アフターChatGPT 生成AIが変えた世界の生き残り方 (山本康正)の書評

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アフターChatGPT 生成AIが変えた世界の生き残り方
山本康正
PHP

本書の要約

生成AIなどのテクノロジーの差分を問うことで、自身のスキルを向上させ、最新のツールやアルゴリズムを使いこなすことができます。常に新しいトレンドを追いかけ、生成AIを最大限に活用することで、自身の業務や仕事において競争力を持つことができるでしょう。 AIに置き換えられないためには、AIの特性をよく理解し、それを使い倒すことが重要になります。

ChatGPTをどう使い倒すか?

生成AIが登場した今、我々の創造性など、人類特有と思われていたことが、これからどうあるべきなのか、再考・再定義しなければならないでしょう。(山本康正)

生成AIの登場以降、私の働き方が大きく変わってきました。Googleの検索利用が減り、ChatGPTやBardなどを使う時間が増えています。生成AIというテクノロジーが私たちの業務や働き方が大きく変わるはずです。それだけでなく、生き方も再定義されると著者の山本康正氏は指摘します。

生成AIは、テキストや画像、動画などのコンテンツを自動的に生成することができます。そのため、多くの仕事が自動化される可能性があります。

例えば、事務作業やカスタマーサービスなどは、生成AIによって自動化される可能性があります。また、コンテンツ制作や翻訳などの仕事も、生成AIによって自動化される可能性があります。 生成AIが進化すれば、さらに多くの仕事が自動化される可能性があります。そのため、私たちは、自ら価値を生み出せるようにならなければなりません。

自ら価値を生み出すためには、創造性や問題解決能力、コミュニケーション能力などが必要になります。また、新しい技術を学び、新しいことに挑戦することも必要です。 生成AIは、私たちの生活をより便利に、豊かにしてくれる可能性を秘めています。しかし、私たちは、生成AIに依存するのではなく、自ら価値を生み出せるようにならなければなりません。

確かに、AIをクリエイティブなプロセスの一部として活用することで、自身のクリエイティビティをより発揮し、付加価値を創出することができます。以下に、AIを活用してクリエイティビティを引き出す方法をいくつか示します。

・アシストツールとしての活用
AIはクリエイティブプロセスの中でアシスタントとして役立つことがあります。例えば、イラスト制作においては、AIが生成したデザインを元にアイデアを得たり、デザインの一部を補完したりすることができます。これにより、既存のアイデアを拡張し、独自性を追求することができます。

・ツールやプラットフォームの活用
AIを活用したクリエイティブツールやプラットフォームを積極的に利用することも有益です。例えば、画像生成や音楽作成などのAIツールを使って、新しいアート作品や音楽を生み出すことができます。これによって、より多様な表現や独自のスタイルを追求することができます。

・AIとのコラボレーション
AIとの協力関係を構築することも重要です。AIは大量のデータや情報を処理し、パターンを見つけることが得意ですが、クリエイティブな発想や感性はまだ人間に求められます。AIが提供するアイデアや素材を基に、自身の感性や洞察を加えて、より深化させることができます。

・独自性とストーリーテリングの重視
AIが生成したコンテンツは大量に存在しますが、独自性やストーリーテリングの力はまだ人間に求められます。自身のクリエイティビティを発揮するためには、独自の視点やストーリーを追求し、AI生成のコンテンツに付加価値を与えることが重要です。

AIの活用はクリエイティビティをサポートする手段であり、人間の創造性や感性を補完するものです。自身のクリエイティブな視点やアイデアを大切にしながら、AIとの相互作用を通じて新しい表現や付加価値を生み出していくことが重要です。 

営業職においてもAIを活用することで、より効率的かつパーソナライズされた顧客対応が可能になります。AIを用いた自動生成メールや提案文のノウハウを身につけることで、顧客から指示されるビジネスパーソンになれます。

例えば、Microsoft 365 CopilotやGoogle Workspaceの新機能など、AIを活用したビジネスメール生成ツールは、顧客の属性やニーズに基づいてパーソナライズされたメールを自動的に作成することを可能にしています。これにより、一斉送信ではなく、個々の顧客に合わせた営業メールの配信が容易になります。

AIによる自動生成メールの活用においても、クリエイティビティは重要な要素です。単にテンプレートに基づいてメールを生成するだけではなく、メールの内容やトーンを独自にカスタマイズし、顧客との信頼関係を築くためには、営業職の個々のスキルや洞察が求められます。

AIの活用によって効率が向上する一方で、顧客との関係構築や信頼獲得においては、人間の手が必要となる場面もあります。営業職の成功には、AIを使いこなす技術とともに、コミュニケーション能力や洞察力といった人間的なスキルが依然として重要な役割を果たすことに変わりはありません。

なぜ、生成AIを使い倒すのか?

