1%読書術 1日15分の知識貯金 (マグ)の書評

person picking white and red book on bookshelf

1%読書術 1日15分の知識貯金
マグ
KADOKAWA

本書の要約

毎日わずか15分(1日の1%)を使って効率的に本を読むことで、私たちは多くの恩恵を得られます。わずか15分お積み重ねの力は、知識だけでなく洞察や視点、さらには問題解決能力にも寄与します。少しずつでも新しい知識や視点に触れることで、日常生活や仕事においても多角的な視野で物事を考えられるようになるのです。

1日1%15分の読書は効果があるのか?

15分は魔法の単位。1日1%の知識貯金で、10年後圧倒的な成果を出す。(マグ)

「1%読書術」というコンセプトは非常に興味深いものです。著者のマグ氏が提案するように、毎日わずか15分(1日の1%)を使って効率的に本を読むことで、長期的にはその知識と洞察が人生に大きな影響を与える可能性があります。

このアプローチは、時間管理やスキル獲得においてもよく使われる「マージナルゲインズ(微細な改善)」の理論に似ています。マージナルゲインズは、非常に小さな改善や進歩が積み重ねられることで、最終的には大きな成果やパフォーマンスの向上につながるという考え方です。この概念は、ビジネス、スポーツ、日常生活など、多くの領域で適用されています。

1%読書の良い点は、誰でも短い時間を見つけて続けることができる点です。多忙な人や、本を読む習慣がない人でも、15分という短い時間なら挟み込むことができるでしょう。

また、このメソッドは単に時間を確保するだけではありません。著者が4000冊以上の読書と100冊以上の読書術本から導き出した「読書効率を最大限まで高めるメソッド」に基づいているため、その15分間の活用方法も高度に最適化されているのです。

1%読書を習慣として確立できれば、その他の時間でもより深い読書ができるようになる可能性があります。 10年後の「圧倒的な成果」についても、確かに1日15分の積み重ねが10年というスパンでどれほどのインパクトを生むのかは非常に興味深い問題です。10年間(約5,475日分)にわたる15分ずつの読書が、新しいスキル、知識、視点をもたらし、それがプロフェッショナルやパーソナルな成功につながる可能性は高いでしょう。

年間100冊以上の多読は、「知識のカケラを得る」に意味がある。不知が減り、検索力が上がる。「知っている」が増え、好奇心の循環ができる。1冊を最大化する精読は、「使える知恵にする」に意味がある。頭にフレームを作り、無意識に落とし込む。どちらも正解で意味がある。目的に合わせて選んでいい。

著者は本から最大限に学ぶための具体的なステップを提供しています。
①目的を定義する
読書の方向性を確立する基本的なステップです。何を達成したいのか明確にすることで、本から何を得るべきかが自然と明確になります。

私は社外役員や顧問をしているクライアントの経営者の視点で本を読むようにしています。彼らの課題を解決するための本を読み、そこからソリューションを得るようにしています。

経営者は多くの場合孤独ですから、部下や役員に相談できないことが多々あります。彼らの悩みを発見し、それを解決することが、ビジネスで成果を出す秘訣です。 社外取締役や顧問として働く私は、経営者の立場を理解し、彼らの視点で物事を考えるようにしています。

そのため、私は彼らの課題に関連する本を積極的に読みます。例えば、経営戦略やマーケティング、チームワークについての書籍など、彼らが直面する問題を解決するためのヒントを得るために読んでいます。

また、経営者は常に新たな課題に直面しています。経営環境は常に変化しているため、最新の情報を得ることは非常に重要です。これにより、私はクライアントに対して的確なアドバイスやソリューションを提供することができるようになりました。

経営者の悩みを発見し解決するためには、彼らとのコミュニケーションが欠かせません。私は彼らとの対話を通じて、彼らのニーズや目標を理解し、インプットを最大化し、適切なアドバイスができるようにしています。

②目次を開き予測する
効率的に目的に沿った部分を探し出すためのスマートな方法です。これにより、無駄な時間を使わずに済みます。

③スキミング(読み飛ばし)
ビジネス書の場合は知っているページや不要なページをスキミングすることで、時短読書ができるようになります。

④精読
目的の箇所を読み込む目に留まった場所を精読(一字一句じっくり読む)していきます。著者の主張、理由、具体例を押さえ、理解できるまでじっくり読み込みましょう。特に新たな知識を吸収したい場合、精読を心がけるようにします。

⑤言葉を置き換える
理解と記憶の両方を強化します。自分自身で説明できるようになることで、知識が深まります。私はこの書評ブログを書き続けることで、知識の深掘りをしています。

⑥想起し、考えながら休憩する
得た知識を長期記憶に落とし込むための重要なステップになります。これは、学習心理学でもサポートされている方法です。 この方法論に従えば、15分でも非常に効率的な読書が可能です。

 

読書から得られる6つの恩恵

「めんどうくさい」と「難しい」は、分解すれば自分が「知らない」と言うだけ。

・読書の恩恵①知識の会得で挑戦へのハードルが下がる
・読書の恩恵②想像力と共感力が向上する
・読書の恩恵③ストレスに強い自分になれる
・読書の恩恵④豊富な語彙量の獲得
・読書の恩恵⑤文字を読む速度が上がる
・読書の恩恵⑥固執した考えを破壊する

