運を味方にする 「偶然」の科学
バーバラ・ブラッチュリー
東洋経済新報社
本書の要約
「運がいい」とは、適切なタイミングで適切な場所にいることを意味します。そのためには、自分のスキルや才能に磨きをかけ、自分の能力を最大化する努力が必要になります。運がいい人は直観に注意を払い、本能に従い、すぐに行動を起こすと指摘します。彼らは偶然の力を信じ、失敗を恐れず、行動していたのです。
運をよくする4つの法則
運を信じれば、自分には状況をコントロールする力があると思えるかもしれない。そうすればパフォーマンスが向上し、成功しやすくなり、いい結果がでやすくなる。すると、次回、困った状況に追い込まれたときに、いっそう運を信じるようになる。(バーバラ・ブラッチュリー)
世の中には、運がいい人と悪い人がいますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか?アグネス・スコット・カレッジの心理学・神経科学の教授のバーバラ・ブラッチュリーが、運がいい人の思考、行動、習慣を明らかにしてくれました。本書で運を呼び込む方法を知ることで、人生をよりよくできるのです。
「運がいい」とは、適切なタイミングで適切な場所にいることを意味します。そのためには、自分のスキルや才能に磨きをかけ、自分の能力を最大化する努力が必要になります。
本書ではこのブログでもお馴染みのイギリスのハートフォードシャー大学で心理学を教えるリチャード・ワイズマン教授の研究が紹介されています。(リチャード・ワイズマンの関連記事)
ワイズマン教授は運を鍛えるためには、以下の4つの法則実践することだと言います。
1、運がいい人は、日常生活でチャンスをつくりだし、チャンスに気づき(注意を払い)、チャンスに基づいて行動します。
2、運がいい人は、直観や本能を信じて、本能に従って行動します。世界に対して直観をはたらかせるべきだと考え、そうした直観の声によく耳を傾けます。
3、運がいい人は、「自分は成功するし、目標を達成する」と思っています。そして、そのように自分の未来に期待することで、運に恵まれやすくしています。
4、運のいい人が不運に見舞われると望まないこと、恐ろしいことが起こると自分のミスから学び、その経験を未来への期待に組み込みます。そして、こんどはミスを回避してみせるという期待を利用して、不運を幸運に変えてしまうのです。
運がいい人たちは絶えずチャンスをさがしていて、ランダムな出来事に注意を払い、積極的に行動します。いっぽう運が悪い人たちは、ランダムネスを無視することが多く、行動を起こそうかと思案しても、結局はなにもしないことが多いのです。
運がいい人の共通点とは?
ランダムな出来事に対して行動を起こすからこそ、新たなアイディアが新たな方法で浮かんできて、新たなものをつくりだし、よりよいものを生みだせる可能性が高くなる。その結果、よりいっそう運に恵まれるようになるのかもしれない。偶然がもたらすチャンスが周囲にあることに気づけば、周囲で起こっていること全般に注意を向けるようになる。すると、身のまわりの出来事を解釈する方法が変わってくるのだ。
ワイズマンは運がいい人は直観に注意を払い、本能に従い、すぐに行動を起こすと指摘します。彼らは偶然の力を信じ、失敗を恐れず、行動していたのです。
リズ・デイとジョン・モルトビーは「自分はものすごく運がいい」と思っている人たちのグループに対して、認知機能の実験を行いました。結果、「運がいい」と思っている被験者は「運が悪い」と思っている被験者より楽観的で、未来に希望をもっていることがわかりました。
幸運を信じていればいるほど、その人は目標を達成しやすく、困難に直面しても粘り強く頑張る傾向があったのです。運がいい人は幸運は自分でコントロールできると考え、行動を起こすことで、自らの運を高めていたのです。
デイとモルトビーは、運がいい人は希望や自信をもち、楽観的だと言います。彼らは困難に直面しても、粘り強くがんばり、目標を達成したいという意欲によって行動を続けていたのです。
私たちは目標達成に意識を向け、偶然の出来事が起こったら、それを受けいれるべきです。自分の直感を信じ、アクションを起こすことで、結果を変えられます。私たちは偶然の力を積極的に利用し、あきらめない心を養うことで、運気を高くできるのです。
まずは、自分のマインドセットを変え、「自分は運がいい」と思うようにしましょう。ランダムネスを恐れず、直観に従ってチャレンジすることで成功に近づけます。運を信じ、行動を続けることで、自分の状況をコントロールできるようになり、パフォーマンスをアップできます。
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