目の前にある仕事に向き合い、方針を定め、要点を取り出すのは、当面はまだ人間だからこそできる仕事です。自分には関係ないと切り捨てるのでも、よくわからないからと目を背けるのでもなく、「どうすればこの可能性を秘めたツールを自分の仕事に活かせるか」を真剣に考えていく。おそらく今後は、すべての業種において、その姿勢がスタート地点になるはずです。

生成AIがさまざまなサービスやプロダクトに組み込まれる流れは確かに進んでいます。 しかし、生成AIの回答や判断が100%正解であることはあり得ません。確かに性能が向上すれば誤った回答は減りますが、生成AIは大量のデータから確率に基づいて回答を生成する仕組みです。

そのため、完全な正解を保証することは難しいですし、時には大きなミスや根拠のない事実誤認も起こり得ます。 生成AIの性能向上は作業効率を大幅に向上させる可能性を持っています。ビジネス文書や議事録の要約など、生成AIを活用することで素早く作成することができ、その後に人間がチェックや手を加えることで品質を高めることができます。

また、生成AIを使って文書の改善や誤字脱字のチェックを行うことも、人間のチェックよりも確実性を高めることができるかもしれません。 ただし、生成AIの利用に際してはアンバランスさや限界も考慮する必要があります。生成AIは高度な処理能力を持っている一方で、クリエイティビティや感性、倫理的な判断といった人間の特性を持っていません。

そのため、生成AIを活用する際には人間の監視や判断が必要であり、AIの結果を慎重に検証することが重要です。 生成AIをうまく仕事に取り入れることで、作業効率の向上や生産性の向上が期待できますが、その活用方法や制約については慎重に考える必要があります。技術の進歩に伴い、AIと人間のバランスを保ちながら、より効果的に活用していくことが求められるでしょう。 

ホワイトカラーの職種において、生成AIが有効なツールとして、今後さらに日常の業務に溶け込んでいく可能性が高いでしょう。一定の年数が経つと、自分が今使っているサービスが生成AIによるものだと自覚しないまま、まるで空気のように活用していく人たちが多数派になっていくかもしれません。

生成AIは、ホワイトカラーの職種において、様々な業務を効率化することができます。また、生成AIは、人間が思いつかないような新しいアイデアを生成することもできます。そのため、生成AIは、ホワイトカラーの職種において、今後ますます重要になっていくでしょう。テクノロジーが進化すれば、働き方が変わることは歴史が証明してみます。

生成AIを使い倒す際には以下の2点を留意すべきです。
①最終チェックは、現時点では人間の役割
生成AIは時折突拍子もない回答を返すことがありますし、大量のデータの中には妥当性やバランスに欠ける情報や差別的な思想が含まれる可能性もあります。そのため、「最終チェックは、現時点では人間の役割」という考え方が重要です。

生成AIは確かに高度な処理能力を持ちますが、クリエイティビティや感性、倫理的な判断といった人間の特性は模倣できません。人間が最終的なチェックや判断を行うことで、AIの回答の妥当性や品質を確保することが重要です。

また、生成AIにインプットされるデータの品質やバイアスについても懸念があります。大量のデータの中には誤った情報やバイアスが含まれる可能性があるため、その点には注意が必要です。適切なデータの選別やフィルタリング、さらには倫理的なガイドラインや規制の導入が求められます。

AIの利用は技術の進歩とともに進んでいますが、その活用には慎重なアプローチが必要です。最終的なチェックや人間の判断は、AIがまだ対応できない側面やリスクをカバーする役割を果たします。人間とAIが協調し、倫理的な視点や社会的な責任を持ってAIを活用していくことが重要です。

②常に「差分を問う」スタンスを持つ
生成AIを使いこなすための2つ目のポイントは、常に「差分を問う」スタンスを持つことです。では、具体的にどのような差分を問うべきでしょうか? それは、テクノロジーの差分です。

テクノロジーは常に進歩しており、新たなツールやプラットフォームが登場します。生成AIも進化を続けており、新しい機能やアルゴリズムが開発されています。そのため、テクノロジーのトレンドに敏感になり、使えるレベルになったらすぐに活用することが重要です。 新しい機能やアルゴリズムを追いかけることで、より高度な生成AIを使いこなすことができます。

例えば、生成AIの改良によって生成されるテキストの品質や表現力が向上した場合、それを積極的に活用して自分の仕事や業務を効率化し、付加価値を生み出すことができます。 さらに、他の人々や組織がどのように生成AIを活用しているかにも注目しましょう。他の人々のアイデアや実践を学び、自身の仕事に活かすことができます。コミュニティや学術界、産業界の最新の研究や事例を追いかけることも重要です。

生成AIなどのテクノロジーの差分を問うことで、自身のスキルを向上させ、最新のツールやアルゴリズムを使いこなすことができます。常に新しいトレンドを追いかけ、生成AIを最大限に活用することで、自身の業務や仕事において競争力を持つことができるでしょう。 AIに置き換えられないためには、AIの特性をよく理解し、それを使い倒すことが重要になります。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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