読書を通じて大量の知識を吸収することで、不安や恐怖感がなくなり、行動することへの抵抗が減ります。これによって、新たなチャレンジに積極的に取り組むことができるでしょう。

また、読書によって想像力と共感力が向上します。本を読むことで、さまざまな世界や人物に触れることができます。結果、自分の想像力を広げると同時に、他者の感情や経験に共感する力も養われます。これは、コミュニケーション能力や人間関係の構築にも役立つでしょう。

さらに、読書はストレスに強い自分になるための手段ともなります。本を読むことは、現実の世界から一時的に離れることができるため、心のリフレッシュやリラックスに役立ちます。また、ストーリーやキャラクターに感情移入することで、自分自身のストレスや悩みを解消する効果もあります。

読書によって豊富な語彙量を獲得することができます。さまざまなジャンルやテーマの本を読むことで、新しい単語や表現を学ぶことができます。これにより、自分の言葉で正確かつ効果的に意思を伝えることができるようになります。

読書をすることによって、文字を読む速度がどんどん速くなり、読解力も向上。情報取得能力が上がり、仕事の生産性も高まります。

大量に本を読むことで、文字を読む速度も上がります。読書をすることで、文字に慣れるだけでなく、読解力も向上します。情報をスムーズに理解し、効率的に吸収することができるため、仕事の生産性も高まるでしょう。 最後に、読書は固執した考えを破壊する力も持っています。

さまざまなジャンルや意見の本を読むことで、自分の固定観念や偏見を超えることができます。結果、より柔軟な思考を身につけ、新たな視点や解決策を見つけることができるのです。

私は多読を習慣にすることで、この6つの恩恵に加え、アイデアづくりが上手くなりました。アイデアは要素と要素の掛け合わせなので、大量の知識をインプットによって、アイデアを量産できるようになります。

自分勝手に読むから学びにつながる!

本を読む方法は一つではありません。さまざまな読み方、理解の方法が存在することを認識することは非常に重要です。

・自分にとって役に立つ知識を探す。
一冊の本には多くの情報が詰まっていますが、それら全てが自分にとって役立つわけではありません。自分が何を求めているのかを理解し、その部分だけを読む、またはその情報を優先して吸収することは有用です。

・実生活で使える(応用できる)知識を探す。
理論だけではなく、日常生活や仕事に直接適用できる知識やスキルがあれば、その情報は特に価値があります。

・面白いと感じる知識のカケラを集める。
人は興味を持っていることに対しては、より深く集中します。興味深い部分をピックアップすることで、その本全体に対する理解も深まることがあります。

・最初から読まなくていい・全て読まなくていい・読み飛ばしてもいい。
確かに、全てのページやセクションが自分にとって有用であるとは限りません。目的に応じて読む部分を選んでいいのです。

・事実をそのまま受け取らなくていい、書籍と議論してもいい。
批評的な思考を持つことは重要です。そのためには、読む内容に対して自分自身の考えや疑問を持つことが有益です。

・自分だけの答えが見つかればいい: 確かに、他人がその本で何を学んだかは重要ではありません。重要なのは、自分が何を学び、どう活かせるかです。

・短時間の読書でいい・速読は悪ではなく善
まさに、読書は単に娯楽や知識の集積だけではなく、具体的な問題解決の手段としても非常に有用です。特にビジネスの文脈においては、スキミングや速読は効率性と効果性を高める強力な手段となり得ます。 ビジネス書の場合、たくさんの具体的なテクニックやフレームワークが紹介されていることが多いですが、それら全てがすぐに役立つわけではないでしょう。

しかし、特定のクライアントの問題に対する解決策が1章や1節にまとまっている可能性があります。そのような情報を速やかに見つけ出せれば、本への数千円の投資で大きなリターンが得られることも少なくありません。 また、本の全体的なメッセージや理論については、多くの場合、序章や結びの章、さらには各章の要約部分で簡潔にまとめられています。このような部分を効率よく読むことで、全体像を把握し、必要な部分だけを詳細に読むという方法も有効です。

読書の「質」は、どれだけ多くのページを読んだかや、どれだけ時間をかけたかではなく、その内容がどれだけ自分の目的に適っているか、どれだけの価値を提供してくれるかによって決まります。具体的な課題解決につながる知識やスキルを効率よく吸収できれば、それが最も賢い読書法かもしれません。

毎日15分、このメソッドで読書を行えば、知識は確実に蓄積され、長期的には多大な成果を生む可能性が高いと言えます。読書が習慣化できたら、その時間を伸ばし、インプットとアウトプットを最大化することで、結果を残せるビジネスパーソンになれます。

私は日々の読書とブログでのアウトプットを13年間続けていますが、この習慣が私のビジネスと人生に与えた影響は計り知れません。隙間時間を有効活用し、知識を「貯金」することで、ビジネスがうまくいくだけでなく、さまざまな人との出会いが生まれ、幸せな時間を過ごせるようになったのです。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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