100年学習時代 はじめての「学習学」的生き方入門
本間正人
BOW BOOKS
100年学習時代 はじめての「学習学」的生き方入門 (本間正人) の要約
人生100年時代は、自分をアップデートするために、学び続けることが欠かせません。現代社会における学びの重要性は、単に知識を得ることだけでなく、自己の可能性を探求し、他者とつながることで社会全体の幸福を追求することにあります。学び続けることで、変化の激しい時代にも対応し、豊かな人生を送ることができるのです。
人生100年時代は学習の時代
まさに「人生100年学習時代」が到来している今、最終学歴よりも最新学習歴の更新こそが、社会人としての成功の鍵を握り、人生を豊かにします。イノベーションをもたらします。社会を活性化します。 (本間正人)
現代社会は急速に変化しており、人々は一生涯にわたって学び続ける必要があると言われています。特に、最終学歴よりも最新の学習歴の更新が成功への鍵であるとされています。このような状況下で、私たちは「人生100年学習時代」という新しい時代に到達しています。
この時代において、常に新しい知識やスキルを身につけることが重要です。最終学歴だけではなく、最新の学習歴を持つことが、社会での成功や豊かな人生を築くための基盤となります。 新しい学習を続けることは、イノベーションを生み出し、社会を活性化させる一因となります。過去の知識や経験だけでなく、常に新たな情報や技術を取り入れることで、私たちはより創造的で柔軟な発想を持つことができます。
これにより、新しいアイデアやビジネスモデルが生まれ、社会全体が活気づくことができるのです。 さらに、最新の学習歴を持つことは個人の成長や満足感にも繋がります。新しいことを学ぶことで自己成長を促し、新たな挑戦や目標を見つけることができます。このような意欲的な姿勢は、人生を豊かにし、充実感を得るための重要な要素となります。
著者は、教育と学習の違いについて次のように述べています。
・教育=個人の外側から内側への働きかけ
学校や教師、教育プログラムなど、外部からの情報や知識が個人に伝達されるプロセスです。教育は、特定の知識やスキルを習得するための体系的なアプローチです。
・学習=個人の内側から外側への働きかけ
学習者が自らの興味や関心、必要に応じて情報を収集し、探求し、外部の世界と対話しながら知識を深めていくプロセスです。学習は自己主導的であり、個々の成長や発展を目的としています。
著者は「Learning Planet 2050」というビジョンを通じて、人類全体が協力し、学び合い、持続可能な未来を創造することの重要性を強調しています。このビジョンは、教育と学習のバランスを保ちながら、個人と社会の両方が成長し続ける世界を目指しています。
幸福感に与える影響力が最も大きかったのは、学歴ではなく、健康でした。
現代の研究によれば、幸福感に最も大きな影響を与えるのは学歴ではなく、健康です。続いて、人間関係や自己決定の自由が幸福感に寄与しています。所得や学歴の影響はこれらを下回り、特に学歴については有意差が見られないという調査結果もあります。また、最終学歴の高さよりも、自分の意志で人生の進路を決定したかどうかが幸福度に直結することも示されています。
著者は「勉強しなければ」という不安感を煽るのではなく、「学ぶことの楽しさ、素晴らしさ」を社会に広めることを目的に本書を執筆しています。人生100年時代に対応するため、学び続ける社会のインフラは整いつつあ流のですから、積極的に学ぶことに注力すべきです。古い教育観から脱却し、著者が提案する新しい「学習観」に立つことで、人生をエンジョイできるようになります。
学習とは、外界の未知なるものに働きかけ、つながっていくことです。これは他者や外的な環境と対話し続けることを意味します。学びたいと願う人が、すべての対象に働きかけ、語りかけ、耳を傾けるその「対話の営み」が続く限り、個人の可能性や社会の幸福は限りなく広がります。
自分の内なるポテンシャルを開花させることに集中し、自分が最も充実感を得られる活動に取り組むことが重要です。他者との比較ではなく、自分の成長に焦点を当てることで、無限の成長が可能となります。
長くなった人生を楽しむためには、様々なことにチャレンジするすることが重要になります。消極的な姿勢が人生を無為に過ごすことにつながる一方で、挑戦することで新たな発見や学びが得られます。たとえ失敗しても、それは次へのステップであり、成功への道が開けるのです。重要なのは、「Trial and Error」ではなく、「Try and Learn」の姿勢です。
