わり始めます。そのためには、自分と周囲の人々のパーパスを理解し、それらと企業のパーパスの結びつきを明確にする必要があります。
次にリーダーとしての役割を明確にします。自分の行動によって、周りがもっと夢を見て、もっと学び、もっと行動し、もっと良い自分になりたいとかり立てられる人が真のリーダーです。
状況を選ぶことはできませんが、自分のマインドセットをコントロールすることは可能です。自分のマインドセット次第で、周囲のメンバーに希望や士気やエネルギーをもたらせます。
リーダーは最前線の現場でビジネスを牽引している人々に仕えなければなりません。同僚や取締役会にも仕える必要があります。自分の周りの人たちに仕え、その人たちが最高の力を発揮するために何が必要かを理解することで、サポートに最善を尽くすことができるようになります。 エグゼクティブ・コーチのマーシャル・ゴールドスミスは、すべての人を顧客のように扱うことがリーダーの仕事だと述べています。
危機を乗り切る際にリーダーが持っておくべき原則やモットーのひとつは、「正しいおこないをし、最善を尽くすのだ」という信念です。
同じ価値観を持つ信頼できる人たちに囲まれていれば、リーダーは自分ひとりで課題を解決することから解放されます。その人たちと一緒に正しく物事を判断し、共に最善をつくせます。そのためには部下やパートナーをリスペクトすることが重要です。
従業員がリーダーに求めているのは人間らしくあることです。彼らがありのままに受け止められ、敬意が払われ、耳を傾けてもらい、理解され、一員とみなされることを期待しています。リーダーは心を開き、知らないことがあれば知らないと認め、弱さをさらけ出す必要があります。 弱さを認めることが社会的なつながりの核心で、その社会的なつながりこそがビジネスの核心なのです。
リーダーは自分の弱さを他者に見せても良いのです。パーパスを実現するために、自分らしく振る舞い、他者の力を引き出せるように周りのメンバーとしっかりコミュニケーションをとることです。パーパスを熱意を持って、語り続けることで、メンバーの働き方が変わります。
失敗を許さない組織文化を改めることは、リーダー自身が完璧であろうとする気持ちを手放すことから始まります。自らは不完全であることを認め、自分へのフィードバックを受け入れることができれば、仕事への考え方や取り組み方が変わり、組織文化も変わっていきます。
コメント