人生100年時代の3つのラーニング
著者は人生100年時代には、3つのラーニングが必要だと言います。
①ライフロングラーニング(時間軸で学習を捉える)
ライフロングラーニングとは、人生を通じて学び続けることを意味します。これは、最新の学習歴を絶えず更新し続けることを指し、常に新しい知識やスキルを習得し続ける姿勢を持つことが重要です。現代の急速に変化する社会では、技術の進歩や経済の変動に対応するために、学び続けることが求められます。
例えば、ITスキルの習得や語学学習、専門知識の深掘りなど、継続的な学習は個人のキャリアアップや自己実現に繋がります。
また、人生100年時代には様々なライフイベントからも学べます。結婚や子育て、介護などの体験が、私たちに多くの学びを与えてくれるのです。
②ライフワイドラーニング(空間軸で学習を捉える。学ぶ場は無限)
ライフワイドラーニングは、学びが家庭内や学校外の活動を含めたあらゆる場所で行われることを意味します。つまり、学習は学校の教科だけでなく、家庭での生活や趣味、ボランティア活動、職場での経験など、多岐にわたる場面で行われます。
これにより、学びの内容がより豊かで多様なものとなり、実生活に直結したスキルや知識が身につきます。例えば、家庭での料理や掃除、地域社会でのボランティア活動、クラブ活動などがライフワイドラーニングの一環として位置付けられます。私たちは、街の中を観察することや昔の本やノートからも学べるのです。
私はこの書評ブログを書き続けて14年になりますが、以前の記事を読み返すことで、過去の自分との対話の時間を持つことができ、ここから様々なアイデアをもらっています。
③ライフディープラーニング(自己変容のための学習)
ライフディープラーニングは、人生の深さに焦点を当てた学習を指します。これは、人間的・精神的な成長を目指した学びであり、自己理解や他者との共感、倫理的な判断力を養うことを目的としています。学習は自己成長だけでなく、他者との対話や内省の時間によって、自分に深みを持たせられます。
例えば、哲学や心理学、文学の研究を通じて自己理解を深めたり、ボランティア活動を通じて他者との共感を育むことが、ライフディープラーニングの具体例です。
ライフロングラーニング、ライフワイドラーニング、ライフディープラーニングの3つの学びのアプローチは、現代社会において非常に重要な概念です。これらのアプローチを取り入れることで、個人の成長と社会への貢献が促進され、豊かで充実した人生を送ることができるでしょう。学び続けることで、私たちは変化に対応し、新たなチャンスを掴む力を養うことができます。
学習学的生き方とは、外界の未知なるものに対して働きかけ、つながっていく生き方なのです。 学習とは、他者や外界と限りなくつながっていこうとすることであり、学習学的に生きるということは、他者や外的な環境と絶え間なく対話していくことです。
学習学的生き方とは、外界の未知なるものに対して働きかけ、つながっていく生き方です。これは単なる知識の獲得に留まらず、他者や環境と絶え間ない対話を通じて、自らの成長と社会の発展を目指す生き方です。
学習とは、未知の世界に対して積極的に働きかけ、他者や環境との対話を続けることです。これは、自己中心的な学びではなく、常に外部の影響を受け入れ、その中で新しい知識や知恵を獲得していくプロセスです。例えば、新しい文化や考え方を学ぶ際に、その文化や考え方を生きる人々との対話を通じて理解を深めることが挙げられます。
また、自己の内面と対話し、自己理解を深めることで、より豊かな学びが実現します。これは、内省や反省を通じて自己を見つめ直し、新たな洞察を得ることを含みます。
学習は、単なる情報の収集に留まらず、それを知識として整理し、さらに深い理解を通じて知恵へと変えていくプロセスです。知識は外部から得るものであり、知恵はその知識を基に自らが創り出すものです。このプロセスは、実生活での応用や実践を通じて深化します。
学びたいと願う人が、さまざまな対象に働きかけ、語りかけ、耳を傾けるその「対話の営み」が続く限り、個人の可能性、社会の幸福は限りなく大きく広がります。これは、個人の成長が社会全体の幸福にも寄与するという考え方です。学習を通じて得た知恵や洞察を他者と共有することで、社会全体がより良い方向に進んでいくことが期待されます。
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